電気料金を少しでも安くしたいのは、誰でも同じです。電力会社を変えると電気料金が安くなることがあると知ってはいるものの、「うちは賃貸だから」と諦めていないでしょうか。周りの家庭はどれくらい電気代を支払っているのか自分の家と比較してみましょう。そしてこの記事では、アパートや賃貸マンションでも電力会社の変更はできるのか、初歩的な疑問について解説します。
電気代の平均はいくら?
アパートなどの賃貸物件に限った電気代の平均額ではありませんが、電気代の平均額は総務省統計局家計調査より発表されています。大学への進学をきっかけに賃貸アパートで独り暮らしを始める人など一人暮らしの人で賃貸物件に住む人は多いでしょう。また、日本人の持家比率も下がってきているという状況もあり、家族で賃貸物件に住んでいるという人も多くいます。どちらにしても電気代は家計にとっての固定費です。固定費はできるだけ節約できたらいいですよね。賃貸に住む人もそうでない人も自分の家の電気代が平均より高いか安いか確認してみましょう。
【1ヶ月の平均電気代】
1人暮らし | 2~3人暮らし | |
---|---|---|
北海道エリア | 6,463円 | 12,241円 |
東北エリア | 12,120円 | |
関東エリア | 5,594円 | 10,162円 |
中部エリア | 5,956円 | 10,463円 |
北陸エリア | 13,518円 | |
関西エリア | 5,641円 | 10,166円 |
中国エリア | 6,186円 | 11,597円 |
四国エリア | 11,750円 | |
九州エリア | 5,554円 | 10,077円 |
沖縄エリア | 9,976円 | |
全国 | 5,791円 | 10,671円 |
賃貸物件でも電力会社は選べる?
自分の家の電気代が平均より高く節約を考えるのであれば、毎日の電気の使い方に無駄がないか、消費電力の高い電化製品の使い方を見直すなど電気代の節約について考える人も多いと思います。電気の使い方の見直しや節電は大切なことですが、電気代は電力会社を変更して節約できたという人が多くいます。アパートや賃貸マンションに住んでいる人でも、電力会社は自由に選ぶことが可能なので電力会社や電気プランを変更することを検討してみましょう。
電力自由化に伴い、お得な電気料金のメリットを受けている人が増えてきました。新電力会社はさまざまなプランを提供しています。電力会社を切り替えることで、電気料金が安くなったり、電気とガスのセットプランで固定費の管理が楽になったり、インターネットがお得に使えたりするなど、いろいろなサービスを受けられる可能性があります。アパートや賃貸マンションに住んでいる人もたくさんある電気プランの中から自分の家計に合った電力会社やプランを探してみましょう。
ただし、物件がどんな契約になっているかで少し事情が変わってきますので注意が必要です。アパートや賃貸マンションが高圧一括受電契約をしている場合、個人が勝手に電力会社を変えることはできません。高圧一括受電契約は、物件全体で料金の安い高圧の電気を購入し、物件内の設備で低圧電力に変換してから個別の家庭に電気を供給する仕組みです。かつては、高圧一括受電契約によって安くなった電気料金は、共用部分の照明などの電気代に充てられることが一般的でした。しかし、新規物件と中古物件では契約が異なっている場合もあります。共用部分ではなく個別の専有部分の電気料金が安くなる契約が、新規物件には増えています。管理会社や大家さんに一度確認してみるとよいでしょう。
ポイント
●賃貸物件でも電力会社を変更することは可能!
※ただし、高圧一括受電契約になっている場合は、個人で電力会社を自由に選択することができない
高圧一括受電契約とは一体何?
マンションなどの集合住宅の場合、電気の契約には低圧契約と高圧一括受電契約の2種類があります。一般的なのは、低圧契約です。住んでいる物件が低圧契約をしている場合、基本的には自由に電力会社を選ぶことができます。一方、高圧一括受電契約の場合は、マンション単位で契約をしているため個別で契約をすることができません。タワーマンションなど世帯数が多い物件では、高圧一括受電契約の可能性が高いと考えてよいでしょう。
高圧の電気は、低圧よりも料金が安いのが特徴です。マンションなどの物件単位で電力会社と契約を結び、料金の安い高圧の電気を購入しているのです。しかし、高圧のままでは家庭内で使用することはできません。そこで、マンション内に変圧器などの設備を設置し、低圧に変換してから各家庭に供給しています。このような仕組みのため、世帯数の少ないマンションの場合は、高圧一括受電契約の可能性は低いですが、確認は必要です。
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電力会社を変更する場合の注意点
賃貸物件で電力会社を変更したいと思ったら、電気の契約がどうなっているかを確認する必要があります。高圧一括受電契約になっている場合は、個人が勝手に電力会社を変更することはできません。ただし、高圧一括受電契約は、低圧よりも料金が安いのが普通です。住んでいる物件が一括受電なら、すでに電力自由化の恩恵を受けていると考えてよいでしょう。安くなった分は、管理費などに反映されているはずです。また、新しい物件の場合は、各家庭で使用する電気料金が安く設定されている可能性もあります。
管理会社が大口顧客契約など独自の契約をしている場合も、居住者が個別に電力会社を変更することはできません。また、マンション単位ですでに電力会社を変更している場合も、勝手に変更はできませんので注意が必要です。電力自由化に伴って、物件単位で低圧契約より価格の安い契約へ変更するケースが増えています。入居している物件が電気事業者とどのような契約をしているのか知りたい場合は、管理会社や大家さんに確認すれば教えてもらえるでしょう。
これから物件を選ぶ際のポイント
これからアパートやマンションなどの賃貸物件を選ぶ際のポイントについて説明します。賃貸物件でも、基本的に電力会社の変更は自由にできます。自分に合った電力会社を見つけて、光熱費を抑えることが可能なのです。ただし、その物件がどういう電気の契約をしているかによって事情が異なります。契約次第で個別に電力会社を変更できないこともありますので注意しましょう。
賃貸物件を探すときは、家賃や間取り、立地などは誰もが気にするでしょう。しかし、少しでも光熱費を抑えたいなら、それだけでは足りません。これからは、電気の契約がどうなっているかも確認しましょう。高圧一括受電契約なら個別に契約を変更することはできませんが、低圧契約なら自由に電力会社を変えることができます。「低圧なら変えられる」と覚えたうえで物件を探すとよいでしょう。
この記事のまとめ
電力自由化によって、マンションやアパートなどの集合住宅でも契約内容によっては電力会社を変更できる事を覚えておきましょう。しかし、集合住宅の場合は、低圧契約になっているか高圧一括受電契約になっているかによって個人で電力会社を変更できない場合がありますので、管理会社や大家さんに確認してみましょう。
- マンションやアパートなどの集合住宅でも電力会社は変えられる
- 低圧契約であれば自由に電力会社を選択できる
- 集合住宅で電力会社を変更する時は、電気の契約を確認しよう
アパートやマンションに住んでいるからといって、「電力自由化は関係がない」と諦める必要はありません。賃貸物件に住んでいようと、持ち家の戸建てに住んでいようと、基本的には誰でも自由に電力会社を変更できます。ただし、電力会社との契約によっては個別に変更することはできません。自分の住む物件がどのような契約になっているのか確認する必要があります。また、これから賃貸物件を借りる場合も、電気の契約がどうなっているのか確認することをおすすめします。電力会社を変更すると料金が安くなるだけでなく、さまざまな割引サービスを受けられる場合もあります。これからの物件探しは、電気の契約内容を忘れずにチェックしましょう。