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電気の基礎知識

水力発電の仕組みと課題

2017年5月23日

水力発電の仕組み

水力発電は、水が高いところから低いところへと流れる位置エネルギーを用いて発電しています。水が流れる途中に発電用のポンプ水車を設置し、その水車の回転によって発電しています。

水力発電は発電方法によって分類できます。

流れ込み式

河川を流れる水をそのまま発電に使用します。発電の出力は小さいです。

調整池式

河川の流れをせき止めた小規模のダムに河川水を貯め、消費量の増加に合わせて水量を調整しながら発電します。水は消費電力が少ない時間帯に発電を控えることで貯めます。

貯水池式

調整池式より規模が大きいダムに河川水を貯め、消費電力が大きい夏と冬に発電します。水は消費電力が比較的少ない春と秋に貯めます。

揚水式

発電所をはさんだ上流と下流にダムを作って貯水し、消費電力が多い時間帯に、上流側のダムの水を下流側のダムに落とすことで発電します。消費電力が少ない時間帯では他の発電でできた余剰電力を活用して、下流側のダムから上流側のダムへ水をくみ上げて、発電に備えます。

水力発電の特徴

1.発電量のコントロールが容易

水を流す量を調整することで発電量を容易にコントロールすることができます。電気は貯めておくということができないので、無駄なく発電できるのは大きなメリットになります。

2.成熟した技術がある

他の再生可能エネルギーと違い、水力発電は既に高度に確立された技術を用いて発電します。そのため、他の再生可能エネルギーが改善の努力をしている間に効率よく発電を続けて、改善効果が表れるまでの間を持たせることができます。

3.安定的に発電できる

発電量が不安定な再生可能エネルギーが多いなか、降水量が多く起伏に富んだ地形をもつ日本では、水力発電は水不足に陥らない限りは安定的に発電することができます。

水力発電の課題

1.ダムによる環境破壊

ダムの建設によって広い地域を水没させてしまうだけでなく、上流から流れてくる砂もせき止めてしまうことから、下流に流れる砂の量が減少し、砂の中で生活する生物の数が減少するなどの影響があります。

2.水利権の問題

水の利用は下流の治水などに影響するため、発電機を設置するには管理者に届けをする必要があります。この届け出の手続きが規模の大小にかかわらず極めて煩雑であるという問題があります。

3.小規模発電の場合費用対効果が悪い

水力発電は魚道の確保、堆積する砂の排出、護岸の整備など規模の大小にかかわらず必要な設備・メンテナンスがあります。これらの費用を考えると、小規模の水力発電は費用対効果の悪化は避けられません。

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