電気料金が昔に比べて高くなっている気がしませんか?実はそれ気のせいではないのです。
燃料費の値上がりや、再生可能エネルギーを普及させるための費用(再生可能エネルギー発電促進賦課金)が追加されているというのが主な原因です。
電気代の推移
総務省統計局の家計調査より2002年から2016年の1か月間あたりの電気代支出額の推移をまとめてみました。
出典:総務省統計局家計調査家計収支編 総世帯詳細結果表年次データより
気候の違いによって多少上下はしますが2007年→2008年と2011年→2012年以降で大きく値上がりしていることが分かります。
2007年→2008年の上昇は主に燃料費の高騰が原因です。サブプライムローン問題が顕在化した後、株式市場や高リスクのサブプライム関連証券などから中長期的に需要が上昇していくことが見込まれる原油先物市場へと資金が流入し、史上最高値である1バレル147.27ドルを付けるに至りました。この燃料費の増加が電気料金に反映されて電気代が増加したのです。
2011年→2012年以降の増加は燃料費の増加と再生可能エネルギー発電促進賦課金の影響があります。東日本大震災によって原子力発電所が停止し、その分を火力発電で補った結果、燃料費が増加しました。火力発電で用いるLNGの価格が高騰したことも追い打ちをかけています。燃料費調整制度による値上がりだけではなく、電気料金体系そのものが値上がりしました。
もう1点の再生可能エネルギー発電促進賦課金は、2012年に導入された固定価格買取制度によって電気料金とともに徴収されることとなった料金です。
固定価格買取制度とは、再生可能エネルギーを普及させるために、再生可能エネルギーによって発電された電気をあらかじめ決められた固定価格で強制的に電力会社に買い取りさせるという制度です。再生可能エネルギーの促進は国民全員の利益につながることなので、買い取りにかかる費用を電力会社にのみ負わせるのは適当ではありません。国民全体が支払うべきものなので、電気使用量に応じて、再生可能エネルギー発電促進賦課金という形で支払うことになっています。
なお、2016年の電気代が下がっているのは、シェールガスの開発などで燃料の価格が下落し、年後半になって多少は上昇したものの比較的低い水準で推移したためです。