冷房代がかかる夏は電気代が高くなるイメージですが、実は夏よりも電気代がかかるのは冬です。日本の冬に暖房器具は欠かせませんが、いろいろある暖房器具の中で、どれが最も電気代が安いのか気になる人も多いでしょう。今回は、暖房器具の電気代について解説していきます。
暖房器具にかかる電気代を知ろう
それぞれの暖房器具にかかる1時間あたりの電気代を紹介していきます。メーカーや機種、使用する際の環境によって違いはありますが、一般的な暖房器具を家庭で使用した場合の電気代となります。
暖房器具の電気代と計算方法
電気代は、各家電の製品表示に消費電力の記載があるので計算してみましょう。
電気代の計算は、下記で求める事ができます。その際の1kWhあたりの電気代は、契約している電気プランによって違いますが、ここでは1kWhあたり27円として計算していきます。
消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×1kWhあたりの電気料金(円/kWh)=電気料金(円)
エアコン
部屋全体を温める事に適しているエアコンの電気代は、約2.8~53.5円です。
金額の幅が大きいですが、つけ始めなど室温と設定温度の差が大きいうちは電気代が多くかかり、差が縮まると電気代があまりかからなくなります。エアコンの上手な使い方に関しては次項で紹介します。
セラミックファンヒーター
エアコンと同じように空間全体を暖めるタイプの暖房器具であるセラミックファンヒーターの電気代は、約13.5~27円です。
電気カーペット(ホットカーペット)
部分的に暖めるタイプの暖房器具である電気カーペットの電気代は、約6.2~8.5円です。
電気カーペットは、すぐに暖まるという特徴があります。タイマーがついていない電気カーペットは特につけっぱなしにならないように気を付けましょう。
電気毛布
電気毛布の電気代は、約0.9~1.3円です。
電気毛布もすぐに暖まり、手足が寒いなどの身体の一部を重点的に暖める防寒に向いています。ただし、長時間使用していると低温やけどをしてしまう恐れがありますので、就寝時には電気毛布と身体の間に毛布を敷く、タイマーを併用するなど安全に気を付けましょう。
こたつ
こたつの電気代は、約2.2~4.6円です。
こたつは、毛布で覆われた狭い密閉空間を暖めるため、スイッチを入れてから暖めるまでのスピードが早いです。こたつも電気毛布同様に低温やけどに注意したい暖房器具です。こたつが心地よく入ったまま寝てしまった経験がある人もいると思いますが、低温やけどや脱水症状の可能性もあるので気をつけましょう。
電気ストーブ
電気ストーブの電気代は、約8.9~27円です。
電気ストーブにはハロゲンヒーターとカーボンヒーターの2種類あります。スイッチ一つで素早く熱を作り出し特定のスポットを暖める事ができます。暖房効果は、発熱体にハロゲン素材を使用しているハロゲンヒーターより、炭素繊維を発熱体に使用しているカーボンヒーターの方が高いです。
パネルヒーター
パネルヒーターの電気代は、約10.8~27円です。
電気の力を使ってヒーターを暖め、その輻射熱を利用して部屋を暖める暖房器具となり、遠赤外線効果で身体を芯から暖める事ができます。パネル型のため非常にコンパクトで軽量なことが特徴です。
電気代比較(まとめ)
暖房器具 | 電気代(1時間) |
---|---|
エアコン | 約2.8~53.5円 |
セラミックファンヒーター | 約13.5~27円 |
電気カーペット | 約6.2~8.5円 |
電気毛布 | 約0.9~1.3円 |
こたつ | 約2.2~4.6円 |
電気ストーブ | 約8.9~27円 |
パネルヒーター | 約10.8~27円 |
長い時間使用して部屋が暖まってくれば、エアコンの場合には徐々に電力の使用量が減ってきます。一方、電気ストーブなどは強弱の調整によって電力の消費は変えられるものの、同じ強さならば電気代はほぼ一定です。すぐに暖める目的には適していますが、長時間暖めるのであればエアコンなどを利用したほうが電気代を抑えることができます。
エアコンを上手に使おう
「エアコンは電気代が高い」というイメージを持っていた人も多いでしょう。しかし、こうしてそれぞれの暖房器具の電気代を比較してみると、エアコンの電気代は意外と安いことが分かります。エアコンの省エネ化はどんどん進んでいるので、最新の機種であればあるほど、もっと電気代が安くなる可能性があります
また、他の暖房器具と組み合わせることでエアコンを効果的に使うことができます。例えば、エアコンで部屋全体が暖まるまでの短期間だけ電気ストーブを補助として使う、エアコンとこたつを併用してエアコンの設定温度を少し下げるといった使い方であれば、快適さと電気代の安さを両立させることができます。エアコンが苦手でできるだけ使いたくないのであれば、エアコンで部屋を暖めた後、オイルヒーターの弱運転で暖かさを維持するといった方法で、早めに暖まりつつオイルヒーターのやさしい暖かさを享受することができます。オイルヒーターは強運転でつけていると電気代が多くかかるので、電気代を抑える意味でもおすすめです。
暖房器具は目的別に使おう
暖房器具は多くの種類がありますが、暖める場所別に大きく分けると「空間全体を暖めるもの」「部分的に暖めるもの」の2種類です。空間全体を暖めるには、エアコンやオイルヒーター・セラミックファンヒーターが向いています。足元だけ、布団の中だけなど暖めたい場所が決まっていて、部分的に暖房器具の使用をしたいのなら、電気カーペットや電気毛布、こたつがおすすめです。
また、場所に関係なくすぐに暖めることが目的の場合には、電気ストーブやパネルヒーターが適しているでしょう。電気代を節約するには、暖房器具ごとの電気代だけに注目するのではなく、それぞれの特徴や効果的な使い方を知ることが大切です。目的に合った暖房器具を選び、上手に併用することで、効率的に部屋を暖められるだけでなく、電気代の節約にもつながります。
電気料金を見直そう
快適に冬を過ごすためには、暖房器具を使わないといった無理な節約は良くありません。生活スタイルを変えずに、もっと電気代を安くしたいなら電力会社を変えたほうが早いです。2016年の電力自由化以降、さまざまな企業から多様な料金プランが出ています。自分の家庭にあった電力会社と料金プランに変更することで、電気代の根本的な節約になります。電力会社はネットで手続きするだけで変えることができるため、忙しい人でも電力会社の変更をすることは難しくありません。また、電力会社の料金プランを1社ずつ調べて比較・検討していくのは大変なので、一括比較サイトを使うととても便利です。
この記事のまとめ
一般的に冬は夏よりもエアコンの電気代が高くなります。冬の電気代を抑えるためにも防寒対策をしっかり行って対策しましょう。
- 窓に断熱シートなどを貼り、部屋の暖かさを外に逃がさないようにする
- カーペットやラグマットなどを敷き、床から上がってくる冷気を防止する
- 着る毛布やボア素材の製品を利用し自分の体温を逃がさないようにする
節約を意識しすぎて寒い時期に電化製品を制限してしまうとストレスになってしまいます。節約は大切ですが、今と変わらぬ 電気の使い方で電気代を安く抑える方法に電力会社や電気プランを変更するという方法があります。電気プランを見直すことで電気代が安くなる可能性があります。一度、今契約している電気プランを一括比較サイトなどを利用し電気代がどれだけ安くなるか確認してみましょう。