毎月の電気代が高いと感じていても、ケチケチした節約を面倒に感じる人も多いでしょう。一人暮らしの場合、もともとの電気使用量が少ないため、ケチケチとした節約では効果を実感しにくいといった面もあります。そこで、今回は一人暮らしでも簡単に実践できる電気代が安くなる方法を紹介します。
目次
一人暮らしの電気代はいくらが相場?
全国的な一人暮らしの電気代相場を見てみましょう。電気代は地域による差も大きくなっており、冬に暖房器具の使用が増える北海道・東北地方は全国平均よりも年間額が高めです。電気代は年齢、ライフスタイル、住んでいる地域、季節によって大きく変化します。また、同じ条件で生活していても電力会社との契約内容で電気料金が変わることがありますが、全年代の全国の平均では5000~6000円程度がひと月の電気代の目安といえるでしょう。
2020年度の一人暮らしの平均の電気代は、1ヶ月5,791円
総務省統計局の家計調査によると2020年の一人暮らしの人の1ヶ月の平均電気代は、5791円です。年間の電気代は、6万9498円です。年代別の1ヶ月の平均電気代をみてみると、男性よりも女性のほうが電気代は高い傾向のようです。
全体 | 34歳以下 | 35歳~59歳 | 60歳以上 | 65歳以上 | |
---|---|---|---|---|---|
平均 | 5,791 | 3,627 | 5,891 | 6,526 | 6,488 |
男性 | 5,466 | 3,603 | 5,757 | 6,337 | 6,304 |
女性 | 6,075 | 3,669 | 6,113 | 6,626 | 6,580 |
一人暮らしの電気代は、34歳以下の単身世帯で平均額が年間4万3531円です。これを12カ月で割ると、ひと月あたり約3627円となります。一方、35~59歳の単身世帯では電気代の平均額は年間7万0702円で、ひと月の平均は約5891円です。年齢によって大きな差があるのは、収入額の違いによるライフスタイルの変化にあると考えられます。
一人暮らしの電気代/月 の推移
下記は、単身世帯の10年間の平均電気代推移グラフです。電気代が値上がりとなる大きな理由の1つに原油価格及び連動するガスの高騰があります。2011年は東日本大震災があった年であり、東日本大震災をきっかけに原子力発電所が停止となってから石油火力やLNG火力の発電量が増加し、再生可能エネルギー発電促進賦課金も加わりました。そのような経緯から電気代は年々高くなっていることが分かります。
2016年は、電力小売全面自由化となった年であり、単身世帯を含めた一般家庭でも電力会社を自由に選べるようになった影響やシェールガスなどの影響で国際原油価格が低くなったというような要因もあって2012年から上がり続けていたの電気代平均額は前年に比べ5%下がっています。
2010 | 2011 | 2012 | 2013 | 2014 | 2015 | 2016 | 2017 | 2018 | 2019 | 2020 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
平均(円) | 5,016 | 4,801 | 5,141 | 5,482 | 5,565 | 5,599 | 5,320 | 5,392 | 5,852 | 5,700 | 5,791 |
勤労者世帯(円) | 3,974 | 3,927 | 4,027 | 4,346 | 4,388 | 4,302 | 4,148 | 4,219 | 4,859 | 4,739 | 5,055 |
非労者世帯(円) | 5,829 | 5,499 | 5,947 | 6,355 | 6,429 | 6,568 | 6,241 | 6,266 | 6,638 | 6,550 | 6,431 |
簡単にできる電気代節約術
電気代は高くなっていく傾向にあります。電気代の上昇はこれからも続くと思われます。
家計の固定費はできるだけ安く抑えたいものです。年々高くなりつつある電気代を安くするためには一人暮らしであっても節約を心掛けたり工夫することで電気代を安くすることは可能です。これより、一人暮らしでも簡単にできる節約方法をいくつか紹介します。
その1:エアコンの節電
まず、夏や冬に電気代を高くする要因となっているのがエアコンです。エアコンの電気代を節約するには電源をこまめに切らないようにしましょう。設定温度と室内の温度差が大きくなるほど電力を消費してしまうので、つけっぱなしにして一定の温度を保っているほうが節電になるのです。また、エアコンのフィルターが汚れていると温度調節がうまくできず、電気の消費量が増えてしまいます。エアコンのフィルターはこまめに掃除しましょう。
その2:キッチン家電の節電
キッチンで使用する家電にも電力の消費量が多いものがいくつかあります。炊飯器は長時間保温の機能を使っていると電力の消費が大きくなるので注意しましょう。ご飯をまとめて炊いたときには、保温するより冷凍して食べるときに電子レンジで温めたほうが電気代の節約にもなり、ご飯をおいしく保存できます。電気ポットも保温している時間が長くなると電気を多く消費してしまいますので、お湯は使用する際に必要な分だけ沸かしましょう。冷蔵庫は詰め込みすぎると冷気の巡りが悪くなって冷えにくくなり、電気の消費量が増えます。しかし、冷凍庫はたくさん詰まっているほうが電気代の節約になるので、すぐに使わないものはなるべく冷凍しておきましょう。
その3:待機電力の節電
テレビなどの家電はリモコンで電源を切っていても、「待機電力」といって電力を消費している状態が続きます。長時間使わない家電はコンセントを抜くことで待機電力を減らすことができるのです。思い切って省エネ家電に買い替えることも節電の効果が期待できます。家電はそう簡単に買い替えられるものではありませんが、買い替えのタイミングが来たときには検討してみましょう。
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電力会社との契約を見直そう
電気代を節約したいのなら、電気料金プランの契約内容について見直しましょう。まず、アンペア数の契約を見直すことで、電気代が安くなることがあります。大手の電力会社では、契約しているアンペア数によって毎月の基本料金が決められているのが一般的です。アンペア数を下げるほど基本料金も安くなるので、必要以上に大きなアンペア数で契約してしまっている場合には、契約内容を変更しましょう。
一人暮らしの場合、20アンペアや30アンペアで契約している人が多い傾向です。10アンペアや15アンペアも契約できますが、アンペア数を下げすぎると一度に使える電力量も下がってしまうので、複数の家電を同時に使えなくなります。
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ついでに電力会社も変えてみよう
料金プランだけではなく、電力会社そのものを見直すことで電気代が安くなる可能性があります。一般的に同じものを大量に買えば安くなるものが多いですが、電気はその反対で使用量が増えるほど電気代の単価が上がっていきます。これは電気料金が「3段階制」を採用しており、使用量に応じて段階的に料金が高くなる仕組みだからです。
電力自由化のスタートより規制料金ではなく、自由交渉に基づく料金設定のプランを選べるようになりました。大手の電力会社ではもともとの電気料金が高く設定されているので、電力会社の乗り換えによって電気代を安くするのは難しくありません。使用量に関係なく安くなるプランもありますが、使用量が少ないと反対に電気料金が高くなる場合もあるので、一人暮らしの場合には注意が必要です。
一括比較サイトを使おう
2016年の電力自由化によって、非常に多くの企業が新電力会社として参入してきています。それぞれが多様な料金プランを用意しているので、どれが自分に合っているのかひとつひとつ確認していくのは大変です。そこで、便利なのが一括比較サイトです。一人暮らしの人でも今の使い方で電力会社を変更するとどれだけ電気代を安くすることができるかという事をランキングで確認することができるので、電力会社を変更して電気代が高くなってしまうようなリスクも避けられます。一括比較サイトでは、一度にたくさんの電力会社の料金プランを比較できるので、便利です。まずは検討してみましょう。