一般家庭向けの電気を販売する新電力会社の中に新日本エネルギーという会社があります。2022年7月現在電気の販売を行うエリアは、沖縄エリアを除く全国になります。これから電気の切替を考えている人に新日本エネルギーの電気プランはお得なのか紹介していきます。
目次
新日本エネルギーの「新ネクストプラン」
新電力会社として登場した新日本エネルギーは一般家庭向けのプランとして「新ネクストプランバリュー」を主軸に電気の販売を行っています。新日本エネルギーの新ネクストプランバリューは大手電力会社の従量電灯A/B/Cに相当するプランです。北海道、東北、東京、中部、北陸は基本料金制を採用しています。一方、関西、中部、四国エリアは最低料金制を採用しているエリアです。
3つの特徴(基本料金制エリア)
- 10A~20Aの契約アンペアが小さい人は申し込みができない(契約は30A以上)
- 基本料金は大手電力会社の従量電灯Bより割安
- 電力量料金は一律の設定
上記特徴を踏まえるとあまり電気を使わない人にはメリットは少ないように思います。それでは、表にして比較してみましょう。
東京エリア「新ネクストバリュープラン電灯B」(東京電力エナジーパートナー従量電灯B相当)
区分 | 単位 | 新日本エネルギー | 東京電力EP | 差額※ | |
---|---|---|---|---|---|
新ネクストバリュープラン電灯B | 従量電灯B | ||||
基本料金 | 30A | 1契約 | 772.20円 | 858.00円 | -85.80円 |
40A | 1029.60円 | 1144.00円 | -114.40円 | ||
50A | 1287.00円 | 1430.00円 | -143.00円 | ||
60A | 1544.40円 | 1716.00円 | -171.60円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 26.48円 | 19.88円 | +6.60円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 26.48円 | 26.48円 | 0円 | ||
300kWh超過分 | 26.48円 | 30.57円 | -4.09円 |
※差額は、東京電力エナジーパートナー従量電灯Bとの差額です。
新ネクストバリュープラン電灯はどれだけ安くなる?
それでは、実際に電気代はどのくらい安くなるのかシミュレーションを行ってみましょう。
東京エリアで下記条件の家庭をモデルケースに電気代の比較を行ってみます。
1人暮らし(1ヶ月の電気使用量30A220kWhの場合)
1人暮らしの人は、20A~30Aで契約している人が多いです。1人暮らしの人の1ヶ月の平均電気代は5,791円(総務省統計局の家計調査2020年より)なので毎月200kWh~250kWh程度で電気を利用している人が多いと思われます。
下記表で電気代の比較を行ってみましたが、1人暮らしの家庭で1ヶ月の電気使用量が30A250kWhの家庭では年間8,000円も新ネクストプランBの方が高くなりました。基本料金が東京電力の従量電灯Bと比較しやすくなっても電気使用量が高くなったため電気をあまり使わない人には向かないかもしれません。
30A220kWh/月 | 新日本エネルギー | 東京電力EP | 差額 |
---|---|---|---|
新ネクストプラン電灯B | 従量電灯B | ||
1ヶ月の電気代 | 6,597円 | 5,891円 | +706円 |
1年間の電気代 | 79,164円 | 70,692円 | +8,202円 |
※年間の電気代は計算を簡易にするために年間で使用量に変動はなく、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※電気料金の合計額は円未満切り捨て請求となります。
2~3人暮らし(1ヶ月の電気使用量30A370kWh)
2~3人暮らしの人は、30A~40Aで契約している人が多いです。2~3人暮らしの人の1ヶ月の平均電気代は10,671円(総務省統計局の家計調査2020年より)なので毎月350kWh~400kWh程度で電気を使用している人が多いと思われます。
下記表で電気代の比較を行ってみると2~3人暮らしの家庭で1ヶ月の電気使用量が30A370kWhの家庭では東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bと比較し年間で約5,000円程度電気代が高くなってしまいました。新ネクストバリュープラン電灯Bは、300kWh超過分の電力量料金単価が安く設定されていますが2~3人暮らしの人の電気の使い方では高くなってしまう人もいるようです。基本料金は東京電力EPより安くなっていますし、300kWh超過分の電力使用量は安い設定になっていますので電気使用量が多い大家族などの家庭にメリットの大きいプランになります。
電気の使用方法によっては電気代が高くなってしまう可能性があるため電気プランの変更はシミュレーションをしっかり行ってから変更するようにしましょう。
30A370kWh | 新日本エネルギー | 東京電力EP | 差額 |
---|---|---|---|
新ネクストプランB | 従量電灯B | ||
1ヶ月の電気代 | 10,569円 | 10,149円 | +420円 |
1年間の電気代 | 126,828円 | 121,788円 | -5,040円 |
新日本エネルギーの電気プラン「新ネクストバリュープラン」は電気使用量が一律で分かりやすいです。電気使用量が多い家庭、店舗や商店などの電気を多く使う人はシミュレーションを行って変更を検討してみてもよいでしょう。電気の使い方によってはメリットを大きく感じられる人もいます。
また、多くの電力会社で電気代の支払でポイントが貯められたり、別のサービスとのセット割で割引が適用されるなどのサービスを設けいている電力会社が多くありますが、新日本エネルギーは現在そのようなサービスはないようです。これまでの電力会社とこれまでの電力会社と料金体系は変わらず、単価の比較でどれだけお得に利用できるかが確認出来るのでシンプルで分かりやすいかもしれません。
「新ネクストプラン」のメリット・デメリット
【メリット】
☆電気を多く使う人は電気代が安くなる
※電気使用量が一律で分かりやすい
【メリット】
☆電気を多く使う人は電気代が安くなる
※300kWh超過分の電力量料金単価が安く設定されているため、毎月の電気使用量が300kWh以上の人は電気代が安くなる
【デメリット】
☆一人暮らしの人など電気をあまり使わない人は電気代が安くならない
☆セット割やポイント付与による還元サービスがない
☆新規契約から1年以内及び更新月以外で解約を希望する場合は解約金が発生する(次項に詳細説明有)
新日本エネルギーの電力供給は安全?手続き方法は?
新日本エネルギーは株式会社NEXT ONEが運営する電力事業で2019年より電気の販売を行っています。経済産業省に電気の小売電気事業者登録(登録番号:A0463)を行っているしっかりとした会社です。また、新日本エネルギーに電力会社を変えてもこれまでと変わらない送配電線を利用して電気が送られるので停電しやすくなったり電気の品質が落ちたりするような心配はありません。電気の品質・信頼性はこれまでと変わらず利用できるという事です。
また、新日本エネルギーに電力会社を切り替える場合はスマートメーターの設置が必要になりますが、設置が未設定の住宅でも原則、切替に伴う工事費用などは必要なく、申し込みの手続きを行うだけで電力会社が手配を行ってくれるため心配することはありません。
申込方法
新日本エネルギーの電気プランに申し込みを行う場合は、新日本エネルギーのホームページから申し込みを行う事ができます。また、所定の申込用紙に必要事項を記載して郵送で申し込みを行う事も可能です。
電気代の支払方法
電気代の支払方法は口座振替、クレジットカードまたはコンビニ窓口支払から選択できます。新電力会社は、クレジットカード払いに限られる場合なども多いのでコンビニ窓口の支払が可能なのはうれしいですね。ただし、コンビニ窓口支払用紙を希望する場合は330円(税込)/月の手数料が必要になるようです(再発行の場合は305円(税込))。また、請求書が必要な人用に請求書の発行も220円/月で行っています。
【事務手数料】
初回事務手数料 | 無料 |
---|---|
使用料のお知らせ(圧縮はがき) | 220円/月 |
請求書発行手数料 | 220円/月 |
振込用紙発行手数料 | 330円/月 |
電気の使用状況の確認
新日本エネルギーに電力会社を変更して電気使用量の確認を行いたい場合は、新日本エネルギーのマイページで使用量や電気料金を確認することができます。
インターネット上のマイページで確認する方法以外に郵送ハガキで電気料金と使用量のお知らせを希望することも可能です。希望すると220円/月の手数料が必要になりますが書面で使用状況の確認を行いたいという人にはうれしいサービスです。
解約について
新日本エネルギーは3年契約の自動更新です。新規契約から1年以内の解約は22,000円(税込)、更新月以外の解約で9,900円(税込)の解約金が発生するので注意しましょう。更新月で解約を希望する場合は、15日前までに新日本エネルギーのホームページや電話で解約や変更を伝えると手続きができます。