日頃から節電を心がけているはずなのに、なかなか毎月の電気料金が減らないと悩む人は少なくありません。電気料金をかしこく節約するには、契約アンペア数を見直すのも良い方法です。ここでは、アンペアとはどのようなものか、また契約アンペア数を見直す節電方法について紹介します。
目次
電気料金におけるアンペアってどんなもの?
アンペアという単語を耳にしたことはあっても、何の単位なのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか。アンペアとは、簡単にまとめると「電気の単位」で電流の流れる量を表しています。電力会社とのあいだで結ばれた電力需要契約に基づき、各家庭にあるアンペアブレーカーには、契約アンペア数が記載されています。そして、その契約したアンペア数により、基本料金が変わるという仕組みになっているのです。契約したアンペアの値が大きいほど、一度に流すことができる電流の値も比例して大きくなります。
毎月の電気代の計算方法を紹介
契約アンペア数によって基本料金が設定されているので、契約アンペア数は電気代に大きく影響します。
基本料金+電力料金単価×使用量+燃料費調整単価×使用量+再エネ賦課金単価×使用量=電気料金
燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金は、ほとんどの電力会社で電気を利用する人に請求されています。
現在のアンペア数の確認方法
自分の家が何アンペアで契約しているのか分からない、という人も多いかと思います。そもそも今まで気にしたことがなかった、という人が大半ではないでしょうか。自宅が何アンペアで契約しているかは、電力会社から発行されている検針票または、Webページで電力使用量を確認している人はWebページの契約内容に記載がないか確認してみましょう。
自宅ですぐに確認できる方法としては、自宅に設置されている分電盤で確認することができます。分電盤とは、漏電ブレーカーや安全ブレーカーをひとつにまとめた箱です。分電盤に取り付けられているアンペアブレーカーの数字を確認すれば現在契約しているアンペア数が分かります。
各電力会社のアンペアブレーカーの色
アンペアブレーカーは設置されているアンペア(A)によって色分けされています。アンペアブレーカーの色を確認することでも自分が何アンペアで契約しているのか確認することができます。
※その他電力会社はブレーカーの色分けなしです。
アンペア数別の基本料金
各電力会社は、契約しているアンペア(A)数によっての基本料金を設定しています。
各電力会社アンペア別の基本料金
契約するアンペア数によってどれくらい基本料金が変わるのか確認してみましょう。(※従量電灯Bの場合)
10A | 15A | 20A | 30A | 40A | 50A | 60A | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
北海道電力 | 341.00円 | 511.50円 | 682.00円 | 1,023.00円 | 1,364.00円 | 1,705.00円 | 2,046.00円 |
東北電力 | 330.00円 | 495.00円 | 660.00円 | 990.00円 | 1,320.00円 | 1,650.00円 | 1,980.00円 |
東京電力 | 286.00円 | 429.00円 | 572.00円 | 858.00円 | 1,144.00円 | 1,430.00円 | 1,716.00円 |
中部電力 | 286.00円 | 429.00円 | 572.00円 | 858.00円 | 1,144.00円 | 1,430.00円 | 1,716.00円 |
北陸電力 | 242.00円 | 363.00円 | 484.00円 | 726.00円 | 968.00円 | 1,210.00円 | 1,452.00円 |
九州電力 | 297.00円 | 445.50円 | 594.00円 | 891.00円 | 1,188.00円 | 1,485.00円 | 1,782.00円 |
アンペア数は小さい方が基本料金は安くなりますが、アンペア数によって時に使用できる電化製品が制限されるため自分の家庭の電気の使い方に適したものを選ばなければ生活が不便になってしまいます。契約するアンペアは自分に適しているアンペア数にすることが重要です。
アンペアを選ばない大手電力会社の「最低料金」とは?
アンペア制を採用していない電力会社もあります。大手電力会社で、「アンペア制」ではなく「最低料金制」を採用している電力会社に関西電力、中国電力、四国電力、沖縄電力があります。このエリアに住む人は一定の電気使用量(kWh)までは最低料金が設定されており、契約するアンペアで基本料金が変わるといったことはありません。最低料金制の場合の電気代の計算は、基本料金の部分が最低料金になります。
アンペア制 | 最低料金制 |
---|---|
北海道電力 | 関西電力 |
東北電力 | 中国電力 |
東京電力エナジーパートナー | 四国電力 |
中部電力ミライズ | 沖縄電力 |
北陸電力 | |
九州電力 |
2016年の電力自由化以降に多くの新電力会社が参入しました。新電力会社の中には、基本料金や最低料金が0円で使った分だけ電気料金を支払うというプランを出しているところも増えてきています。基本料金が0円の電力会社はアンペア数によって基本料金が変わるという事がありません。しかし、自宅には決められたアンペアブレーカーが設置されています。そのため、設置されているアンペアの変更を行う場合は電力会社への連絡が必要です。
アンペア数はどれくらい必要?
アンペア数はどれくらい必要なのでしょうか?自分が使用する家電の消費電力からアンペア数を計算してみましょう。アンペア数は、消費電力(W)÷電圧(V)で求める事ができます。
例えば、日本の電圧は100Vのため、1500Wの電子レンジを使用した場合は15Aになります。また、1200Wのドライヤーと800Wの掃除機を同時に使う場合は12Aと8Aの合計で20Aが必要となります。このように一度に使う電化製品がたくさんあるようであれば合計のアンペア(A)数が必要になりますので、現在どのような電気の使い方をしてるかで割り出してみましょう。もし、契約アンペア数があっておらず契約アンペアに余裕がある場合や、既にブレーカーがよく落ちるような事が起こっているという人は、アンペア数の変更を検討するとよいでしょう。
ブレーカーを落とさずに家電を使うコツ
契約アンペアの変更を検討する際に、注意したいのが「消費するアンペア数が高い家電」です。家電の種類によって、使用時に消費するアンペア数は大きく異なります。たとえば、電子レンジなら15A、ドライヤーなら12Aというように、熱を発生させる家電は消費するアンペア数が高い傾向にあります。さらに、エアコンの場合は通常5.9Aほどですが、立ち上がり時には20Aほど消費するといわれているため、注意が必要です。契約しているアンペア数によっては、これらの家電を同時に使用すると、ブレーカーが落ちてしまうおそれがあります。「またブレーカーが落ちてしまった」という事態を招かないためにも、消費するアンペア数が高い家電は、できる限り同時使用を避けるのが大切です。
ブレーカーを落とさないコツとしては、以下の3つが挙げられます。1つ目は「炊飯タイマーを活用する」という方法です。調理と炊飯を同時に行うと、使用する電力量が大きくなります。炊飯器のタイマー機能を活用して調理と炊飯の時間をずらすと、一度に使用する電力量を抑えられるのです。2つ目は「ドライヤーの使用時間を考慮する」ことが挙げられます。ドライヤーは大きな電力を使うため、ほかの家電と使用時間がかぶらないように工夫すると良いでしょう。また、ドライヤーを使うときはアイロンを同時に使わないように、家族で声をかけあうのも良い方法です。
3つ目は「家事をする時間帯を分散させる」ことです。洗濯や掃除などの家事を同じ時間帯に行うと、使う家電の数によっては大きな電力を消費する原因につながります。そのため、掃除機と洗濯機の使用時間が被らないようにするなどの工夫をすると良いでしょう。電気料金を節約しようとして安易に契約アンペア数を下げると、家電を同時使用するときに、ブレーカーが落ちてしまうリスクが高まります。消費電力の高い複数の家電を同時使用することが多い家庭かどうかも考慮したうえで、契約アンペア数を見直すのが重要です。
ブレーカーを落とさないコツ(まとめ)
- 炊飯器はタイマーを活用し調理と炊飯を分散する
- 他の家電と使用が被らないようにドライヤーの使用時間を考慮する
- 家事をする時間帯を分散する
注意ポイント
電気料金を節約しようとして安易に契約アンペア数を下げると、家電を同時使用するときに、ブレーカーが落ちてしまうリスクが高くなるため、自宅の電気の使い方を考慮し契約アンペアを見直すことが重要
契約アンペア数を見直してかしこく電気料金を節約しよう!
契約アンペア数により電気料金は異なります。電気料金を節約するには、日頃から心がけている節電に加えて、契約アンペア数の見直しをしてみるのも一案です。ただし、関西電力・中国電力、さらに四国電力・沖縄電力はアンペアごとの基本料金設定ではなく、最低料金制でアンペアの見直しはできない場合があります。最低料金制の電力会社では最低料金や1kWhの電気料金(電力量料金)の安い電気料金プランに切り替えることが電気代を安く抑えるコツとなります。
アンペア数によって一度に使用できる電力量が変わってくるため、節約のためにアンペア数を減らした事によってたびたびブレーカーが落ちてしまうような状況になってしまうと不便です。また、ブレーカーが落ちたタイミングで「家中の電気が落ちてしまう」といった事を繰り返していると家電の故障の原因にもつながりかねません。ライフスタイルに合ったアンペア数に変更を検討したり、一度、一括比較サイトなどで電気代の比較を行ってみるのもいいでしょう。
この記事のまとめ
一般的に冬は夏よりもエアコンの電気代が高くなります。冬の電気代を抑えるためにも防寒対策をしっかり行って対策しましょう。
- 窓に断熱シートなどを貼り、部屋の暖かさを外に逃がさないようにする
- カーペットやラグマットなどを敷き、床から上がってくる冷気を防止する
- 着る毛布やボア素材の製品を利用し自分の体温を逃がさないようにする
節約を意識しすぎて寒い時期に電化製品を制限してしまうとストレスになってしまいます。節約は大切ですが、今と変わらぬ 電気の使い方で電気代を安く抑える方法に電力会社や電気プランを変更するという方法があります。電気プランを見直すことで電気代が安くなる可能性があります。一度、今契約している電気プランを一括比較サイトなどを利用し電気代がどれだけ安くなるか確認してみましょう。