アクアリウムには生体や水槽などの費用のほか、電気代などのランニングコストが発生します。たとえ道具がそろっても、その後の維持費が賄えなければ、アクアリウムを楽しむことはできません。そこで、水槽を維持するためにかかる電気代や、効果的な節約対策などを紹介します。
まずは電気代の計算方法を知っておこう!
アクアリウムには照明やろ過装置、水温を調節するための冷却ファンやヒーターなど、さまざまな道具が必要です。製品によって消費電力も違えば、電気代も変わります。月々どれくらいの維持費がかかるのかを知りたいときは、まず電気代を計算してみましょう。製品ごとの消費電力は、製品の説明書やパッケージ、メーカーの公式ホームページなどで確認できます。
< 電気代の計算方法 >
「消費電力(W)÷1000×使用時間(h)×1kWhあたりの電気料金(円/kWh)」
ただし、1kWhあたりの電気料金は契約している電力会社や電力プラン、電気使用量によって変わります。自宅の電力プランや電力量が分かる場合は、それらの情報をもとに計算したほうが、より正確な電気代を割り出せるでしょう。不明な場合は全国家庭電気製品公正取引協議会の電力料金目安単価である27円/kWhを当てはめれば、おおよその電気代が分かります。
水槽の維持に必要な電気代はどれくらい?
アクアリウムを始めるのであれば、初期費用だけでなく、維持費も視野に入れなければいけません。外部フィルターなど、1日中つけっぱなしにしなければいけない道具もあります。照明は6~10時間ほど点灯しなければいけません。エアレーションは不要な場合もありますが、魚だけでなく、ろ過バクテリアや水草の状態を維持するためにも、用意しておいたほうが安心です。クーラーや冷却ファンは夏季、ヒーターは冬期に、それぞれ必要になります。水温が変化すると、水槽内の溶存酸素量にも影響が出るので気を付けましょう。
いずれの機器も電気を使うため、毎月維持費が発生します。たとえば、外部フィルターの消費電力を5Wとすると、1日あたりの電気代は5÷1000×24×27=3.24円です。1カ月あたりおよそ97.2円という計算になります。 照明の電気代は、一例として18Wの蛍光管4本として計算してみましょう。1日あたりの点灯時間を8時間とすると、1日の電気代は18×4÷1000×8×27=約15.6円、1カ月でおよそ466.6円です。LEDならさらに電気代を抑えられます。1本あたり15WのLED照明を4本使った場合、1日の電気代は15×4÷1000×8×27=約13円、1カ月で約390円です。
エアレーションは消費電力が1~3W程度の製品が多く、1日中つけっぱなしにしておく必要があります。たとえば、消費電力が3Wのエアレーションなら3÷1000×24×27=約1.9円、1カ月で約58円です。冷却ファンは水温が高いときだけ使えば良いので、夏季に1日12時間使うとします。冷却ファンの消費電力を4Wとすると、1日の電気代は4÷1000×12×27=約1.3円、1カ月で約39円です。ヒーターも同じく、水温が低い時間帯のみ使用すると仮定します。ヒーターの消費電力が150W、使用時間が12時間とすると、1日の電気代が4÷1000×12×27=48.6円、1カ月で1,458円です。
今すぐできる!水槽の電気代を節約する方法
水槽周りの電気代は、工夫次第で節約できます。特に照明やヒーターは消費電力が多い分、電気代を大幅に減らす効果が望めるでしょう。簡単に実践できる方法として、水槽をリビングなどの温度変化が少ない場所に置くというものがあります。リビングのように家族が集まる空間では、冷房や暖房がついている時間が長く、温度はほとんど変わりません。玄関などの温度変化が激しい場所に水槽を置いておくと、冷却ファンやヒーターにかかる電気代が高くなってしまいます。ペットや子どものいたずらが心配な場合は、できるだけ高い場所に水槽を置きましょう。
また、断熱材や発泡スチロールで保温するのも効果的です。ヒーターには水温センサーが備わっているため、水温が下がると自動的にスイッチが入り、水温が上がれば消えます。水槽を保温することでヒーターの稼働が少なくなり、電気代を節約できるのです。特に、寒冷地はヒーターの電気代だけで2000~3000円ほどかかる場合もあるので、実践する価値はあるでしょう。なお、照明は熱帯魚や海水魚には必需品ですが、淡水魚には絶対に必要というわけではありません。照明が必要ない種類の魚なら、照明をなくしても良いでしょう。照明がなくても、明るい色の砂を敷いたり蛍光色の草を置いたりすれば、水槽の中が明るく見えます。
さらに節約したいなら!電力会社の変更も効果的
節約対策をしたうえで、さらに電気代を節約したいという人もいれば、逆に電気代を気にせず自由にアクアリウムを楽しみたい人もいるでしょう。電気代を抑えるには、電力会社を変更するという方法もあります。2016年4月以前は、地域で決められた電力会社としか契約ができませんでした。しかし、2016年4月から電力自由化が導入され、一般家庭でも自由に電力会社を変更できるようになったのです。従来までの電力会社だけでなく、新たな電力会社も次々に参入しています。たとえ電力会社を変更しても、停電が起きたり災害時になかなか復旧しなかったりといった心配はありません。電力会社を見直すことで、年間の電気代が1万円以上安くなるケースもあります。一括見積もりサイトなどを利用し今と電気を今と変わらない使い方でどれだけ電気代が安くなるか比較してみましょう。
この記事のまとめ
電気代を節約しながらアクアリウムを楽しもう
- アクアリウムの導入には初期費用と維持費が必要
- アクアリウムの電気代ランニングコストは、1か月の平均で約2,000円
- アクアリウムを家族の集まる空間に置くことで電気代の節約が可能に
アクアリウムを維持するには、大変なコストがかかります。特に、極端に暑くなったり寒くなったりする時期は、電気代が大幅に上がることも覚悟しなければいけません。無理なくアクアリウムを楽しむためにも、節約対策と電力会社の変更を検討してみましょう。