家電業界で注目を集めている「IoT家電」を知っていますか。IoT家電は、インターネットとつなげることで、これまで以上に便利でさまざまな使い方ができるといわれています。聞き慣れないと感じる人も多い「IoT」という単語ですが、「IoT家電」とは一体どのようなものを指す言葉なのでしょうか。この記事では、話題のIoT家電の特徴やメリットを紹介します。
目次
インターネットと接続するIoT家電とは?
「IoT(アイ・オー・ティー)」というのは、「Internet of Things」の略です。直訳すると、「モノのインターネット」という意味になります。これまで、インターネットとつながるものといえば、パソコンやスマートフォンなどの通信機器が一般的でした。ところが、IoTという先端技術を用いることによって、これまでインターネットとつながると考えられていなかったモノたちも、通信によるつながりを持てるようになったのです。その代表的な例の一つが「家電」です。IoT家電というのは、家電とインターネットをつなげることで、家電を遠隔操作できるようにした商品を指しています。また、離れた家電同士を連携させて使用したり、家電の利用によって蓄積されるさまざまな情報を、インターネットを介して集めたりすることも可能になりました。ちなみに、IoT家電の中でも、特にスマートフォンのアプリを通して操作できる家電は「スマート家電」と呼ばれています。
IoT家電とインターネットはどうやって接続する?
IoT家電をインターネットにつなぐ場合は、「Wi-Fi」あるいは「Bluetooth」のいずれかを利用するのが一般的です。Bluetoothは近距離での通信に使われるため、接続したいもの同士が近くにある場合に用いられます。一方で、外出先など遠く離れた場所から家電を操作したい場合は、長距離通信が可能なWi-Fiによる接続を行います。
インターネットと接続するIoT家電の例
IoT家電の代表的なものとして、6つの例を紹介します。まず、1つ目は「冷蔵庫」です。外出先から冷蔵庫のなかをカメラで確認できるため、日々の買い物でも買い忘れや買い過ぎを防ぐことが可能です。なかには、AI機能が搭載されていて、冷蔵庫にある材料でつくれる献立を提案してくれる商品もあります。
2つ目は「洗濯機」です。洗濯が終わるとスマートフォンに終了の通知が届くため、たとえば、洗濯機の終了通知音が聞こえない場所にいるときでも、うっかり忘れて放置してしまうことがありません。
3つ目は「テレビ」です。外出先から録画予約をしたり、音声操作や動画配信サービスのアプリをインストールしてテレビで見ることが可能です。なかには、専用のアプリを使うことで、外出先でテレビを楽しめるサービスもあります。
4つ目は「エアコン」です。夏や冬は、外出先から帰宅したときに、室内が心地良い温度になっているとうれしいものです。IoT家電のエアコンであれば、外出先からエアコンのスイッチを入れることができます。消し忘れが心配なときにも、スマートフォンなどで運転状況を確認し操作できるため安心です。
5つ目は、「カーテンを自動で開閉する家電」です。カーテンレールに専用の家電を設置することで、設定した時間に自動でカーテンを開けてくれるので、自然光で目覚めることができます。
6つ目は、子どもがいる家庭で活躍する「子どもの帰宅を通知する家電」です。共働きなどで子どもの帰宅時間に家を空けている場合は、子どもが時間通りに帰ってきているか心配に思うこともあるでしょう。この家電は、キーホルダーのようなセンサーを子どものカバンにつけるだけで、帰宅した際に親のスマートフォンに通知される仕組みになっています。
インターネットと接続するIoT家電のメリット
遠隔での操作が可能
インターネットと接続できるIoT家電のメリットは、外出先から家電をコントロールできる点です。たとえば、外出中にお掃除ロボットの電源を入れられれば、人が離れた場所にいても自動で家を掃除することが可能です。寒い時期には帰宅前に外出先からエアコンのスイッチを入れる事で部屋を暖めておくことができます。また、外出時のカギの閉め忘れもIoTの技術で窓や扉の閉め忘れを防止する装置も存在しています。このように多くのIoT家電が販売されており、IoT家電は、私たちの生活に溶け込んでいるため、気づかないうちに既に活用していることもあるでしょう。
電気の「見える化」で節電
さらに、消費電力がスマートフォンなどでいつでも確認できる電気の「見える化」も進んでいます。電気の「見える化」とは、使用した電力がどれくらいあるか、電気料金はいくらかというデータをリアルタイムでチェックできることです。政府は2024年までに従来の電力量計からメーター内に通信機能が備えられている高機能な電力メーターとなる「スマートメーター」への設置変更を行う計画です。スマートメーターへの切り替えに加え、2030年までには全世帯で「HEMS」を設置することも検討されています。HEMSは、「Home Energy Management System」の略で家庭で使用するエネルギーを一元管理する仕組みのことです。家庭で使用するそれぞれのIoT家電の電気消費量をスマートメーターの活用で明確にしHEMSで一元管理することで電気の使い方を見直し、節電や省エネの意識を高める事ができます。データとして分析できるため、具体的な電気の使い方の改善案を家庭で検討することにも役立ちます。IoT家電を上手に使いこなし、電気代のコントロールをして節約につなげましょう。
企業の商品開発や社会問題対策にも活躍
IoTの技術はその他にも家電とインターネットがつながる事で企業が各家庭での家電の使用状況を把握できるようになります。企業が家電の使用状況を確認できるようになる事でよりよい商品開発につなげることも期待されています。また、IoT家電は家庭だけでなく、介護の現場でも活躍しています。介護施設で使用される高齢者向けの商品のなかには、室内にセンサーを設置して入居者の様子をチェックし、なんらかの異変があった場合に、インターネットを介してスタッフに通知が届くものがあるのです。また、スタッフが遠隔操作できるエアコンがあるため、高齢者の熱中症予防にも貢献しています。
このように、モノとインターネットがつながる事で家電をより便利に効率的に利用できるようになるだけでなく、高齢化社会に向けた社会問題などの対策にも注目されています。政府の目的としては、モノとインターネットがつながり、どの家庭や企業においてもエネルギーの「見える化」を実現することで温室効果ガスの排出量を削減し、電力需要の平準化につなげるという大きな目標のためです。
IoT家電の技術は各家庭全体のエネルギーの使い方を考える技術となりますが、今すぐに今使っている家電を買い替えたり、HEMSを導入したりするのは難しいでしょう。家電の買い替えが必要になった時には、省エネ家電も多く販売されていますので検討してみるとよいですが、毎月の電気代の削減を考えるのであれば電力会社や電気プランの変更を検討してみる事をお勧めします。電力自由化により電力会社やプランは自由に選べるようになっており、従来のプランのまま契約しているようであれば電気プランがライフスタイルに合っていない可能性があります。電力会社や電気プランの比較を行ってみる事で今より電気代が安くなる可能性があります。電気代の比較には、一括比較サイトを利用すると便利ですので利用してみるとよいでしょう。電気プランを変える事で今の電気代とどれだけ変わるか確認することができます。電気代の節約に電力会社の変更も検討してみましょう。
この記事のまとめ
インターネットと接続するIoT家電を活用することで省エネを実践しながら暮らしを便利に豊かにすることができます。
- 「IoT(アイ・オー・ティー)」とは、「Internet of Things」の略
- IoT家電は遠隔で操作が可能で電気の「見える化」が可能となる
- IoTの技術は社会問題対策にも活用されデジタル社会の実現に向けた新しい技術である
離れた場所からでも操作が可能なIoT家電は、家庭に取り入れることで、今まで以上に便利な生活を実現できる可能性があります。自分のライフスタイルや目的に応じたIoT家電を選び、上手に役立てましょう。IoTを活用して日々の電気使用量を可視化することで、電気の使い方をコントロールし、電気代の節約につなげることも可能です。