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企業による地球温暖化対策として期待!環境価値取引と3種類の環境価値証書

「環境価値」という言葉をご存じでしょうか。テレビや新聞などでは、まだまだ目にする機会は少ないかもしれませんが、現代において環境価値は企業が自らの価値を創造するうえで欠かせないものとなっています。環境価値とは、一体どういうことで、それが私たちの生活にどのように関係してくるのでしょうか。そこで、今回は環境価値の意味や種類、内包する問題点などについて解説していきます。

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「環境価値」という概念が誕生した背景とその意味

地球温暖化は、このまま進んでいくと社会や自然環境に大きなダメージを与えることが懸念材料です。たとえば、温暖化の影響で南極やグリーンランドの氷が大量に溶け出すと海洋全域で水面がかなり上昇してしまいます。そうなると、海抜の低い地域や小さな島などは海の中に沈んでしまうのです。また、地球全体の気温が上がると海流が変わり、洪水や干ばつが頻発するようになります。気候も不安定になり、激しい雨や熱波などといった極端な気候が顕著になる可能性もあるのです。

こうした地球温暖化の主な原因と考えられているのが温室効果ガスの排出であり、それを抑制するには企業の積極的な取り組みが欠かせません。そこで、温室効果ガスの大部分を占めるCO2を削減するという行為を環境価値と定義し、それを取引の対象として扱えるようにしたのです。その結果、発電施設を所有していない企業でも「環境価値を購入して環境問題に積極的に取り組んでいる企業である」という事実をアピールすることが可能となりました。逆に、環境問題が注目されている現代において、環境価値に対して無関心であれば、企業のイメージダウンに直結します。企業価値を高めるためには、環境価値を重視する必要があるというわけです。

日本の部門別二酸化炭素排出量の割合(2018年度)

単位:100万トン_二酸化炭素(CO2)換算

部門 直接排出量 間接排出量 合計 全体の割合
産業部門(工場等) 284.8 398.0 682.8 30.0%
エネルギー転換部門(発電所等) 156.2 89.4 545.6 24.0%
運輸部門(自動車等) 202.7 210.4 413.1 18.2%
業務その他部門(商業・サービス・事業所等) 63.5 195.8 259.3 11.4%
家庭部門 52.2 165.7 217.9 9.6%
工業プロセス(石灰石消費等) 46.4 46.4 92.8 4.1%
廃棄物(廃プラスチック、廃油の焼却) 29.0 29.0 58.0 2.5%
農業、その他 3.1 3.1 6.2 0.3%
合計 1137.9 1137.8 2275.7 100.0%

全体の排出割合

※直接排出量は、発電に伴う排出量をエネルギー転換部門からの排出量と計算したもので、間接排出量は、電気事業者の発電に伴う排出量を電力消費量に応じて最終需要部門に配分した後の値

参考:全国地球温暖化防止活動推進センター_「日本の1990-2018年度の温室効果ガス排出量データ」(2020.4.14発表)

3種類の環境価値取引とそれぞれのメリットおよびデメリット

主な環境価値取引の手段としては、「グリーン電力証書」「Jクレジット制度」「非化石証書」の3つを挙げることができます。取引対象となっているのは、いずれも自然エネルギーで作った電力です。各特徴について説明します。

グリーン電力証書

グリーン電力証書とは、太陽光や風力などといった再生可能エネルギーによる電気を使用していることを証明してくれるものです。たとえば、太陽光や風力、バイオマスなどといった再生可能エネルギーを発電している企業は、CO2を排出しないエネルギーを所有しているので環境価値が高いといえるでしょう。更に、この環境価値は証書化することによって取引が可能となるのです。仮に、太陽光発電を行っている企業Aから企業Bがグリーン電力証書を購入したとしましょう。企業Aは、自らの環境価値を放棄する代わりに収益を得ることになり、企業Bはグリーン電力証書を入手することでグリーン電力を使用していることを広告などに表示できるようになるわけです。

また、SBTやRE100、CDPといった温室効果ガス削減目標の国際基準に対し、企業の実績として報告できるのもメリットといえるでしょう。ただ、グリーン電力証書は民間が発行しているので法的な保証がなく、売却価格の相場が常に変動するというデメリットがあります。また、環境価値を売りに出してしまうと自社が環境に貢献している事実がアピールできなくなるのも問題です。

メリット
発電事業者 太陽光や風力などで発電した再生可能エネルギーの環境価値をグリーン電力証書で売買することで利益を得ることができ、発電設備の拡大や維持に役立てられる
グリーン電力証書購入事業者 自社がグリーン電力を使用していることになるため、再生可能エネルギーの普及に貢献できる。再生可能エネルギーの普及に貢献している企業だという事は、社会的な企業イメージのアップにつながり広告や宣伝にも利用できるだけでなく、各種制度にCO2削減量の貢献度を報告できる
デメリット
発電事業者 グリーン電力証書の相場は変動するため値下がりリスクがあり、想定していた利益が得られない場合もある。また、グリーン電力証書を売却すると自社の再生可能エネルギー割合が減る。
グリーン電力証書購入事業者 民間のグリーン電力証書発行事業者が発行している証書のため、国が認可する「Jクレジット」のように法的な保証がない。

Jクレジット制度

Jクレジット制度は、省エネ機器や再生可能エネルギーの導入、森林経営などの取り組みでCO2などの温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証してくれる制度です。各種設備の導入などでCO2削減に成功した場合、その削減量をJクレジットという形で売買できるのです。国の認可の元で行われるので、法的に保証されている安心感があります。Jクレジットを創出した側は、それを売ることで売却益を得られるだけでなく温暖化対策に積極的である事実を対外的にもアピールすることが可能です。一方、購入者側も同じようにCO2 削減に取り組んでいる企業としてアピールもできます。例えば、自社で決めた削減目標に届かない場合はその補てんに使用するといったことも可能です。その代わり、J-クレジットの創出者になるには煩雑な手続きが必要になります。それをクリアしたとしても、売却収入を得られるまでに4年ほどかかるというハードルの高さが大きなデメリットです。

グリーン電力証書とJクレジットは、活用においてはあまり違いがありません。ただし基本的な考え方が異なり、グリーン電力証書は再生可能エネルギー発電量(FIT売電がある場合は売電量を除いた量)を計測し、その電力量を取引します。一方、Jクレジットは、排出削減事業が行われなかった場合に予想されるCO2排出量と実際のCO2排出量の差分をJクレジットとして取引します。

メリット
共通 国が認証する制度であること。
Jクレジット創出者 Jクレジットの売却益を得ることができる。CO2の削減に貢献している企業だという事は、社会的な企業イメージのアップにつながり温暖化対策をアピールできる。
Jクレジット購入者 カーボン・オフセットに取り組んでいる企業としてアピールできる。Jクレジットを利用し自社の温室効果ガス削減目標達成が可能。

デメリット
共通 手続きが複雑で時間がかかる。
Jクレジット創出者 売買収入を得られる時期を把握しづらい。インセンティブが小さい。

非化石証書

非化石証書は、自社で扱っている電気が化石燃料を使用していない事実を証明するためのものです。企業にとっては、その証書を購入することでCO2削減に関する各種の報告書に実績として書くことができます。一方、創出者が証書を販売して得た収益は再生可能エネルギー発電促進賦課金の値下げにあてられます。つまり、国民にとってもメリットのある制度なのです。その一方で、事業者側にとっては、非化石証書の利用は小売電気事業者に限られます。しかも、再エネ賦課金の値下げにしか使用できないので、直接的な利益につながらないのがデメリットです。

また、この方式は太陽光発電、風力発電、小水力発電といった固定価格買取制度が適用されるFIT電気を前提としたものです。2020年からは大型水力発電や原子力発電といった非FIT非化石証書も加えることとなっています。ただ、一度事故が起きると環境コストが莫大なものとなる原子力発電などを非化石証書に加えることに対しては、疑問の声も少なくありません。

メリット
非化石証書を購入することで、CDPの報告書に活用できる。また、再生可能エネルギーの使用率が100%になればRE100の報告書にも使用できる。非化石証書の販売収益は再エネ賦課金の値下げに使用されるため、国民全体のメリットになる

デメリット
非化石証書の販売利益は再エネ賦課金の値下げに利用されるため、発電事業者に収益が発生しない。

【環境用語】

SBT・・・「Science Based Targets」科学と融合した目標設定。2015年に採択されたパリ協定「2℃目標(1.5℃目標)」の水準に整合する、企業における温室効果ガス排出削減目標のこと。

RE100・・・再生可能エネルギーの需要と供給の拡大のため、企業が使用する電力の100%を再生可能エネルギーによる発電された電力にすることに取り組んでいる国際的な企業連合。

CDP・・・「Carbon Disclosure Project」2000年に英国で設立された国際NGO。世界の主要企業に対し、環境戦略や温室効果ガスの排出量の開示を求めるプロジェクト。

カーボン・オフセット・・・「Carbon Offset」日常生活や経済活動において避けることができないCO2等の温室効果ガスの排出について、排出量を削減する努力を行った上で、それでも排出されてしまうCO2に関しては、排出量に見合った温室効果ガスの削減活動に投資等をおこなうことで、排出される温室効果ガスの埋め合わせを行うという考え方。

環境価値証書の伸び悩みと今後の見通し

各種の環境価値証書による環境価値の買取は、CO2の削減に一定の効果を期待されています。一方で、その普及が十分でないという問題が浮き彫りになってきています。その原因としては、入札の最低価格が高すぎる点が挙げられます。しかし、資源エネルギー庁は最低価格の引き下げには消極的です。

その代わり、2020年より新たに追加する非FIT非化石証書の入札には、「最低価格を設けない」という方針を打ち出しています。当然ながら、その入札額はFIT非化石証書よりもかなり安くなることが予想されています。そうなると、価格の高いFIT非化石証書はますます売れなくなるので、最低価格はいずれ引き下げられると考えるのが自然です。以上の過程を経て環境価値証書の活用がよりしやすくなることが期待されています。

また、環境価値を考えるうえで大きな問題となっているのが「卒FIT電源」の存在です。卒FIT電源というのは、2009年からスタートした再生可能エネルギーの固定価格買取制度が満期を迎え、電力の高価買取を終了した住宅用の太陽光発電のことを指します。これは、一般電気事業者や新電力が買取することで安価な再生可能エネルギー電源としての活用が期待されているわけですが、問題はそれ以後も自宅で消費する電力です。これらの電力に対して環境価値を認証する制度は存在しないため、温暖化対策になりうる存在が放置されることになってしまいます。そのため、Jクレジット制度運営委員会では卒FIT電源の取り扱いについての議論を進め、「どのような結論が出るのか」がおおいに注目されるところです。

この記事のまとめ

温室効果ガス削減のために企業の積極的な協力は欠かせません。今や、環境問題に取り組んでいる企業であるという事は企業価値として重要視される点となっています。脱炭素社会の実現に向けて企業が取引する環境価値の取引制度について興味を持ち、CO2排出削減に努めている企業や団体の商品やサービスに注目してみましょう。

  • グリーン電力証書は、再生可能エネルギーによる電気を使用していることを証明してくれる証書である
  • Jクレジットは、国が認証する制度で、CO2削減に成功した分をクレジットとして取引できる
  • 非化石証書は、自社が扱っている電気が化石燃料を使用していないことを証明する証書である

環境価値証書は、地球温暖化問題における解決の一助として大きな役割を期待されています。この証書の存在により、発電設備を持たない企業でも地球温暖化対策に参加し、同時に企業イメージをアップすることもできるようになったのです。一方で、普及のために克服しなければならない問題も少なくありません。電気を消費する立場の人もそれらの問題をしっかり理解し、上手に電気を利用できるようにしていきましょう。家庭で使う電気を販売する電力会社も再生可能エネルギーの発電や再生可能エネルギー由来の電気の販売を行う事業者が増えてきています。電力会社を選ぶ際の参考にしてみるとよいでしょう。

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