北海道電力が4月1日から適用の家庭向けのプランとして、エネとくMプランとエネとくシーズンプラスを発表しています。2月1日からすでに受付を開始していますが、どのような内容のプランなのか、他の候補となる電力会社はないかなどを解説していきます。
エネとくMプランを解説
エネとくMプランの特徴
エネとくMプランは、基本料金は従量電灯B・Cと変わらず、電力量料金が250kWhまでが定額、250kWhを超える分については従量料金となるプランです。すでに、エネとくLプランの提供は行われていますが、エネとくLプランは、400kWhまで定額なので使用量が多い方でないと電気料金が高くなってしまいます。今回のエネとくMプランの登場で、使用量がやや多めの方まで電気料金を安くすることができます。
使用量が多い、やや多めなどといってもわかりにくいと思いますので、具体的数値を書いていきたいと思います。基本料金は多くの方が契約している従量電灯B・Cと変わらないので、問題となるのは電気使用量によって変わる電力量料金の部分です。従量電灯Bにあたるプランと従量電灯Cにあたるプランで電力量料金が変わるので、分けて説明します。
エネとくMプランB(10A~60Aの方が申し込み可能)の料金表をもとに計算すると、月の電気使用量が235kWh以上の場合、従量電灯Bよりも電気料金が安くなります。エネとくLプランの場合は、月に382kWh以上使用していないと安くならなかったため、対象者が増えていることが分かります。エネとくMプランとLプランで比べた場合、月平均で400kWh以上使用する場合はエネとくLプランの方がお得になります。
また、エネとくMプランC(契約容量が7kVA以上)の料金表をもとに計算すると、月の電気使用量が225kWh以上の場合、従量電灯Cよりも電気料金が安くなります。エネとくLプランの場合は309kWh以上使用していないと安くなりませんでした。エネとくMプランとエネとくLプランでは335kWh以上使用する場合はエネとくLプランの方がお得になります。
月の使用量は検針票(電気ご使用量のお知らせ)などで確認できます。春・秋は使用量が少なくなる傾向にあるので、冬や夏の使用量が235kWhを多少超えるぐらいの場合は、年間で考えるとお得にならない可能性があるので注意しましょう。
エネとくMプラン料金表
種別・区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | ||
---|---|---|---|---|
B | 基本料金 | 10A | 1契約 | 334円80銭 |
15A | 502円20銭 | |||
20A | 669円60銭 | |||
30A | 1,004円40銭 | |||
40A | 1,339円20銭 | |||
50A | 1,674円00銭 | |||
60A | 2,008円80銭 | |||
電力量料金 | 250kWhまで(定額) | 1契約 | 6,220円00銭 | |
250kWh超過分 | 1kWh | 31円74銭 | ||
C | 基本料金 | 1kVA | 334円80銭 | |
電力量料金 | 250kWhまで(定額) | 1契約 | 5,940円00銭 | |
250kWh超過分 | 1kWh | 30円69銭 |
他電力会社候補
エネとくMプランはある程度使用していないと、従量電灯から変更しても電気料金が高くなります。使用量が少ない場合は、HTBエナジーのたのしい電気がおすすめです。30A以上でないと契約できませんが、北海道電力の従量電灯Bと比べ、基本料金・電力量料金単価がともに5%OFFになるよう設定されています。契約容量によって多少前後しますが、250kWh~270kWhあたりを除けば、エネとくMプランよりもHTBエナジーの方が使用量が多くても少なくてもお得になります。
また、使用量が多め(月320kWh以上)の場合は、ミツウロコでんきがおすすめです。ミツウロコでんきは、電力量料金について、120kWhまでの料金単価は北海道電力の従量電灯よりも1円高いですが、121kWh以上の料金単価は安くなっています。使用量が少ない場合は、電気料金が高くなってしまいますが、121kWh以上の料金単価の割引率の方が大きいため、使用量が多ければ多いほどお得に使える料金プランとなっています。
種別・区分 | 単位 | HTBエナジー | ミツウロコでんき | ||
---|---|---|---|---|---|
B | 基本料金 | 10A | 1契約 | - | 334円80銭 |
15A | - | 502円20銭 | |||
20A | - | 669円60銭 | |||
30A | 954円18銭 | 1,004円40銭 | |||
40A | 1,272円24銭 | 1,339円20銭 | |||
50A | 1,590円30銭 | 1,674円00銭 | |||
60A | 1,908円36銭 | 2,008円80銭 | |||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | kWh | 22円37銭 | 24円54銭 | |
120kWhを超え280kWhまで | 28円24銭 | 26円90銭 | |||
280kWh超過分 | 31円71銭 | 29円81銭 | |||
C | 基本料金 | kVA | 318円06銭 | 334円80銭 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | kWh | 22円37銭 | 24円54銭 | |
120kWhを超え280kWhまで | 28円24銭 | 26円90銭 | |||
280kWh超過分 | 31円71銭 | 29円81銭 |
エネとくシーズンプラスを解説
エネとくシーズンプラスの特徴
エネとくシーズンプラスは、エアコンを持っている、あるいは、エアコンを新たに設置する方を対象とした料金プランです。11月~翌2月末の冬期間以外の料金がお得になっています。料金単価は、電力量料金が200kWhまでは定額で、それを超えた分については従量制の料金となっています。また、エアコン割引として、毎月300円の割引があります。このプランは10A~20Aの方は申し込むことができません。
50Aでエアコンありという条件で従量電灯Bと比べた場合、冬期間以外では170kWh以上でお得になりますが、冬期間では基本的に従量電灯Bより高くなります。50A、エアコン割引ありという条件下では、月300kWh使用した場合は約230円、400kWh使用した場合は約320円、500kWh使用した場合は約400円、600kWh使用した場合は約500円冬期間料金の方が高くなります。
同条件で冬期間以外の料金のお得額は、月200kWh使用した場合は約900円、300kWh使用した場合は約1,060円、400kWh使用した場合は約1,510円、500kWh使用した場合は約1,960円、600kWh使用した場合は約2,410円です。
冬期間の増額とその他期間のお得額を考えて、年間で電気料金が安くなるかを判断する必要があります。
エネとくシーズンプラスの料金表
種別・区分 | 単位 | ミツウロコでんき | ||
---|---|---|---|---|
B | 基本料金 | 30A | 1契約 | 1,036円80銭 |
40A | 1,382円40銭 | |||
50A | 1,728円00銭 | |||
60A | 2,073円60銭 | |||
電力量料金(冬期間) | 200kWhまで(定額) | 1契約 | 5,302円80銭 | |
200kWh超過分 | kWh | 34円24銭 | ||
電力量料金(その他期間) | 200kWhまで(定額) | 1契約 | 4,551円12銭 | |
200kWh超過分 | kWh | 28円84銭 | ||
料金割引 | エアコン割引額 | 1契約 | 300円00銭 | |
C | 基本料金 | kVA | 345円60銭 | |
電力量料金(冬期間) | 200kWhまで(定額) | 1契約 | 4,942円08銭 | |
200kWh超過分 | kWh | 33円59銭 | ||
電力量料金(その他期間) | 200kWhまで(定額) | 1契約 | 4,175円28銭 | |
200kWh超過分 | kWh | 28円40銭 | ||
料金割引 | エアコン割引額 | 1契約 | 300円00銭 |
※ 「冬期間」とは、毎年11月1日から翌年2月28日(翌年が閏年の場合は、翌年の2月29日)の期間をいい、「その他期間」とは、「冬期間」以外の期間をいいます。