東京エリアのみで販売されていたENESOでんきは、現在、沖縄エリアを除く全国で電気の販売を拡大しています。ENEOSそのものの知名度とテレビCMなどで有名ですが、ENEOSでんきに切り替えることでお得になるのでしょうか。ENEOSでんきの紹介とメリット・デメリットを紹介していきます。
ENEOSでんきの特徴
ENEOSでんきは以前から自由化が始まっていた高圧の分野で10年以上オフィスビルや学校などに電気を供給してきた実績があります。
そんなENEOSでんきの家庭向けのプランは、切り替えても損はすることがない料金設定となっています。他の新電力では電気使用量が少ないと電気代が逆に高くなってしまう場合があります。実は、ENEOSでんきも以前は使用量が少ない場合は電気代が高くなっていたのですが、2017年5月に新料金プランを発表し、電気使用量が少なくても電気代が高くならないようになりました。
東京エリア
アンペア数によって変わる基本料金は東京電力エナジーパートナーの従量電灯B(東電の標準的なプランで多くの方がこのプランを契約しています)と同額で、電気使用量に応じて料金がかかる従量料金は以下の表のようになっています(税込・消費税率10%)。
【東京エリアの場合】
・Vプラン(東京電力エナジーパートナー従量電灯B/C相当)
電気使用量 | 東電 従量電灯B | ENEOSでんき Vプラン |
---|---|---|
最初の120kWhまで | 19.88円/kWh | 19.88円/kWh |
120kWhをこえ300kWhまで | 26.48円/kWh | 24.54円/kWh |
300kWh超過分 | 30.57円/kWh | 26.22円/kWh |
また、ENEOSでんきということもあり、電気代の支払いにENEOSカードを使うと、カードによる通常のガソリン・灯油・軽油代の割引に加えて+1円/リットルの割引が付きます。車に乗らないからガソリンの割引はいらないという人や近くにENEOSのSSがないという人は、ANAカードやビューカードなどの特別提携カードのマイル・ポイントの優待やTポイントがたまるなど他の特典を選ぶことができます。ただし、ENEOSカード、特別提携カード、Tポイントのいずれか1つしか特典は選べないのでご注意してください。
さらに、「にねん とく2割」を申し込むと、2年契約となり、中途の解約に違約金がかかるようになりますが、1~2年目は1kWhあたり0.2円の割引、3年目以降は0.3円の割引が受けられます。解約金は1,100円なので、2年目までは解約時に累計で5,500kWh以上、3年目以降は更新からの累計で3,667kWh以上使用していないと「にねん とく2割」による節約額がなくなってしまいます。
その他のエリアの電気プラン
その他のアンペア制を採用しているエリアも同様に従量料金が大手電力会社の従量電灯Bプランより安く設定されています。関西エリアなどの最低料金制のエリアも同様に大手電力会社の従量電灯Aと比較し従量料金が安い設定の為、同じ電気の使い方をしたとするとENESOでんきの方が電気代は安くなります。
特典についても東京エリアと変わりません。ガソリンなどの割引特典や「にねん とく2割」などのサービスはどのエリアも同じように受けられます。
北海道エリア
ENEOSでんきの北海道B/Cプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。基本料金は北海道電力の従量電灯B/Cと同じ単価設定で、従量料金は1段階目から北海道電力の従量電灯B/Cより安く設定されています。
・北海道Bプラン(北海道電力従量電灯B相当)
・北海道Cプラン(北海道電力従量電灯C相当)
東北エリア
ENEOSでんきの東北B/Cプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。基本料金は東北電力の従量電灯B/Cと同じ単価設定で、従量料金は1段階目から東北電力の従量電灯B/Cより安く設定されています。
・東北Bプラン(東北電力従量電灯B相当)
・東北Cプラン(東北電力従量電灯C相当)
中部エリア
ENEOSでんきの中部B/Cプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。基本料金は中部電力ミライズの従量電灯B/Cと同じ単価設定で、従量料金は1段階目から中部電力ミライズの従量電灯B/Cより安く設定されています。
・中部Bプラン(中部電力ミライズ従量電灯B相当)
・中部Cプラン(中部電力ミライズ従量電灯C相当)
北陸エリア
ENEOSでんきの中部B/Cプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。基本料金は北陸電力の従量電灯B/Cと同じ単価設定で、従量料金は1段階目から北陸電力の従量電灯B/Cより安く設定されています。
・北陸Bプラン(北陸電力従量電灯B相当)
・北陸Cプラン(北陸電力従量電灯C相当)
関西エリア
ENEOSでんきの関西A/Bプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。関西Aプランの最低料金は関西電力より56.01円安く設定されており、従量料金は、2段階目、3段階目が関西電力の従量電灯Aより安く設定されているため、電力使用量の多い人は特にお得に利用できるでしょう。関西Bプランの基本料金は、関西電力の従量電灯Bより16円安く設定されており、従量料金は1段階目から関西電力より安いです。
・関西Aプラン(関西電力従量電灯A相当)
・関西Bプラン(関西電力従量電灯B相当)
中国エリア
ENEOSでんきの中国A/Bプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。中国Aプランの最低料金と中国Bプランの基本料金は中国電力の従量電灯A/Bと変わりません。従量料金は、中国A/Bプランどちらも中国電力の従量電灯A/Bより1段階目から安く設定されているのでお得に利用できるでしょう。
・中国Aプラン(中国電力従量電灯A相当)
・中国Bプラン(中国電力従量電灯B相当)
四国エリア
ENEOSでんきの四国A/Bプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。四国Aプランの最低料金と四国Bプランの基本料金は四国電力の従量電灯A/Bと変わりません。従量料金は、四国A/Bプランどちらも四国電力の従量電灯A/Bより1段階目から安く設定されているのでお得に利用できるでしょう。
・四国Aプラン(四国電力従量電灯A相当)
・四国Bプラン(四国電力従量電灯B相当)
九州エリア
ENEOSでんきの九州B/Cプランは、時間帯によって単価が変わらない標準的なプランです。基本料金は東北電力の従量電灯B/Cと同じ単価設定で、従量料金は1段階目から九州電力の従量電灯B/Cより安く設定されています。
・九州Bプラン(九州電力従量電灯B相当)
・九州Cプラン(九州電力受領電灯C相当)
ENEOSでんきのメリット
ENEOSでんきの最大のメリットはやはり電気料金です。上で紹介したとおり、電気使用量が少ない方が地域の電力会社の従量電灯A/Bから切り替えても、非常に損をしにくい料金体系になっています。損をする可能性があるのは、東電で口座振替割引(毎月55円割引)を受けていて、電気使用量が毎月120kWh以下など非常に少ない場合です。東京以外のエリアでは従量料金が1段階目から大手電力会社より安く設定されているところが多いのでENEOSでんきに変更することで電気代が安くなる可能性は高いでしょう。
電気代節約額の目安としては、東電で電気代が月5,000円くらいの方は年間で1,500円前後、月8,000円くらいの方は年間で4,500円前後、月1万円くらいの方で年間9,000円前後です。これにガソリンの割引やTポイントなどの特典がプラスされます。エリアによってどれくらいお得になるかは異なります。東京エリアも他のエリアも自分の家庭の電気の使い方でシミュレーション行い確認してみるとよいでしょう。
他のメリットとしては、特典でTポイントをためる場合は、200円につき1ポイントと端数が無駄になりにくいことです。東電にも従量電灯Bとほぼ電気料金が変わらず(若干安い)、ポイントが貯められ、貯めたポイントをTポイントなどのポイントと交換できる「スタンダードS」というプランがあるのですが、こちらは1,000円につき5ポイントです。1,000円でも1,999円でも同じ5ポイントとなってしまいます。
ENEOSでんきのデメリット
東電との比較では特にENEOSでんきのデメリットは見えてきませんが、他の電力会社と比べるとデメリットも出てきます。
ENEOSでんきのデメリットの一つに使用量が少ないとあまり安くならないことが挙げられます。120kWhまでは東電の従量電灯Bと同等の料金です。例えばHTBエナジーの場合、30A以上でないと契約できませんが、基本料金も従量料金も東電の従量電灯Bより5%割引の料金となっています。他にも、電気使用量が少なくてもお得になる電力会社はいくつかありますので、電気使用量が少ない場合は他の電力会社を検討したほうが良いでしょう。
東京エリア以外でも基本料金がゼロ円の電気プランやポイント付与や他サービスでの割引がない代わりに料金単価がより安い設定になっているプランなど、家計によってはENEOSでんきより魅力的な電力会社が見つかる可能性も大きいです。
電気使用量が多い場合でもTポイントは使わないからいらないなどの場合には、他に電気代が安い電力会社も探してみましょう。使用量が少なくても多くても、ENEOSでんきにすると決めつけるのではなく、一度他の電力会社も比較してみることをお勧めします。
また、「にねん とく2割」を申し込んでる場合は、供給エリア外に引っ越しするために解約する場合であっても、解約金が発生してしまいます。ただし、ENEOSでんきは、沖縄エリア以外で電気の供給を行っていますので、引っ越し先でもENEOSでんきを利用する場合は解約手数料は不要になります。
電力会社を比較してみよう
電気の比較インズウェブでは、1か月分の検針票から、乗り換えることで1年間の節約額が大きくなる電力会社を探すことができます。電力会社は他にもたくさんあります。ENEOSでんきに限らず、他の電力会社も検討してみましょう。
この記事のまとめ
沖縄電力エリアを除く全国で契約できるENEOSでんきのVプランは以下のようなメリットがあります。
- 地域の大手電力会社の従量電灯A/Bから切り替えても損をしない
- Tポイントをためる際に端数が無駄になりにくい
ただし、以下のようなデメリットには気を付ける必要があります。
- 使用量が少ない場合はあまり安くならない
- ENEOSカード、特別提携カード、Tポイントのいずれか1つしか特典は選べない
使用量が少ない場合や他にもっと安くなる電力会社を探したいという場合は、電力会社の比較サイトを利用して電気代が安くなる電力会社を探しましょう。当サイトでも電力会社の比較サービスを提供しているのでぜひご利用ください。