火が出ないため、安全面などから人気の高いIHクッキングヒーターですが、電気代は高くつく、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか?IHクッキングヒーターの基本と電気代、そして節電のコツについてお伝えします。
IHクッキングヒーターとは
IH(Induction Heating)は、「電磁誘導加熱」のことです。電磁誘導加熱は、磁力を使って発電する仕組みになっていて、鍋底を通過するときに電流が発生し“鍋底自体”が発熱するという仕組みになっています。
この仕組みにより、次のようなメリットがあります。
- エネルギーのロスが少なく、スピーディーに立ち上がって、強い火力が得られる
- トロ火~強火まで、安定した火力で幅広い温度コントロールが可能
- 鍋底全体が熱くなるので、加熱ムラが少ない
- 輻射熱が少なく、周囲が熱くなりにくい
お手入れの面でのメリットも見逃せません。IHクッキングヒーターのトッププレートはデコボコがなくフラットなので、軽い汚れは布でサッと拭き取れます。
安全面に関しては、
- 火を使わないので、吹きこぼれによる立ち消えの心配がない
- 切忘れ防止、地震感知などの機能を搭載
といったような特徴があります。
IHクッキングヒーターの電気代
定格消費電力は最大で5800Wとなっています。しかし実際には、最大電力で使われることはほとんどありません。ヒーター数や火力によって違い、たとえば、弱~中火で煮込み調理をする際の消費電力は500W前後となります。
一般的な4名家族世帯、3食とも標準的なメニューで調理しているケースでは、IHクッキングヒーターを使用したときの1か月の電気代は約1,020円です。(※1)
IHクッキングヒーター節電のコツ
IHクッキングヒーターの電気代を節約する方法はいくつかあります。
節電機能・加熱機能をフル活用
IHクッキングヒーターの種類によっては、消費電力を切り替える機能や、調理を終えて電源を切った後、使った電気代の目安がディスプレイに表示される「電気代表示」機能などを搭載しているものがあります。消費電力を制限したり、電気代をチェックしたりすることで、ご自分が調理に使う電気代の傾向をある程度把握し、改善につなげることができるでしょう。
また、茹でる際や煮込み料理といった調理方法によって効果的に加熱を行う機能や、自動的に加熱しすぎを抑える機能などもあります。作るメニューに合わせて効率的に使用できるので、料理の仕上がりが良くなるだけでなく、電気代を抑えることにもつながります。
IHクッキングヒーターを選ぶ際には、これらの機能を確認しておきましょう。
適した鍋を選ぶ
IHクッキングヒーターにはIHに対応した鍋を使いますが、機種によってはすべての鍋が使える仕様のものもあります。ただ、アルミや銅鍋の場合は、鉄・ステンレス鍋に比べて火力が弱くなり、加熱時間が長くなる可能性があるのでご注意ください。
また、IHに限りませんが、短い時間で調理できる圧力鍋は省エネも期待できます。IHでは使用エネルギーを61%削減できたという調査もあります(※2)。
オール電化のご家庭向け電気料金プランを活用する
オール電化のご家庭向け電気料金プランのなかには、1日を昼間・朝晩・夜間の3つの時間帯に分け、時間帯によって電気料金が異なるシステムを採っているものがあります。概ね昼間が最も電気代が高く、次いで朝晩、夜間の順に安くなる仕組みです。
したがって夜間の時間帯に調理をすると電気代は安くなります。より安全性を求めるなら、タイマー機能やチャイルドロック機能を合わせて使うと良いかもしれません。
IHクッキングヒーターの機種や、電気料金プランには各社さまざまな特色があります。あなたのご家庭に合うものがないか、ぜひチェックしてみてください。
(※1)一般社団法人日本電機工業会(JEMA)IH調理技術委員会調べ
https://www.jema-net.or.jp/Japanese/ha/ih/ihcookingheater.pdf
(※2)圧力なべ協議会
http://www.apajapan.org/JPCC/pdf/pr01.pdf