引っ越しをするときは、住居の大きさやタイプが変わることも少なくありません。それにともない、電気代などが高くなる可能性も出てきます。実際、マンションから戸建てに引っ越しをした人からは、以前よりも電気代が高くなったとの話を聞くことがあります。
実際のところはどうなのか気になるところでしょう。ここでは、戸建てへの引っ越しによって電気代が高くなる要因や、電気代の節約方法について解説していきます。
目次
やはり戸建てに暮らすと電気代は高くなりがち
マンションから戸建てに引っ越しをする場合、以前よりも居住空間が広くなることが少なくありません。部屋の数が増えることや、一部屋あたりの面積が増えることもあるでしょう。また、より広い空間を求めて引っ越しをするケースもあります。その結果、電気代が高くなるという、思わぬ弊害に頭を悩ませるかもしれません。
例えば、日本生活協同組合連合会が2017年9月に実施した調査「わが家の電気・ガス料金しらべ」の報告書では、戸建ての電気料金の平均は10,223円(平均使用量404.6kWh)、集合住宅(分譲)の電気料金の平均は9,010円(平均使用量350.8kWh)、集合住宅(賃貸)の電気料金の平均は7,289円(平均使用量289.4kWh)と戸建ての電気料金の平均が集合住宅の電気料金の平均よりも高くなっています。
電気代の構成要素について理解しよう
「戸建ての電気代がなぜ高くなるのか」は、電気代が何によって決まっているのかがわかると理解しやすくなります。まずは電気代の構成要素について理解しましょう。
電気代の構成要素について、かなり大雑把に分けると
「基本料金+従量料金の料金単価×電気使用量」
となります。
基本料金がない電力会社やアンペア数とは関係なく一律の電力会社もありますが、「自宅の契約アンペア数」「料金単価」「電気使用量」の3点を意識することで、より具体的にイメージしやすくなるでしょう。
マンションよりも戸建ての電気代が高くなりがちな理由とは
電気代の構成要素には「契約アンペア数」「料金単価」「電気使用量」の3つがあることがわかりました。それでは、なぜマンションよりも戸建ての方が電気代が高くなりがちなのでしょうか。
1.契約アンペア数が上がったから
もし、同時に使う家電数が増えたり、よりパワフルな家電を使うようになったりした場合、それらの家電をブレーカーを落とすことなく使用するためには契約アンペア数をあげることが必要になります。
契約している電力会社にもよりますが、契約アンペア数を10Aあげると基本料金が300円前後高くなります。
2.建物の気密性が低いから
一般に、戸建てはマンションなどの集合住宅よりも気密性が低いです。気密性が低いと、特にエアコンなどの冷暖房の効率が下がります。
戸建ては外気温の影響を受けやすく、室温を維持するのに集合住宅よりもエネルギーを使うので、電気代は高くなりやすいのです。
3.専有面積が広くなったから
集合住宅よりも一戸建てての方が専有面積が広いのが一般的でしょう。
専有面積が広いと、冷暖房や除湿機・加湿器、照明などに必要なエネルギーの量も増えてしまいます。結果として、電気代が高くなります。
4.料金単価が上がったから
家庭向けの一般的な電気料金プランの場合、電気使用量が一定量以上に増えると料金単価が上がる仕組みとなっています。
上で説明した2.や3.の理由や家族が増えた、子供が成長したなどの理由で電気使用量が増えた結果、高い料金単価の使用分も増えてしまい、さらに電気代が高くなるということが考えられます。
参考:東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の料金単価
基本料金 | 10A | 1契約につき | 280.8円 |
---|---|---|---|
15A | 421.2円 | ||
20A | 561.6円 | ||
30A | 842.4円 | ||
40A | 1,123.2円 | ||
50A | 1,404.0円 | ||
60A | 1,684.8円 | ||
電力量料金 (従量料金) | 最初の120kWhまで | 1kWhあたり | 19.52円 |
120kWhを超え300kWhまで | 26.00円 | ||
300kWh超過分 | 30.02円 |
電力会社を変更することで電気代が安くなることも
電気代を抑えるためには、日頃の生活習慣を見直すことも大切です。使う機会の少ない家電の電源プラグをコンセントから抜く、リモコン付きの家電はリモコンに頼らずに主電源から切るなど、いろいろな方法があげられます。電気代節約のためには、家族それぞれが自分の部屋で過ごすのではなく、リビングなどに集まるのもよいかもしれません。
それとは別に、電力会社を変更することも考えましょう。そうすることで、基本料金や料金単価を安くできることがあるのです。契約中の電力会社プランのなかで日々の節約に励むことも大事ですが、電力会社ごと変更したほうがより効率的かもしれません。電気代節約のためには、比較サイトを利用して、電気代を安くできる電力会社を探してみてはいかがでしょうか。
あきらめないで見直しを
マンションなどの集合住宅から戸建て住宅へ引っ越しをした結果、電気代が高くつくことも少なくありません。その背景には、専有面積の増加、建物の構造の変化など、複数の理由があげられます。
しかし、集合住宅よりも高くなるのは仕方がないとあきらめてはいけません。電気代を抑えるために、日々の生活習慣の見直しや、電力会社を見直すことも選択肢のひとつです。電気代を上手に節約して快適な生活を手に入れるためにも、電力会社の変更を検討しましょう。
この記事のまとめ
戸建ての場合、以下の理由からマンションなどの集合住宅よりも電気代が高くなりがちです。
- 契約アンペア数が上がった
- 建物の気密性が低い
- 専有面積が広い
- 使用量が増えて料金単価が上昇した
戸建ての電気代を節約するには、電力会社を見直すことがおすすめの方法です。基本料金や従量料金の単価を安くすることができます。電力会社の比較は比較サイトを利用すると便利です。当サイトでも電力会社の比較サービスを提供しているのでぜひご利用ください。