冷蔵庫は大きい方が冷やす範囲が大きくなるため、電気代も高くなると思っていませんか。
確かに一般的には容積が大きい方が消費電力は大きくなります。しかし、最近の容積が大きい冷蔵庫はインバーター制御や真空断熱材といった消費電力を抑える工夫がなされているのに対し、容積が小さい冷蔵庫は冷蔵庫の販売価格が安価なため、高性能な省エネ設計をすることが難しく、結果的に電気代が高くなってしまうのです。
省エネ性能カタログ2016年冬版によると、定格内容積が201~250Lの冷蔵庫の年間消費電力量が352kWh/年なのに対して、401~450Lの冷蔵庫は248kWh/年です。(2015年製)
電気代を27円/kWhとすると年間2,808円程、401~450Lの冷蔵庫の方が電気代が安くなります。
容積が大きくなっても消費電力を抑える冷蔵庫の省エネの仕組みをもう少し詳しく解説します。
インバーター制御
従来の冷蔵庫では、モーターを一定の回転数とパワーでしか駆動できませんでした。しかし、インバーター制御によりモーターの回転数を自在にコントロールすることが可能になりました。扉の開閉や冷蔵庫内の温度にあわせて運転できるため、冷却具合に合わせて効率的に稼働でき、省エネ効果を発揮できます。
断熱材の性能差
大型の冷蔵庫では、庫内の空間も大きいため、庫内の温度をより長く保てるように性能が良い真空断熱材が使われています。
庫内の隙間
省エネの技術とは、あまり関係がないのですが、冷蔵庫内の隙間の差で消費電力に差がでてきます。
大型の冷蔵庫は隙間を持たせて食材などを入れることができるのに対して、小型の冷蔵庫は、容積に余裕がなく食材を詰め込むことになりがちです。冷蔵庫内に隙間がないと冷気が庫内にうまく行きわたらず、運用効率が落ちてしまいます。
このように、冷蔵庫は容積が大きい方が電気代も安くなることが分かりました。
しかし、これはインバーター制御や性能が良い真空断熱材などのおかげであって、これらがない冷蔵庫の場合は容積が大きいほど消費電力は大きくなります。
また、冷蔵庫の容積をさらに大きくしていくと、省エネ技術があっても抑えきれずに消費電力は上昇していきます。この点はご注意ください。