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電気代節約の豆知識

東京ガスの再エネプラン「さすてな電気」を解説!

2021年9月8日

2016年の電力自由化がスタートしてから電力会社も増え、再生可能エネルギーを利用した電気プランを出す会社も増えてきました。東京エリアで電気の販売をする東京ガスも2021年6月4日から実質再生可能エネルギー100%の電気料金プラン「さすてな電気」の販売をスタートさせています。エコな電気に関心が高い人に東京ガスのさすてな電気について詳しく解説していきます。

東京ガスの「さすてな電気」の特徴は?

東京ガスは東京エリアで都市ガスを販売する馴染みのある会社です。電力自由化以降に電気の販売にも力を入れガスと電気のセット販売で契約している人も多いかもしれません。そんな東京ガスが2021年6月4日より実質再生可能エネルギー100%で、CO2排出量も実質ゼロの電気プラン「さすてな電気」の販売をスタートさせています。

さすてな電気は、供給する電気の100%が実質再生可能エネルギーでCO2排出量も実質ゼロなので環境に優しい電気です。電気プランをさすてな電気にするだけで持続可能な社会の取り組みに貢献することができるという事ですね。実質、100%再生可能エネルギーの電気の供給のためCO2排出量も、実質、ゼロという事ですが、一体どう事でしょうか。それは、「非化石証書」を付加することで可能にしています。再エネ指定の非化石証書を付加することにより、実質的に再生可能エネルギー100%かつCO2排出量ゼロとしてみなされる電気ということになっているのです。

非化石証書って何だろう?

非化石証書は、自社で扱っている電気が化石燃料を使用していない事実を証明するためのものです。東京ガスなどの電気を販売する企業は、再生可能エネルギー発電事業者が発行した非化石証書を購入することでCO2削減に関する各種の報告書に実績として書くことが可能になっています。再生可能エネルギー100%の電気プランを販売する多くの電力会社がこの非化石証書を利用しています。

この方式は、太陽光発電、風力発電、小水力発電といった固定価格買取制度が適用されるFIT電気を前提としたものです。2020年からは大型水力発電や原子力発電といった非FIT非化石証書も加えることとなっています。ただ、一度事故が起きると環境コストが莫大なものとなる原子力発電などを非化石証書に加えることに対しては、疑問の声も少なくありません。

東京ガスのCO2排出量について

東京ガスのホームページで供給されている電気はどのようにして作られた電気なのかという事が公開されているので確認することができます。

東京ガスが、現在(2021年9月時点)、通常販売している電気プランは一般家庭向や商店、事務所などの電気を多く使う人用の「基本プラン」と低圧電力を利用している人向けの「ずっとも電気3」になります。これらの通常プランで供給されている電力は電気を作るために、1kWhあたり0.364kg(2019年度実績)のCO2を排出しています。

例えば、東京ガスの通常電気プランで契約している人が1か月300kWhの電気を家庭で使ったとすると、その電気を作るために109.2kgのCO2が排出されたという事です。このように考えると各家庭で電気を利用している私たちが間接的にCO2排出を行っていると見ることもできます。CO2の排出は電気だけではありませんが、環境問題のことを考え少しでもCO2排出を減らそうという努力は小さなことから見直していくことが大切ですよね。

東京ガスの「さすてな電気」は実質100%再生可能エネルギーで発電された電気の供給になるので、このCO2排出量も実質ゼロの電気という事になります。

電気の特性

電源構成(2019年度実績)

LNG火力 72% 石油 1%未満
石炭 8% 水力(3万kW以上) 1%未満
再生可能エネルギー 3% 原子力 1%未満
FIT電気 2% その他 4%
JEPX 10%    

※再生可能エネルギーは、バイオマス、水力(3万kW未満)の内、FIT電源を除きます。
※FIT電気を調達する費用の一部は、東京ガスのお客様以外も含め、電気をご利用の全てのお客様から集めた賦課金により賄われており、CO2が排出されないことをはじめとする再生可能エネルギーとしての価値を訴求するにあたっては、国の制度上、非化石証書の仕様が必要とされています。東京ガスが販売するFIT電気は、CO2排出量について、火力発電も含めた全国平均の電気のCO2排出量を持った電気として扱われています。
※日本卸電力取引所(JEPX)から調達した電気は、水力、火力、原子力、FIT電気、再生可能エネルギーなどが含まれます。
※石油は、液化天然ガス(LPC)を含みます。
※その他は、東京電力パワーグリッド(株)からのインバランス(補給)供給を受けた電気については、「その他」の扱いとしています。

CO2排出係数(2019年度調整値)

CO2排出係数0.364kg-CO2/kWh

※東京ガス株式会社公式サイトより

「さすてな電気」の電気代は高い?

東京ガスの「さすてな電気」の料金単価を東京電力エナジーパートナーの従量電灯B/Cと比較してみましょう。料金単価を比較すると、電気料金は据え置きという事が分かります。東京電力エナジーパートナーの従量電灯B/Cで契約する人がさすてな電気に変更して毎月の電気代を安くすることはできませんが、CO2排出実質ゼロの電気に切り替わる事は大きな変化と考えることもできるでしょう。さらに、さすてな電気に切り替えると1契約につき、1本の植林も行われるそうです。

「さすてな電気」の電気料金
区分 単位 東京ガス 東京電力EP 差額※
さすてな電気 従量電灯B
基本料金 10A 1契約 286.00円 0.00円
15A 429.00円
20A 572.00円
30A 858.00円
40A 1,144.00円
50A 1,430.00円
60A 1,716.00円
1kVA 1kVA 286.00円
電力量料金 最初の120kWhまで 1kWh 19.88円
120kWhをこえ300kWhまで 26.48円
300kWh超過分 30.57円

東京ガスのサステナビリティ

東京ガスは古くから関東エリアで都市ガスを販売する馴染みのある会社です。現在、世界中のあらゆる分野で脱炭素への取り組みが加速していますが、東京ガスもCO2削減に貢献する取り組みを進めています。

CO2削減に関して、東京ガスは「CO2ネット・ゼロをリード」を経営課題の一つに掲げ3つの取り組みをスタートさせています。

  1. 天然ガスの高度利用
    エネルギーをスマートエネルギーネットワークの技術を利用して高度化するなどの取り組みでCO2排出量を削減する
  2. CO2の分離回収
    排出されたCO2を分離し回収して地中深く埋めるなどの技術開発でCO2を直接大気に放散することなく、実質的に減らしていく
  3. 森林の再生支援でCO2削減分を相殺
    発生する温室効果ガスを森林の再生支援等によるCO2削減分で相殺したLNG(液化天然ガス)、カーボンニュートラルLNG(CNL)の普及・拡大を行う

その他、水素活用の技術開発を強化しCO2の排出を減らす開発を行っていたり、再生可能エネルギー電源の拡大などにも力を入れています。東京ガスも持続可能な社会を目指してサスティナブルな取り組みに力を入れているようです。2001年に国連サミットで採択された持続可能な開発目標SDGsの取り組みにも事業活動を通して社会課題の解決に取り組んでいる企業です。

この記事のまとめ

東京ガスは実質、再生可能エネルギー100%でCO2排出量も実質ゼロの電気プラン「さすてな電気」の販売をスタートさせています。CO2排出量ゼロの環境に優しい電気に興味がある人は東京ガスのさすてな電気に注目してみましょう。

  • さすてな電気の電気代は東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bと同じ単価のため電気代は据え置き
  • 東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bに契約する人はさすてな電気に変更すると電気代は安くならないがCO2排出量実質ゼロの電気になる
  • さすてな電気に契約すると1契約につき、1本の植林が行われる

現在、多くの電力会社が環境に優しい電気プランを出しています。環境に優しい電気は発電にコストがかかるため電気代が高い傾向にありますが、環境問題に関心が高い人は再生可能エネルギーの普及のためにもCO2排出ゼロプランを検討してみるとよいでしょう。電気代は毎月の固定費になります。毎月の家計の負担になるものなので電気代は安く抑えたいという人は、電気料金が安いプランを探してみましょう。電気プランは自由に選べるのであなたの家庭に合った電気プランが見つかるとよいですよね。

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