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電気の基礎知識

風力発電の仕組みと課題

2017年5月23日

風力発電の仕組み

風力発電は風の力で風車を回し、この回転エネルギーを発電機で電気に変換しています。

風力発電機は風の向きや強さをはかって、自動的に風車の向きや羽根の角度を調整します。また、台風のときなど風が強すぎて風車の回転速度が上がりすぎるときやメンテナンスのときは、安全のために回転を停止させます。

回転エネルギーがなぜ発電につながるのかは以下のコンテンツをご確認ください。

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風力発電の特徴

1.比較的発電コストが低い

再生可能エネルギーの普及がなかなか進まない理由の一つに発電コストの高さがあげられますが、風力発電は再生可能エネルギーの中では発電コストが低く、徐々に普及が進んでいます。ただし、台風に耐えられる風車を施設する必要があるため、どうしても欧米よりコストが高くなってしまいます。

2.夜間も発電可能

太陽光発電は太陽が出ている間しか発電することができませんが、風力発電は風さえ吹いていれば、夜間でも発電することが可能です。

3.設備が簡単で、運転が容易

風力発電機の設置工事に必要な期間は、他の発電方式より短く済みます。1基では通常3~4か月、50~100基の大規模な集合型風力発電所でも1~2年ほどで済んでいる例があります。

なおこれは建設にかかる時間だけで、大規模に発電する場合には、環境調査や手続きなどを含めた、計画から稼働までの期間は4~5年必要です。他の発電方法の計画から稼働までの期間は、原子力発電で約20年、火力発電で約10年と長期にわたっています。

※「国家戦略会議第5回コスト等検討委員会配布資料6-1.計画から稼働までの期間について」より

風力発電の課題

1.騒音・低周波音被害

風力発電を稼働するとモーター音や風切り音が発生します。ただ、大きくても50dB程度と昼間の住宅地程度の音なので周りがしんと静まり返っているところやすぐ近くに住宅があるなどでなければ特別大きな問題にならない範囲です。

また、低周波音による被害を訴えるケースもあります。しかしこれは、人への影響がどの程度なのかよくわかっていない部分が多く、さらなる調査を進めている状況です。

2.耐久性の向上

風力発電の発電コストをさらに下げるためには耐久性の向上が望まれます。台風などによる強風や落雷によって、風力発電機が故障してしまう場合があります。ヨーロッパなどの高緯度地域で風力発電の普及が進んでいるのは熱帯低気圧による暴風雨の影響を受けにくいという事情もあります。そのヨーロッパ製の風力発電機を輸入して使用した結果、台風の強風に耐えられずに故障してしまったというケースもありました。

3.景観の破壊

どうしても人の主観による部分が入るのですが、美しい風景などを観光資源としていた場所では、風力発電機が景観を壊すという主張を受けることがあります。逆に、風力発電機が立ち並ぶ様子を新たな観光資源としているところもあります。その土地を訪れる人が何を求めているのかによって感じ方が変わる部分なので決まった答えはありませんが、景観が壊れたと感じる人がいることは十分考慮に入れる必要があるでしょう。

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