梅雨の時期など雨が降り続いているときや花粉や黄砂、PM2.5が気になるときなど洗濯物を外に干せない時に活躍する洗濯乾燥機と浴室乾燥機ですが、電気代がいくらかかっているのかは気になるところです。
洗濯のみにかかる電気代は実は1回あたり1~2円程度なのですが、乾燥はより多くの金額が必要になります。
洗濯乾燥機と浴室乾燥機について、それぞれ電気代をみていきましょう。また、電気代を抑える工夫も紹介していきます。
目次
洗濯乾燥機は2種類ある
「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」
洗濯乾燥機の乾燥方式は「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」があります。
ヒーター式
ヒーター式は、ヒーターで温めた約100度の熱風で洗濯物を乾かします。ドライヤーを洗濯物に当て続けるイメージです。ヒーター式は乾燥時に出た水蒸気の処理方法でさらに2タイプに分けられます。乾燥時に出た水蒸気を冷水で除湿するタイプを「冷却・除湿タイプ」といい、乾燥時に出た水蒸気をそのまま機外へ排出するタイプを「排気タイプ」といいます。
ヒートポンプ式
ヒートポンプ式は空気中から熱を集め、大きな熱エネルギーとして利用します。ヒートポンプ式の洗濯乾燥機では、洗い終わった洗濯物に低温の風を吹き付けることで、洗濯物の水分を奪います。湿った風はヒートポンプユニットに運ばれます。ヒートポンプユニットには冷たいパイプと暖かいパイプが入っていて、湿って風が冷たいパイプを通るときに、水分が結露して除湿されます。乾いた風は、暖かいパイプで温められて、再び洗濯物に吹き付けられます。これの繰り返しで、洗濯物を乾燥させます。
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タテ型の洗濯機の乾燥機能
乾燥機付の洗濯機はドラム式の印象がある人が多いと思います。しかし、タテ型の洗濯機にも乾燥機付のものが増えています。ただし、タテ型の洗濯乾燥機は、ヒーター式しかないため消費電力量はドラム式に比べて高い傾向にあります。乾燥の仕上がりもドラム式に劣ると感じる人が多いようです。
電気代の違い
Panasonicの洗濯機・衣類乾燥機で電気代の比較を行ってみます。2021年夏のカタログから大体同じ容量の洗濯機での比較になります。電気代は1kWhあたり27円として計算します。
乾燥時の消費電力量と電気代は洗濯から乾燥まで行った場合です。また、消費電力は、洗濯機は、温水などの水温、水道水圧、設置環境や排水条件、衣類の量や種類、衣類の片寄りなどにより軽減するためおおよその値になります。
型番 | 乾燥の種類 | 洗濯・脱水容量 / 乾燥容量 | 消費電力量 定格洗濯時 / 定格標準乾燥時(標準) |
電気代 洗濯時 / 乾燥時 |
|
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ドラム式 | NA-VX900BL | ヒートポンプ乾燥 | 11kg / 6kg | 68Wh / 890Wh | 約1.83円 / 約24.03円 |
NA-VG2500L | ヒーター乾燥(排気タイプ) | 10kg / 5kg | 70Wh / 1,980Wh | 約1.89円 / 約53.46円 | |
タテ型 | NA-FW120V5 | ヒーター乾燥(水冷保湿タイプ) | 12kg / 6kg | 98Wh / 2,550Wh | 約2.64円 / 約68.85円 |
ドラム式の洗濯機でヒートポンプ乾燥とヒーター乾燥(排気タイプ)の消費電力量を比較すると、ヒートポンプ式は890Whほどなのに対し、ヒーター式は1,980Whです。電気代もヒートポンプ乾燥は、24.03円/1hなのに対し、ヒーター式は53.46円/1hです。容量の違いがあってもヒーター式の方が電気代は倍以上高くなっています。
タテ型の洗濯乾燥機では、消費電力量も2,550Whもあります。洗濯から乾燥まで行った時の電気代は69.85円/1hです。乾燥機能を多く使う場合は、タテ型よりもドラム式の洗濯乾燥機で、さらにヒートポンプ式のものが良いでしょう。熱による洗濯物の傷みも少なくなります。
浴室乾燥機の電気代
浴室乾燥機の消費電力は1250Wくらいで、乾燥させるのに2~3時間かかります。1kWhあたりの電気代を27円とすると、1時間当たりの電気代は33.75円です。2時間で乾いたとしても67.5円、3時間かかった場合は101.25円です。
浴室乾燥機の種類には「電気式」と「ガス温水式」があります。浴室乾燥機を後から設置する場合は、取付工事が必要になります。既に自宅の浴室に乾燥機が設置されているという人は参考にしてみましょう。また、今後、取付を検討しているという人はどの種類を選択するかの参考にしてみましょう。浴室乾燥機は100Vタイプと200Vタイプがあります。電気代も浴室乾燥機のタイプや選択する電圧によって変わってきます。
電気式
電気式には、「ヒーター式」と「ヒートポンプ式」があります。違いは洗濯乾燥機で説明した仕組みと同じです。ヒーター式はヒートポンプ式やガス温水式に比べ初期費用を安く設置することが可能ですが、パワーが弱くヒートポンプ式やガス温水式より乾燥に時間がかかってしまうという特徴があります。
ヒートポンプ式は乾燥・暖房能力が高いです。省エネ効果もあり、電気代はヒーター式より安くなるでしょう。
ガス温水式
ガス温水式は、外部に熱源機を設置し沸かしたお湯を循環させて温風を出す仕組みです。外部に熱源機を設置するため本体価格と熱電気が必要となり、設置費用も高くなります。パワーがありますが、電気代の他にガス代も必要になります。
浴室乾燥機の電気代節約ポイント
1.電気代が安い時間帯に利用する
オール電化向けプランや夜間の電気料金単価が安い電気プランなど時間帯によって電気料金単価が変わる料金プランを利用している場合は、なるべく料金単価が安い時間帯に利用しましょう。
2.気温が高い時間帯を利用する
時間帯によって料金単価が変化しない場合は気温が高い時間帯に利用しましょう。 浴室内の温度が低いとまず浴室内の温度を高くするためのパワーが必要になります。そうすると電気代も高くなってしまいますので、気温が高い日中に浴室乾燥機を使った方が、効率よく早く乾燥できます。使用時間が短くなれば電気代も安くなります。
3.浴室の壁などの水分を拭き取る
浴室に水分が残っていると、乾燥の際にその水分が蒸発し、空気中の水蒸気量が増えるために洗濯物本体の乾燥により時間がかかってしまいます。また、同様の理由で湯船に水がたまっている場合は、しっかりとふたを閉めましょう。
4.洗濯物同士の隙間を開ける
洗濯物の間を空気が抜けやすくするために、洗濯物同士の隙間を開けるようにしてください。洗濯物の乾きが早くなります。
5.サーキュレーターや扇風機を使用する
浴室乾燥機を使用する時は、浴室内の空気を均一にするためにサーキュレーターや扇風機などを併用して利用する方法もおすすめです。空気が循環し効率よく乾かすことができます。
6.フィルターの掃除をする
フィルターが目詰まりすると乾燥効率が落ちてしまいます。数カ月に1度はフィルターの掃除をするようにしてください。
7.電力会社を切り替える
浴室乾燥機に限らない方法ですが、電力会社を切り替えることで現在より電気代が安くなる可能性があります。特に、今まで料金プランを変えたことがなく従量電灯のプラン(従量電灯AまたはBまたはC)を契約している人は安くなる可能性が高いです。電気ご使用量のお知らせ(検針票)をお手元に、電気料金比較サービスで最適なプランを見つけてみてください。
洗濯乾燥機・浴室乾燥機を多く使う家庭は電気代の見直しを!
梅雨の時期など雨が降り続いているときや花粉や黄砂、PM2.5が気になるときなど洗濯物を室内で乾かすという人も多いと思います。そんな時には洗濯乾燥機や浴室乾燥機を利用するという人もいるでしょう。また、高層マンションなどでは、外に洗濯物を干せないような住居もあり、浴室乾燥機が標準装備となっており毎日利用するという家庭も増えているかもしれません。
各メーカーによる商品開発の努力で省エネタイプの製品も多く販売されていますが、他の家電と比較すると乾燥機は消費電力が高く電気代が高いです。洗濯乾燥機や浴室乾燥機などをよく使うという人は電気プランの見直しを行ってみましょう。電力自由化後に登場した新電力会社ではさまざまな電気プランが登場しています。洗濯物は乾燥機で乾かすという事が習慣になっている人は契約する電気プランの見直しを行ってみることをおすすめします。
洗濯物を減らすことや住環境を変える事などはなかなか難しいです。電気代が高くて節約を考えているという人は、今よりも電気代が安くなる電気プランがないか探してみましょう。電力自由化によって電力会社はユーザー獲得のためによりお得になるプランを発表し競争しています。今の電気の使い方やライフスタイルを変えずに電気代を節約するには、今よりも電気代が安くなる電力会社を探すことが電気代節約の近道です。電力会社はたくさんある中からシミュレーションと比較を行い電気代がどれだけ安くなるのか確認することが大切です。それには、一括比較サイトなどを利用すると便利ですので利用してみましょう。
この記事のまとめ
洗濯乾燥機にはヒーター式とヒートポンプ式の2種類あります。それぞれ乾燥方法に特徴がありますが、電気代で比較するとヒートポンプ式の方が電気代は安く済みます。浴室乾燥機の電気代は、洗濯乾燥機よりも高いです。洗濯物は浴室乾燥機を利用して乾かすという人は、効率よく乾かすために電気代節約のポイントを抑えておきましょう。
- 洗濯乾燥機で洗濯から乾燥まで行う場合、ドラム式のヒートポンプ式の電気代が一番安い
- 浴室乾燥機の電気代は高い傾向にあるためポイントを抑えて効率的に乾燥させることで節約が可能
- 洗濯乾燥機や浴室乾燥機は電気代が高いため料金単価の安い電気プランへの変更が電気代節約に効果的
洗濯物を室内で乾かす時には乾燥機が便利ですが、電気代が気になります。電気代の節約のため、消費電力が高い電化製品を使わないようにしていても天候や住環境によっては乾燥機を使わざるを得ない場合もあります。そのような場合は、電力会社や電気プランの変更を検討してみましょう。今よりも安い電力会社探しには一括比較サイトを利用すると便利です。たくさんの電力会社をランキングで確認することができるので試してみましょう。