ニチガスは、関東地方を中心にLPガス(プロパンガス)をメインに供給している会社です。ガスの小売自由化後は都市ガスや、電気とガスのセットプランも販売しています。2016年の電力小売全面自由化や2017年の都市ガス小売全面自由化以降、電力会社およびガス会社、そして契約プランを各家庭の使い方に合わせて選ぶことで電気代やガス代の節約がしやすくなりました。この記事では、ニチガスとはどのような会社でニチガスの電気はお得なのかということについて説明します。
目次
ニチガスとは?どんな会社?
ニチガスの設立は、昭和30年と歴史があり現代でも独自のキャラクター「ニチガス・ニ・スルーノ三世」を用いたCMなどで広く知られています。ニチガスが設立当初から販売しているLPガスは、1997年に自由化されています。LPガスは、ガスボンベを設置して各家庭にガスを提供するためライフラインが停止するような大規模災害時に強く、発熱量が高いことが特徴です。そうした中、ニチガスは2017年の都市ガスの小売全面自由化をきっかけに都市ガスの販売も始めました。都市ガスの自由化より1年早く自由化となった電力の小売全面自由化後は、電気の販売もスタートさせています。ニチガスの「ニチガスでんき」はニチガスの都市ガスまたはLPガスとセットで契約できる方が加入対象です。ニチガスは、LPガス、都市ガス、電気の販売と生活に必要なライフラインを提供するエネルギー会社としてシェアを伸ばしています。
ニチガスの供給エリアと実績
ニチガスは関東エリアを中心にLPガスと都市ガスの販売を行っています。各地に営業所を設置し相談や緊急時の連絡がしやすいように地域に密着した営業が行われています。営業所は、1都6県の他に山梨県、静岡県、福島県にもあります。現在、ニチガスでんきの販売エリアは、関東エリアと中部エリアです。かつて、静岡県は富士川以東の東京電力エリアのみとなっていましたが、2019年3月からは富士川以西の中部電力エリアでも販売をスタートしています。
ニチガスのお客様件数(シェア)
都市ガス | LPガス | 電気 | |
---|---|---|---|
件数 | 65万件以上 | 85万件以上 | 2万件以上 |
2019年4月末
ニチガスのでんきは安いの?
ニチガスでんきの電気プランと電気代を紹介します。まずは、単体で契約した場合の電気料金から確認していきましょう。
自由化以前に東京エリアで東京電力エナジーパートナーと契約していた一般家庭は、通常、従量電灯Bに契約していることが多く、従量電灯Bはニチガスでんきの「でガ割でんき1」プランに相当します。ニチガスでんきの「でガ割でんき1」プランでの電気料金は、200kWhまで定額4,685円、以降は使用量に応じて加算されます。201kWh~350kWhまでは1kWh 23.93円、351kWhからは1kWh25.97円です。東京電力エナジーパートナーの「従量電灯B」や東京ガスの「ずっとも電気1・1S」プランと基本料金は同じです。料金単価の違いは、使用する電力量に応じた1kWhあたりの料金が異なります。
東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの1kWhあたりの料金は、120kWhまでは1Whあたり19.88円、121kWh~300kWhは26.48円、301kWh以降は30.57円です。東京電力エナジーパートナーの小売自由化以降の新プランで従量電灯Bに相当する「スタンダードS」は、従量電灯Bとほぼ同じ単価ですが、121kWh~300kWhの単価が26.46円と従量電灯Bに比べ少し安くなっています。
東京ガスのずっとも電気1の場合、1kWhあたりの料金は140kWhまでは23.67円、141~350kWhまでは23.88円、351kWh以降は26.41円となります。東京ガスの「ずっとも電気1」は30A~60A向けのプランで、10A~20Aの人は申し込むことができません。10A~20Aの電気をあまり利用しない人向けには「ずっとも電気1S」プランが用意されており電力量料金単価が違います。(電気料金単価は、消費税10%税込です。)
基本料金(ニチガスでんき、東京電力エナジーパートナー、東京ガス)
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) |
---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 286.00 |
15A | 429.00 | ||
20A | 572.00 | ||
30A | 858.00 | ||
40A | 1,144.00 | ||
50A | 1,430.00 | ||
60A | 1,716.00 |
電力量料金
ニチガスでんき「でガ割でんき1」
区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | |
---|---|---|---|
電力量料金 | 最初の200kWhまで | 定額 | 4,685.00円 |
200kWhをこえ350kWhまで | 1kWh | 23.93円 | |
350kWh超過分 | 25.97円 | ||
でんき・ガスセット割 | 1契約 | (電気の基本料金) -300.00円 |
東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」「スタンダードS」
※東京電力エナジーパートナーのガス「とくとくガスプラン」を申し込むと電気とガスのセット割が利用できます。
区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | ||
---|---|---|---|---|
従量電灯B | スタンダードS | |||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.88円 | |
120kWhをこえ300kWhまで | 26.48 | 26.46円 | ||
300kWh超過分 | 30.57円 | |||
ガスセット割 | 1契約 | - | (電気料金) -102.00円 |
東京ガス「ずっとも電気1」
区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | |
---|---|---|---|
電力量料金 | 最初の140kWhまで | 1kWh | 23.67円 |
140kWhをこえ350kWhまで | 23.88円 | ||
350kWh超過分 | 26.41円 | ||
ガス・電気セット割 | 1契約 | (電気の基本料金) -275.00円 |
東京ガス「ずっとも電気1S」
区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | |
---|---|---|---|
電力量料金 | 最初の120kWh まで | 1kWh | 19.85円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 25.35円 | ||
300kWh超過分 | 27.48円 | ||
でんき・ガスセット割 | 1契約 | 電気料金(税込)から 0.5%割引 |
電気代の比較
40A、使用量400kWhの条件で電気代を比較した場合、東京電力エナジーパートナーのスタンダードSでの月間電気料金は約11,349円です。40Aの基本料金は1,144円なので、1,144+(19.88×120)+(26.46×180)+(30.57×100)の計算式で求めます。ニチガスでんきの「でガ割でんき1」の場合、40Aの基本料金は変わらず、月間電気料金は1,144+4,685+(23.93×150)+(25.97×50)=10,717円です。東京ガスのずっとも電気1の場合は40Aの基本料金も同じく1,144円なので、月間電気料金は1,144+(23.67×140)+(23.88×210)+(26.41×50)=10,793円となります。ニチガスでんきは東京電力エナジーパートナーと比較して月間632円、東京ガスと比較して月間76円お得です。
40A400kWh使用の場合の電気代比較
ニチガスでんき | 東京電力エナジーパートナー | 東京ガス | |
---|---|---|---|
でガ割でんき1 | スタンダードS | ずっとも電気1 | |
1カ月の電気代 | 10,717円 | 11,349円 | 10,793円 |
1年間の電気代 | 128,604円 | 136,188円 | 129,516円 |
※計算を簡易にするために年間で使用量に変動はないとしています。
※燃料費調整額及び再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※電気料金の合計額は円未満切り捨てで請求となります。
電気とガスのセット「でガ割でんき1」でさらにお得に!
さらなる割引を受けられるのが、電気とガスをセットで契約するプランです。ニチガスでは、ガスの小売自由化以降、LPガスだけでなく都市ガスも提供しているため、どのガスにも対応しています。電気が40A、使用量400kWhで都市ガス使用量30㎥使用の場合の家庭のケースを考えてみましょう。
東京エリアで東京ガスの「ずっともガス」プランでの月間ガス利用料金は、10㎥~80㎥までの基本料金が1,056.00円、従量料金は、130.46円なので1,056+(130.46×30)=4,969円になります。月間電気利用料金約10,793円と合わせると4,969円+10,793円=15,762円となります。電気とガスのセット割引が適用されるため15,762円-275円=15,487円が1カ月の電気とガスの支払い金額です。
東京電力エナジーパートナーで電気をスタンダードS、ガスをとくとくガスプランを利用した場合では、10㎥~80㎥までの料金単価は、基本料金が1,024.32円、従量料金が126.54円です。1,024.32+(126.54×30)=4,820円なので、月間電気利用料金11,349円と合わせると4,820円+11,349円=16,169円となります。電気とガスのセット割引が適用されるため16,169円-102円=16,067円が1カ月の電気とガスの支払い金額です。
ニチガスの場合、都市ガスの月間ガス利用料金は、20㎥~80㎥の1カ月間の利用料で基本料金1,077.57円です。従量料金が119.74円で、1,077.57+(119.74×30)=4,669円となります。でガ割でんき1の月間電気料金は10,417円なので、ガスと電気の料金の合計は4,669円+10,717円=15,386円です。セット割が適用されて電気の基本料金を300円割引となり、1カ月の電気とガスの合計金額は15,086円です。このように各社電気とガスのセットにするとお得に利用できるように割引が用意されていたり、ポイント付与などのサービスがあったりするためそれぞれ比較してみるとよいでしょう。
※計算を簡易にするために年間で使用量に変動はないとしています。
※燃料費調整額は含まれていません。
※ガス料金の合計額は円未満切り捨てで請求となります。
電気:40A400kWh、ガス:30㎥使用の場合の電気代比較(東京エリアの場合)
ニチガスでんき | 東京電力エナジーパートナー | 東京ガス | |
---|---|---|---|
電気プラン | でガ割でんき1 | スタンダードS | ずっとも電気1 |
ガスプラン | 都市ガス | とくとくガス | ずっともガス |
1カ月の光熱費 | 15,086円 | 16,067円 | 15,487円 |
1年間の光熱費 | 181,032円 | 192,804円 | 185,844円 |
ニチガスでんきを申し込むには?供給エリアや支払い方法を紹介!
ニチガスでんきの申込方法は電話のほか、ネットでも簡単に申し込めます。検針票をスマホで撮影することで、一般の人にはなじみが薄い供給地点特定番号なども自動で入力できます。そのため、申し込みは最短2分で完了するうえ、ニチガスが手続きを行うため現在利用している会社への連絡も不要です。
ガスと電気をセットで申し込む際は、ガスから手続きを始めます。請求時は、電気料金とガス料金を合算しますが、ガス料金は電気の検針日の翌月に検針されたものになるため注意が必要です。このため、ガスの検針日の時期によっては合算請求の時期も変動する場合があります。対応している支払い方法は、口座振替かクレジットカードです。VISAやJCBなど、主要なクレジットカードに対応しています。ニチガスを解約する場合、都市ガスであれば最低契約期間という考え方がないため契約解除料は発生しません。一方、LPガスの場合は2年間固定単価プランなど契約しているプランによって、解約違約金が発生する可能性があります。ニチガスのガスの契約者で電気プランにも興味がある方はニチガスの営業所に相談してみるのもよいかもしれません。
この記事のまとめ
ニチガスは、関東地方を中心にLPガスを主力としてガスの販売を行っている会社ですが電力自由化やガス自由化をきっかけに電気の小売や都市ガスの小売販売も行っています。
- ニチガスでんきのでガ割でんき1の基本料金は東京電力エナジーパートナーのスタンダードSや東京ガスのずっとも電気と同じ単価である
- ニチガスでんきのでガ割でんき1は、電気とガスのセットで電気代の基本料金が300円割引になる
- ニチガスでんきのでガ割でんき1の電力量料金は200kWhまで定額料金となっている
ニチガスは、電気やガス料金の業界最安値を目指しており、電気とガスをまとめた「でガ割でんき1」は他の多くの電力会社やガス会社と比較してもリーズナブルな傾向です。ネットから最短約2分で簡単に申し込めるので、電気代を節約したい人はニチガスのニチガスでんきを検討してみてはいかがでしょうか。また、電力会社を変更することによって自分の家の電気代をどれだけ安く抑えられるかは多くの電力会社と比較してみる事をお勧めします。その場合には、多くの電力会社を一度に比較するには、一括比較サイトを利用すると便利です。