電力の自由化によって電力会社の変更が可能になりました。しかし、興味はあっても具体的な方法が分からない場合もあるでしょう。そこで今回は、変更の申し込みから新しい電力会社による供給開始までの流れについて紹介します。
目次
電力会社の変更に必要な情報は?
まず電力会社の変更に必要な情報について紹介します。電力会社の変更には、現在契約中の電力会社名や契約者氏名といった基本的な内容と、電力会社の「お客様番号」や「供給地点特定番号」の普段あまり気にしない情報が必要です。
お客さま番号は、電力会社が顧客の情報を管理するための番号であり、問い合わせの際などに尋ねられた経験がある人もいるのではないでしょうか。供給地点特定番号は、電気の使用場所を特定するために使用場所単位に割り振られている番号のことです。
多くの人はお客さま番号や供給地点特定番号に馴染みがないかもしれません。しかし、とても簡単な方法で調べられるので心配しなくても大丈夫です。毎月届けられる「電気ご使用量のお知らせ」などと書かれた検針票に記載されています。紙の検針票ではなくインターネットで使用量を確認するシステムに切り替えている世帯もあるでしょう。その場合は、専用のWebページにそれらの情報が記載されているのでチェックしてください。
変更の申し込み!解約の手続きは必要?
変更に必要な情報をそろえたら、次は変更したい電力会社に申し込みをします。ほとんどの電力会社はインターネット上で手続きをすることが可能です。
また、現在契約中の電力会社とは解約することになりますが、自分で手続きをする必要はありません。なぜなら、新しい電力会社が代わりに行ってくれるからです。したがって、基本的には新しい電力会社を探して申し込むだけで大丈夫なのです。
※引っ越しと同時に電力会社を切り替える場合、元の住まいの電力会社の解約はご自身で行う必要があります。
電力会社を一つひとつチェックするのが面倒なら、比較サイトを利用するという方法があります。いろいろな電力会社の料金を比べられますし、現状からどれぐらい安くなるのかを確認するシミュレーションなども可能です。見つけた電力会社に比較サイトから直接申し込めたり、キャッシュバックやギフト券のプレゼントがあったりする場合もあります。こうした比較サイトは便利なので電力会社を変更するときは、積極的に活用するのが得策です。
電力メーターの交換!スマートメーターの設置
電力会社を変更するにあたり、住まいに設置されている電力メーターの交換が必要になる場合があります。電力メーターがアナログ方式であれば、スマートメーターに交換しなければなりません。スマートメーターとは通信機能を持っている新方式の電力メーターです。従来の電力メーターとは異なり、電力会社が遠隔で検診したり30分ごとの使用量を計測したりできます。
交換の手配は自分で行う必要はなく、地域の電力会社(の送配電部門)が行ってくれます。なぜここで、地域の電力会社が出てくるかというと、家庭に電気を届ける送配電は変わらず地域の電力会社が独占して行うことになっているからです。電線などのインフラが別々の電力会社に分かれていると非効率なため、地域独占が続けられることとなっています。電力メーターもインフラの一つとして、地域の電力会社の送配電部門の所有物です。
スマートメーターへの交換は特殊な環境である場合を除き、原則無料です。電力会社の変更を申し込むと、工事を実施する予定日を連絡してくるので、都合が悪ければ相談して調整しましょう。作業時に停電を伴う場合もあるので、電気を使用している機器がある場合は注意する必要があります。
後は待つだけ?基本的に何もしなくてOK!
変更の申し込みを済ませて、スマートメーターの設置も終わったら、基本的には電力会社が切り替わるのを待つだけです。それまでに、郵送やメールなどで供給開始日や約款が書かれた資料が届きますし、内容を確認するための連絡がくる場合もあります。しかし、基本的には自分から連絡をしたり、特別な作業をしたりすることはありません。普段通り過ごしていれば契約内容に疑問点がある場合などに限り、自分から電力会社にアプローチすることになるでしょう。
流れを理解してメリットの大きな電力会社に変更しよう
初めて電力会社を変更するときは、ハードルが高そうだと感じていた人も多いのではないでしょうか。電力会社を変更することで電気代を節約できる可能性があるのに、自分には難しいと決めつけて尻込みするのは勿体ないですね。実際に流れを理解すると、意外と必要な作業は少なくて、あまり負担にならないことが分かるでしょう。
ただし、いくら簡単に変更できるからといって、やみくもに実行するのは良くありません。住まいの形態やライフスタイルなどによって、最適な電力会社やプランなどは異なるからです。比較サイトをうまく活用したりして、自分にとってメリットが大きいと感じられる電力会社やプランを選ぶことが大切です。