「J-POWER」は、電源開発株式会社という社名としても知られています。TV-CMなどで時折耳にすることもある社名なので名前は知っている人もいるのではないでしょうか。しかし、電力に関する会社であることは知っていても、そのほかの電力会社との違いがよくわからない人もいるでしょう。ここでは、J-POWERの歴史や事業内容について詳しく紹介します。
J-POWERの事業内容について知りたい!
J-POWERの歴史は古く、もともとは戦後の電力不足を解消するための復興事業の一環として設立された会社です。当時は、電力の需要が追い付かない状況を改善するために、発電所の新規建設を後押しする必要がありました。そこで、国が1952年に特殊法人として「電源開発株式会社」を設立した経緯があります。この「電源開発株式会社」がのちに電力の規制緩和の流れを受けJ-POWERとして2004年に民営化され、東証一部に上場する民間会社になりました。
J-POWERは、国内だけでなく海外でも電気を作ったり技術協力を行ったりと事業展開しています。発電事業も多岐にわたっており、水力や風力、地熱などの再生可能エネルギーを利用した発電事業や、バイオマス燃料の製造も行っています。また、石炭を利用した火力発電事業のリーディングカンパニーとしても知られており、効率よく火力発電所を運用し日々送電しています。さらに、発電事業に加えて送変電事業も展開していて全国各地に送変電設備を配置し、広範囲にわたる電力の運用に貢献していることも知っておきたいポイントです。
電力事業を総合的にサポートするJ-POWERには、さまざまなグループ会社があります。株式会社J-POWERハイテックは、水力発電や送変電選設備に関する設計やコンサルティング事業を行っています。たとえば、設備を設置するための対象用地を選定し測量をしたり、設備の設計から建設、施工監理を行ったりすることで発電設備の保守や建設に総合的に関わり安全性にも配慮しているのです。
J-POWERジェネレーションサービス株式会社は、火力や原子力発電設備に関する設計やコンサルティング事業を行っています。株式会社J-POWERハイテックと同様に火力や原子力発電所の設計や建設、保守に関する調査を行うとともに、環境保全にも配慮した計画を推進しています。さらに、発電に必要な燃料である石炭の海上輸送や、火力発電所に燃料を運搬するに至るまで、総合的に発電所の運用にも貢献している会社です。ジェイパワー・エンテック株式会社では、大気や水質汚染の物質を除去するための設備に関する事業を行っています。
このようにJ-POWERグループは、「エネルギーと環境の共生」を目指し、脱酸素社会の実現に向けて取り組んでいる企業です。日本や世界各地で電気を作り、持続可能な社会の発展に貢献しています。
J-POWERにはさまざまなタイプの発電所がある!
J-POWERの発電所は、全国に90カ所以上あります。発電所は、北海道から沖縄まで広範囲にわたっており、発電所の種類も水力や地熱、風力などの再生可能エネルギーを利用した発電所から、石炭による火力発電所までさまざまです。青森県では、原子力発電所の建設に取り組んでいます。これらの発電所から発電される電力供給量は、国内電力会社の規模のなかでは6番目の大きさであり、国内で日々消費される大規模な電力を支えている会社といえるでしょう。また、J-POWERの発電所でつくられた電気は、国内各地の電力会社や新電力会社などに卸売りしています。
J-POWERの企業内容や情報は、ホームページ上で広報ライブラリを確認することができます。会社案内のパンフレットのダウンロード、会社案内ビデオ、放送されているTV-CMを動画で確認することができます。さらに、企業の理念を広く知ってもらう方法の一つとして、石炭PRビデオの紹介や発電所のバーチャル探訪などの広報活動も行っており、積極的な情報開示を行っています。
発電事業だけではない!その他の事業にも注目!
J-POWERは、本州と北海道、本州と四国、本州と九州をそれぞれつなぐ連系設備を保有しているのも特徴のひとつです。東日本と西日本では、電力の周波数が異なりますが、周波数変換所で国内の電気を一つにつなぐことを日本で初めて可能にした実績もあります。それは重要な設備であり、国内の電力の広域的な利用と安定的な電力供給に貢献しています。さらに、電力設備の安定的な運用を目指すために、情報通信ネットワークの構築も行っていることも注目したいポイントといえるでしょう。さまざまな角度から、日々の電力を安全に安定して届ける役割を担っている会社です。
海外への積極的な技術協力では、半世紀以上前に海外コンサルティング事業を始めたのもJ-POWERです。海外展開においては、海外事業に歴史がある会社の一つといえるでしょう。1990年代後半には、それまでの経験を活かしてタイや中国、台湾、ベトナムを含むアジアや米国などで発電所の建設や運営をし、海外でも発電から販売まで幅広い事業を展開しています。
電気を毎日利用していても、実際に電気がどのようにつくられているのかわかる人はそれほど多くないでしょう。J-POWERでは、地域の人とのコミュニケーションを図ることを目的とした、さまざまなイベントを開催しています。たとえば、J-POWERの火力発電所の施設を見学できるイベントを開催したり、再生可能エネルギーの学習の一環としてブナ林や水力発電所で環境学習プログラムを実施したりしているのが特徴です。電気がどのようにつくられているのかを知ることができるので、より身近に感じられるかもしれません。
この記事のまとめ
J-POWERは、さまざまな資源を活用し日々の生活を支えています。よくCMで見かけるけれども、どのような企業なのかよくわからなかった人は日々私たちが使っている電気を支えてくれている企業の一つなのだという事が分かりましたね。
毎日、当たり前のように使っている電気ですが、スイッチを押すとなぜ明かりが点くのか考えてみるとたくさんの人が関わっているのだということが分かります。
- J-POWERグループは全国各所で発電所を保有し電気を作っています。
- 発電した電気は、国内各地の電力会社や新電力会社などに卸売りしています。
- J-POWERグループは送電線の設備も保有し安定的な電力供給に貢献しています。
J-POWERは、戦後の電力不足を解消するためにつくられた会社で長い歴史があります。民間会社になった現在にわたってさまざまな資源を活用し、安定した電力供給を行っているのが特徴です。
現在、私たちは、電力の自由化により、たくさんの電力会社の中から電気プランを選べるようになりました。電力会社の選択に迷った時は、電力会社の歴史や実績を参考にしてみてもよいでしょう。一括比較サイトなどを利用し電気代の比較を行った上で、電気代の安い電力会社の歴史やビジョンに共感出来たら電力会社の変更を検討してみましょう。