再生可能エネルギーとは
再生可能エネルギーとは、「エネルギー源として永続的に利用することができると認められるもの」※で、太陽光、風力、水力、地熱、太陽熱、大気中の熱その他の自然界に存在する熱、バイオマスが該当します。
※「エネルギー供給事業者による非化石エネルギー源の利用及び化石エネルギー原料の有効な利用の促進に関する法律」より
一度使うと再利用できない石油や石炭などの化石燃料に対して、再生可能エネルギーは枯渇することなく繰り返し使うことができ、発電するときに二酸化炭素をほとんど出さないという「環境に優しい」エネルギーです。
再生可能エネルギーの課題
再生可能エネルギーは、利用のための設備の価格が高く、日照時間など制御できない自然状況によって発電量が左右されるなどの理由から、利用率が低くなっています。そのため、火力発電などの化石燃料を用いた発電方法に比べて発電コストが高くなってしまいます。
また、発電コストを下げるために大規模に発電したとしても、発電量が自然状況によって左右されてしまうので、需要が少ない時期に大量に発電されたり、逆に需要が多い時期に発電量が足りなくなったりすることが考えられます。
特に発電量が足りなくなる場合が深刻で、大規模な停電へとつながります。これを回避するためには、余剰電力をためておける蓄電池の整備が合わせて必要になりますが、蓄電池の容量にも限りがあるため、悪条件が重なると発電量が足らないという事態は回避できなくなります。
それでも再生可能エネルギーが必要な理由
発電量が不安定で発電コストが高いという課題を抱えながらも再生可能エネルギーを求める声が数多く聞こえます。その理由はどこにあるのでしょうか。
日本は現在、発電の8割以上を化石燃料から行っていますが、その化石燃料は輸入に頼っています。現時点ではあまり考えにくいですが、化石燃料の輸出を止められたり、輸送中の船が襲撃されることが多発したりした場合、日本の発電は止まってしまい、生活に大きな影響を与えます。
また、新興国の経済発展により化石燃料の需要は増大しています。そうした状況の中、投資資金が化石燃料の市場に入ってきているため、市場価格が高止まりしたり、急落したりするなど安定しない状況となっています。
加えて、世界的に「地球温暖化」の対策として、化石燃料の利用に伴って発生する温室効果ガスを削減することが重要な課題となっています。
エネルギーを安定的に供給するために、また、温室効果ガスの発生を少なくするために、資源の枯渇の恐れが少なく、日本国内にある資源で発電ができ、二酸化炭素の発生がほとんどない再生可能エネルギーが望まれているのです。
再生可能エネルギー普及のために
再生可能エネルギーの普及のために国による支援施策が行われています。2012年7月から再生可能エネルギーの固定価格買取制度を導入し、再生可能エネルギーで発電した電気を固定価格で買い取ることを電力会社に義務付けています。
さらに、再生可能エネルギーの不安定さを解消するために、蓄電池の導入に関するコスト削減や性能向上のための研究開発にも積極的に取り組まれています。
再生可能エネルギーによる発電の仕組みと課題
以下のページでそれぞれの再生可能エネルギーによる発電の仕組みと課題についてまとめています。