電力の小売が自由化され、2016年4月からは一般家庭でも好きな電力会社や契約プランを選ぶことができるようになりました。今の電気代が高いのか安いのか、周りの家庭はどれくらい電気代を支払っているのか平均額を確認してみましょう。電気代の平均額を把握すれば、自分の家庭の電気代が高いのか安いのか一目瞭然です。電気の節約方法も紹介してきますので電気代の節約について悩んでいる人は確認してみましょう。
目次
統計データから電気代平均額を調べてみた!
総務省統計局の家計調査2021年から各世帯別の電気代平均額を見てみましょう。
2021年の電気代に対する1カ月間の支出は、1人世帯の平均額は5,468円で、2人世帯だと9,183円です。3人世帯になると10,655円、4人世帯では11,376円です。さらに、5人世帯の場合は12,423円、6人世帯以上では14,852円が平均支出額です。全体での平均額は8,601円です。
2020年と比較すると全体的に平均電気代が下がっています。2020年の全体の平均が10,671円だったのに対し、2021年は8,601円です。
世帯人数 | 平均電気代 | |
---|---|---|
1ヶ月 | 12か月 | |
1人 | 5,468円 | 65,616円 |
2人 | 9,183円 | 110,196円 |
3人 | 10,655円 | 127,860円 |
4人 | 11,376円 | 136,512円 |
5人 | 12,423円 | 149,076円 |
6人以上 | 14,852円 | 178,224円 |
全体 | 8,601円 | 103,212円 |
※年間の平均電気代は、1か月の平均電気代を12倍したものです。
基本的に世帯人数が増えるにつれて平均額が増えていきますが、3人世帯と4人世帯ではほとんど差はありません。平均額と毎月の使用料金を照らし合わせてどれくらいの差があるのかチェックしてみましょう。
この結果は1年を通しての平均額ですが、電気使用量は季節によって変動しますので、電気代も季節によって変動します。基本的には冬の電気使用量が一番多く、次いで夏も電気使用量が多いです。2021年の平均電気代より電気代が季節によってどのくらい変わるのか見てみましょう。
※電気代は、前月の電気使用量に対しての請求になります。その月の電気代は1ヶ月前の電気使用量を反映しています。
世帯人数 | |||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
月 | 1人 | 2人 | 3人 | 4人 | 5人 | 6人 | 全体 |
1月 | 6,641円 | 11,005円 | 12,115円 | 12,318円 | 13,723円 | 18,270円 | 11,875円 |
2月 | 11,586円 | 13,468円 | 13,415円 | 16,150円 | 17,694円 | 12,854円 | |
3月 | 11,881円 | 13,518円 | 14,399円 | 15,983円 | 18,427円 | 13,197円 | |
4月 | 4,990円 | 9,601円 | 10,852円 | 11,668円 | 13,308円 | 16,036円 | 10,696円 |
5月 | 8,449円 | 10,159円 | 10,707円 | 11,729円 | 13,155円 | 9,644円 | |
6月 | 7,403円 | 8,922円 | 9,505円 | 10,388円 | 11,737円 | 8,488円 | |
7月 | 5,107円 | 7,075円 | 8,393円 | 9,362円 | 9,229円 | 11,440円 | 8,091円 |
8月 | 8,725円 | 10,061円 | 11,113円 | 11,114円 | 12,628円 | 9,774円 | |
9月 | 9,064円 | 10,863円 | 11,675円 | 12,225円 | 16,631円 | 10,393円 | |
10月 | 5,068円 | 8,554円 | 10,109円 | 11,367円 | 11,955円 | 13,940円 | 9,835円 |
11月 | 8,069円 | 9,375円 | 10,010円 | 11,198円 | 13,966円 | 9,103円 | |
12月 | 8,788円 | 10,028円 | 10,978円 | 12,090円 | 14,302円 | 9,854円 |
総務省統計局の家計調査2021年より
※1人暮らしは3ヶ月ごとの平均電気代になります。
全体の平均電気代推移をグラフで表してみましたが、冬場の1月~3月、夏場の8月~9月に電気代は高くなる傾向にあるようです。冬場は暖房器具を多く使う時期ですし、夏場やエアコンや扇風機などの冷房器具の使用頻度が増える時期です。電気を多く使う季節は電気の節約方法について気になる季節でもあります。
※電気代は、前月の電気使用量に対しての請求になります。その月の電気代は1ヶ月前の電気使用量を反映しています。
1人暮らしで平均より電気代が高い人の見直しポイント
1人暮らしの人の1ヶ月の平均電気代は、5,468円です。1ヶ月の平均電気代を単純に年間でかけて計算したとすると、1人暮らしの人の年間の電気代平均は65,616円です。この金額よりも電気代が高い人は平均より電気を多く使っている可能性がありますので電気プランの見直しを行ってみるとよいでしょう。
1.契約アンペア数を見直す
1人暮らしでは、もともと電気の使用量が多くないため、こまめな節約を頑張っても大きく電気代を減らすことは難しい場合があります。一人暮らしなのに必要以上の契約アンペアで契約しており、基本料金が高くなっている場合も考えられます(アンペア制エリアの人)。一人暮らしに必要なアンペア数は平均20A~30Aでなのでそれ以上のアンペア数で契約している場合は、自分の電気の使い方で大きなアンペア数が必要か考えなおしてみましょう。アンペア数を小さく変更することも電気代の節約に効果的です。
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2.自分の生活スタイルに合った電気プランを探す
電気の使い方を変えずに、1人暮らしの人が電気代を見直すならば、自分の生活スタイルにおいて一番お得になる電力会社の契約プランを探すことが電気代節約の近道になるでしょう。たとえば、家にいる時間がほぼ夜間だけという人は、夜間の電気代がお得になるプランを選ぶという方法があります。また、ガスを利用している人はガスの契約と電気の契約を一緒にし、セット割引の適用を受けたり、携帯電話会社の電気プランで固定費を安くすることができないかなど比較を行ってみましょう。自分に合った電力会社を探す時には一括比較サイトが便利です。今の電気の使い方と比較し電気プランを変更するとどれだけ電気代を節約できるかランキングで確認できますので試してみましょう。
カップル・ファミリー世帯で平均より電気代が高い人の見直しポイント
人数が多い世帯では、家族それぞれが電気を使用するのでどうしても消費電力量が多くなります。家族が多ければ多い家庭ほど、消費電力量は多くなり、契約アンペア数(アンペア制のエリア)も高くなります。2人以上世帯の平均アンペア数は30A~50Aです。
1.家族が集まって同じ空間で過ごすことは電気代の節約に効果的
契約アンペア数は高いほど基本料金は高く、消費電力量が多いほど電気代は高くなるなるので大家族程電気代は高くなるでしょう。ただし、例えば4人家族の家庭でそれぞれ入浴後のドライヤー使用が4回だとすると、1人暮らし家庭より1日のドライヤーの使用による電気代は単純に4倍となりますが、家族が集まって1つの部屋で過ごす時間が長い場合などを考えると1ヶ月の電気代が1人暮らしの人と比較して4倍になるといったような事は考えにくいです。家族が1つの部屋に集合して過ごす時間が長い家庭であれば、照明やエアコンなどの電気代も各部屋でそれぞれが過ごす時間が長い家庭より安く抑えられる可能性が高いです。家族が同じ部屋で過ごせば家族のコミュニケーション時間も増え絆も深まりそうです。
2.基本料金が無料の電力会社を検討する
家族が多い家庭ほど契約アンペア数が高くなるため電気の基本料金は高くなります。しかし、電力自由化によって基本料金が無料で電気を使った分だけ電力量料金の計算のみの請求となる電力会社も増えてきました。通常、3段階になっている電力量料金の設定が一律の電力会社もあります。基本料金が無料で電力料金単価が一律の電気プランはシンプルで電気の計算もしやすいです。家族が多く電気代が高い家庭は基本料金が無料の電力会社で電気代が安くなるかシミュレーションを行い確認してみるとよいでしょう。
3.住環境やライフスタイルに合った電気プランを探す
電気代の平均は住むエリアによっても異なります。どの電力会社も設定する電気料金単価はエリアによって異なります。雪の多く降る地域、沖縄のような温暖な気候のエリアでは、平均の電気使用量も異なります。また、育ち盛りの子供がいる家庭、高齢の両親と暮らす家庭でも電気の使い方は異なりそうです。室内でペットを飼育している家庭も電気代が高くなる傾向にあります。電力自由化以降に電力会社はさまざまな特徴のある電気プランを発表しています。自分の住む環境やライフスタイルに合わせて電気プランを変更することで電気の使い方や暮らし方を変えなくても電気代を安くできる可能性があります。自分に合ったプラン探しには、一括比較サイトなどを利用すると便利です。
エアコンは使い方の工夫で電気代を抑えることができる
電気代の推移を見てもわかる通り、エアコンを多く使う季節に電気代は高くなる傾向にあります。技術開発が進みエアコンも省エネエアコンなど昔に比べて消費電力の少ない最新型のエアコンが発売されています。それでも、エアコンは消費電力の高い電化製品です。エアコンを賢く使う事で電気代が高いシーズンに備える事が節約のコツにもなるでしょう。
1.シーズン前にエアコンをクリーニング!
エアコンは室内機と室外機と両方ありますが、どちらもシーズン前にクリーニングを行っておく事が電気代節約のポイントになります。室内機の清掃はカビの予防にも大切ですし、内部がスムーズに動き、風量のアップで余計な電気を消費することなく効率的に部屋を適温にすることができるでしょう。
室外機の清掃も大切です。室外機にごみやほこりが溜まってしまうと、熱を排出する効率が悪くなってしまいます。ゴミやホコリの除去、室外機周りの清掃を行っておきましょう。室外機の状態が改善し、熱交換の効率が良くなるとエアコンの使い方や機種にもよりますが、5~8%電気代の節約につながるとされています。大体、1時間当たり、1~2円ほどです。エアコンを常につけているような家庭では大きな差になってきます。
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2.エアコンの風量は自動運転にしよう
エアコンの節電対策では、設定温度になるまでは強風、それ以降は微風や弱風などへ自動で切り替えて運転する「自動運転」が節電・節約に効果的です。頻繁に設定温度を変更するとそのたびに設定温度に合わせようと電力を消費するため、弱風や強風の設定では、部屋が暖まるのが遅くなったりすぐに冷えたりして非効率になりがちです。
3.サーキュレーター(扇風機)を併用して使おう
エアコンの電気代節約には、サーキュレーターや扇風機などを併用するのが効果的です。サーキュレーターや扇風機は室内の空気を循環させてくれるのでエアコンを効率的に稼働させることができるためです。冷房の場合でも暖房の場合でも効果的です。サーキュレーター(扇風機)の電気代を気にするより併用した方が効果的なので同時使用を検討してみましょう。
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この記事のまとめ
各世帯別の平均電気代とあなたの家庭の電気代と比較し我が家の電気代が高いと心配になった人は、自分のライフスタイルと電気プランがあっているか確認をしてみましょう。
- 1人暮らしの人で平均より電気代が高い人は、契約アンペアを見直してみる
- カップルやファミリーで暮らす人で平均より電気代が高い人は、基本料金無料の電力会社を検討する
- どの世帯でも電気プランを見直すことが電気代節約の近道である
毎日の生活で節電の努力をするのはよいのですが、やり過ぎて無理をすれば続けていくことは難しいです。電気代節約のために暮らし方を変えてストレスになってしまっては意味がありません。今と変わらない電気の使い方で自分の住環境やライフスタイルに合った電力会社や電気プランが見つかれば電気代を大きく節約できる可能性があります。あたなの家庭でも電気代を安くできる可能性がありますので一括比較サイトなどを利用し確認してみましょう。