電力自由化により住んでいる場所や利用形態により、お得な電力会社を選べるようになりました。東急線沿線に居住している人や東急グループのサービスを利用している人は、東急でんきの利用や電気プランを検討している人も多いでしょう。この記事では、東急でんきの特徴やメリット・デメリット、料金について紹介していきます。
目次
東急でんきって何のこと?
東急でんきとは、新電力会社である株式会社東急パワーサプライが2016年4月の電力小売自由化を機に開始した電力サービスです。2018年7月からは、都市ガスの提供も開始しています。東急パワーサプライは、東急電鉄を運営する東急グループから生まれた事業体で「これまでにない生活サービス企業」を目指してサービスを展開しています。電気の供給エリアは関東地方のほぼ全域になり、東急線沿線の東京都、神奈川県(川崎市、横浜市)を中心に契約者を増やしています。ガスの供給エリアは、東京都と神奈川県の東部と、埼玉県、千葉県、栃木県、茨木県の一部となっています。(2019年6月現在)
東急グループの傘下なので、東急グループ・東急線沿線のサービスとの組み合わせでお得に利用することができ、ケーブルテレビの「イッツコム」とのセットでお得な割引サービス(セット割り)も用意されています。
東急でんきを利用するメリット
東急でんきを利用するメリットは以下のようなものがあります。
1.東急カードで支払うと東急ポイントが貯まる
毎月の電気料金を東急カード(TOKYU CARD)で支払うと、電気料金の1%が東急ポイントとして貯まります。貯まった東急ポイントは、東急グループ加盟店で利用できる他に、PASMOへチャージ(1ポイント=1円)したり、JALマイルへ交換(2,000ポイント=1,000マイル)することも可能です。
2.イッツコムとケーブルテレビ品川の利用料金がお得
イッツコム、ケーブルテレビ品川の加入者なら、ケーブルテレビの利用料金が最大350円もお得になる「イッツコム 電気ぐっと割」や「しながわ 電気ぐっと割」が利用できます。さらに、電気とガスの利用料金から最大24カ月間50円お得になる「ガスもっと割」というサービスもあります。その他にも、横浜ケーブルビジョン、YOUテレビなど、東急パワーサプライと提携しているケーブルテレビにて、料金割引サービスや特典が用意されています。
3.契約期間の縛りがなく解約金や違約金が発生しない
東急でんきの契約期間は1年間ですが、いつでも無料で解約することができます。契約期間の縛りがないので、解約金や違約金が発生することはありません。電力会社を他社へ乗り換えるときも契約期間を気にせずに済むので、スムーズに移行することができます。
4.複数の特典を同時に利用できる
東急でんきの特典は併用できるのがメリットです。特典のうちどれか1つを選ぶのではなく、複数の特典を同時に利用することができるのです。したがって、東急グループや東急線沿線のサービスを多く利用しているほど、メリットが大きくなるということです。
5.WEBで電気使用状況が確認できる
東急でんきのホームページにログインすると、マイページで電気使用量や利用明細を確認することができます。いつでもどこでも、WEB上で電気料金のチェックができるので、電気の使いすぎの防止や節電に役立てることができます。
6.電気使用量が多い月も少ない月もお得
東急でんきの料金は、基本料金も電力量に応じた従量料金も、東京電力エナジーパートナーよりも安い料金設定になっています。そのため、使用量が多い月も少ない月も、東京電力エナジーパートナーよりも料金が安くなり高くなることはありません。
以上のように、多数のメリットがある東急でんきですが、東急グループのサービスを利用している人にとっては特にメリットが大きいですね。
東急でんきに関するデメリット
メリットの次はデメリットも把握しておきましょう。東急でんきに関するデメリットは以下のようなものがあります。
1.20アンペア以下は契約できない
東急でんきの契約アンペア数は30~60アンペアまでなので、20アンペア以下は契約できません。現在20アンペア以下ならば、30アンペア以上に切り替えて契約することはできますが、基本料金が上がってしまうので、電気料金も増えてしまいます。
2.料金の割引率が低い
東急でんきのメリットとして、使用量が多い月も少ない月も、東京電力エナジーパートナーよりも料金が安くなることを説明しました。ただし、料金の割引率は低いので大幅な費用削減にはなりません。
東急でんきの料金はどれくらい?
東京電力エナジーパートナーの契約では、従量電灯B、従量電灯C、低圧電力の3種類のそれぞれの料金単価に合わせて基本料金と電力量料金が安くなっています。(東京電力エナジーパートナーとの差額は2019年6月現在)
1.基本料金
東急でんきの基本料金は契約アンペアにより、以下のように設定されています。差額は、東京電力エナジーパートナー(従量電灯B)との比較です。
東急でんき | 東京電力 エナジーパートナー | 差額 | 割引率 | |
---|---|---|---|---|
30A | 788.40円 | 842.40円 | 54円 | 6.4% |
40A | 1069.20円 | 1123.20円 | 54円 | 4.8% |
50A | 1296.00円 | 1404.00円 | 108円 | 7.6% |
60A | 1522.80円 | 1684.80円 | 162円 | 9.6% |
各アンペアで東京電力エナジーパートナーよりも安い価格になっています。しかし、価格差はわずかです。
2.電力量料金(従量料金)
電気使用量で変わる電力量料金は1kWhごとに加算され、使えば使うほど単価は高くなっていきます。1kWhごとの単価は電気使用量によって以下のように設定されています。差額は、東京電力エナジーパートナー(従量電灯B)との比較です。
東急でんき | 東京電力 エナジーパートナー | 差額 | 割引率 | |
---|---|---|---|---|
120kWhまで | 19.41円 | 19.52円 | 0.11円 | 0.5% |
120kWh~300kWh | 25.88円 | 26.00円 | 0.12円 | 0.4% |
300kWh以上(30A) | 29.03円 | 30.02円 | 0.99円 | 3.2% |
300kWh以上(40~60A) | 28.43円 | 30.02円 | 1.59円 | 5.2% |
東京電力エナジーパートナーとの差額は、300kwhまではわずかです。300kWhを超えると単価の差額は少し大きくなりますが、それほど大きな価格差にはなりません。
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東急でんきの電力プラン
目次東急でんき電気料金プラン一覧会社情報電力会社・サービス 東急でんき 東急電鉄グループの新電力です。鉄道と電気には元々深いつながりがあり、戦前は53万燈以上の ...
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1カ月にかかる料金は次の計算式で算出されます
月額=基本料金+従量料金(単価×使用量)+燃料費調整額(単価×使用量)+再生可能エネルギー発電促進賦課金(単価×使用量)
上記計算式のうち、燃料費調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金の単価は東京電力エナジーパートナーと同じです。
結局、月額でいくら安くなるのかというと、30Aで電気使用量が120kWhの場合は67円(基本料金54円+従量料金13円)、60Aで電気使用量が400kWhの場合は355円(基本料金162円+従量料金193円)の割引となります。電気料金については東京電力エナジーパートナーと比べて特に安いとはいえませんね。
この記事のまとめ
東急でんきは株式会社東急パワーサプライが供給する電力小売り事業です。東急でんきは関東エリアのほぼ全域と山梨県、静岡県の一部で契約する事が可能です。東急でんきを取扱う東急パワーサプライではガスの販売も行っており、ケーブルテレビ加入者がでんきやガスをセットで契約すると各サービスに合わせた料金割引などが用意されています。
- 東急でんきは東京電力エナジーパートナーより料金単価が安い
- 東急でんきは解約金や違約金がありません
- 30A以上からの申込の制限があり、電気料金だけではさほど安くならない
東急でんきは料金面で大きなメリットはありませんが、東急沿線に住む人や東急グループのサービス利用者には、特典が多くて東急グループのサービスを広く利用する方には、メリットが大きい電力会社です。一方、東急グループのサービスを利用していない人にはメリットが少ないので、他の新電力会社を検討してみるのもいいかもしれません。利用する際のメリットやデメリットをあらかじめ理解したうえで電力会社を選びましょう。電気料金を安くしたいと考えている人は、一括比較サイトなどを利用し電気代が安くなる電力会社を探してみましょう。