一つの住宅に二つの世帯が住む二世帯住宅ですが、電気代の支払いは合算になるのでしょうか、それとも別々に支払うことになるのでしょうか。
電気料金は基本的には2世帯分が合算して請求されます。その後、それぞれの世帯で料金を折半するのか、どちらか片方の世帯が全額を負担するのかは世帯間で相談して決める必要があります。
ただし、各世帯の間が固定的な障壁や扉で明確に区分されていて、屋内配線がそれぞれ分離している場合は、世帯ごとに電気メーターを設置することが可能です。
この場合、一つのメーターを使って後で折半する方法と別々のメーターを設置する方法のどちらが良いのでしょうか。
目次
メーターを一つにすることのメリット
1.基本料金を二重に払わなくてよい
一つにすることのメリットというより、二つに分けることのデメリットの裏返しなのですが、基本料金を二重に支払わずにすみます。
基本料金は契約アンペア数にもよりますが、毎月数百円~千数百円なので二重の支払いが積み重なると結構大きな額となります。
2.もうひと世帯の生活の状態を推測できる
二世帯住宅に住む場合のほとんどはひと世帯が親でもうひと世帯が子供だと思いますが、その場合、電気の使用量から「暑いのにエアコンを我慢していたんじゃない?」など、もうひと世帯の生活の状態を推測することができます。
メーターを二つに分けるメリット
1.気兼ねすることなく電気を使用できる
メーターが二つに分かれていればそれぞれの世帯にそれぞれの使用した分だけの請求がなされます。片方の世帯が使用量が少なく、もう片方が多い場合の不公平感の解消につながります。
2.電気代の合計額を下げられる可能性がある。
メーターが一つのとき電気使用量が500kWhである二世帯について、それぞれの世帯の電気の使用量が280kWhと220kWhであったとします。
このとき、メーターが一つであれば電気使用量に応じて支払う電力量料金は13,026円なのに対して、メーターが二つの場合の電力量料金の合計額は11,444円となります。
(東京電力エナジーパートナーの従量電灯Bの料金単価より計算、燃料費調整額や再エネ賦課金、口座振替割引などは含まない。)
差額は1,582円ありますので、50Aまでの契約であれば基本料金を二重に支払っても電気料金が安くなります。(東京電力エナジーパートナー従量電灯Bの場合)
これは、300kWh以上の高い料金単価の使用量を減らすことができたことによります。
また、メーターを二つに分けることで契約アンペアをそれぞれの適切な値まで下げることができるので、基本料金の二重支払額も減らすことができます。
メーターを分けるのに必要な金額
状況にもよりますが設備費と工事費を合わせて10万円から20万円程の料金が必要になります。月の電気使用量から節約額を計算してみたり、メーターが一つであることに対して不満が生じるかなどを相談してみたりして、メーターを分けるか否かを決めてください。