2016年4月から始まった電力の小売自由化ですが、電力自由化によってどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。一度整理しておきましょう。
メリット
1.電気代が安くなる
新規に参入した多くの電力会社は東京電力など地域の電力会社の標準的な料金プランである「従量電灯」をもとにして料金プランを作成しています。
(料金プランを変更したことがなければ「従量電灯」というプランです。)
新規に参入した会社があったとして、切り替えるメリットが何もなければその電力会社に契約を切り替えようとは思いません。環境に優しいなどの何か特別なアピールポイントが無い限りは、(月の使用量が○○kWh以上の人など限定的なプランも多いですが、)電気代が安くなる料金プランを用意しています。
例えば、旅行代理店のH.I.S.も販売代理店を務めるHTBエナジーは地域の電力会社の「従量電灯」の料金テーブルから5%割り引いた料金テーブルを用意しています。
また、電気代そのものは変わらないけど、ポイントによるキャッシュバックがあるので総合的にみると安くなるようなプランもあります。
auでんきは、地域の電力会社の「従量電灯」と同じ料金テーブルを用意していますが※、電気の利用料金額に応じてau WALLETポイントが付与されるので、auの利用者は結果的にお得になります。
※auでんきは消費税の計算方法が地域の電力会社と異なるので数円のずれが出る場合があります。詳しくはauでんきの公式サイトをご覧ください。
2.環境に優しいなど安さ以外を重視するプランも選べる
電気代が安ければどのように発電してようが関係ないという人もいますが、太陽光など自然にやさしい発電で作られた電気を使いたいという人もいるでしょう。そういう人に対しても、再生可能エネルギーでの発電比率が高いプランや100%自然エネルギーで発電しているプランも登場しています。
(地域によっては選択できない場合もあります。)
環境に優しいという軸以外にも、高齢者の見守りサービスや水回りのトラブル・鍵の紛失時に専門業者が駆けつけてくれるなど家族に優しいサービスを展開している電力会社もあります。
デメリット
1.セット割や2年契約などによる囲い込み
セット割や2年契約によって電気料金が安くなる料金プランがありますが、セット割の対象となっているサービスの契約を変えづらくなったり、違約金が発生するので契約期間内で料金プランを変更しづらくなったりします。
セット割や2年縛りが無くても安い料金プランもあるので更なる安さを求めるか、自由さを求めるかはご希望に応じて選択してください。
2.電気料金が高くなる可能性もある
電力会社の中には必ず地域の電力会社の「従量電灯」より安い料金プランを用意しているところもありますが、多くの場合は特定の条件の人は「従量電灯」より安くなるような料金プランを用意しています。その特定の条件から外れると、今までより電気代が高くなってしまいます。
また、一度切り替えた後は安くなる条件がより限定的になります。セット割や2年縛りなど料金体系が分かりづらくなっている場合もあるので料金単価や条件をよく確認してから申し込むようにしてください。
ある程度長期的な話になりますが、日本に先駆けて電力自由化を実施している諸外国では燃料費の高騰以上に電気代が高くなっている例があります。日本では開始時点で諸外国より電気料金が高めなので電気代が下がる余地はありますが、少し心配な事例です。