福岡や熊本、長崎などの九州地区に住んでいる人は、都市ガスの供給会社として西部ガスを認識している人も多いでしょう。そんな西部ガスは、都市ガスだけでなく電気事業も運営しています。西部ガスの電気プランにはどんなものがあるのか、気になっている人もいるのではないでしょうか。そこで今回は、西部ガスの事業内容や提供している電気プランについて詳しく解説します。
目次
西部ガスってどんな会社?
西部ガスは福岡県福岡市に本社を構える都市ガス会社です。東京ガスや大阪ガス、東邦ガスとともに大手都市ガス4社のひとつと呼ばれています。主な事業内容は都市ガスの製造、供給、販売のほか、液化ガスの販売や冷熱利用に関する事業、ガス機械器具の製作、販売、設置などです。西部ガスは福岡県、熊本県、長崎県の16市15町を営業エリアとしており、約111万戸にガスを提供しています。
その後、2016年に電気事業自由化に伴い小売電気事業者として電気事業への参入を開始しました。電気は新電力のほか、卸電力取引所から調達しています。電機の供給エリアは福岡市や北九州市など福岡県の北部と、熊本市など熊本県の一部、長崎市や佐世保市など長崎県の一部です。
また、西部ガスはグループ会社でLPガスの販売も行っています。LPガスの販売は西部ガスエネルギー会社で行っており、西部ガスの電気とLPガスのセット契約も行う事ができます。西部ガスグループはガスと電気を供給することで私たちの快適な暮らし作りの手伝いを行いながら地域社会とともに発展していくことを目指しています。
西部ガスの電気プランは九州電力よりも安い!
西部ガスの電気プランは大きく分けて4つあります。都市ガスとして西部ガスと契約していない人でも、電気は西部ガスと契約したい、という人もいるかもしれません。そのような人でも、西部ガス電気事業の営業エリア内に住んでいる人であれば電気だけの契約が可能です。そうした西部ガスとガスの契約をしていない人に向けたプランはシングルプラン1とシングルプラン2です。
シングルプラン1は九州電力の従量電灯Bに相当します。電気使用量がそれほど多くない一般家庭向けのプランです。契約電流は10アンペア(A)から60アンペア(A)まであります。30アンペア(A)で契約した場合には年間で約800円、60アンペアで契約した場合には年間で約1,600円、九州電力より基本料金が安くなります。今より少しでも光熱費を抑えたい、という人は検討してみましょう。また、一般よりも多く電気を使用するような大家族や事業者向けのプランである九州電力従量電灯Cに相当するのがシングルプラン2です。例えば、西部ガスのシングルプラン2で10kVAで契約した場合、九州電力の従量電灯Cプランよりも年間で基本料金が約2,600円安くなります。これらシングルプランの契約は支払い方法がクレジットカードのみなので注意が必要です。
シングルプラン1
●西部ガスの「シングルプラン1」と九州電力「従量電灯B」の比較
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | |
---|---|---|---|---|
シングルプラン1 | 従量電灯B | |||
基本料金 | 10A | 1契約 | 295.37円 | 297.00円 |
15A | 443.06円 | 445.50円 | ||
20A | 590.74円 | 594.00円 | ||
30A | 825.00円 | 891.00円 | ||
40A | 1,100.00円 | 1,188.00円 | ||
50A | 1,375.00円 | 1,485.00円 | ||
60A | 1,650.00円 | 1,782.00円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 17.40円 | 17.46円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 23.00円 | 23.06円 | ||
300kWh超過分 | 25.99円 | 26.06円 |
シングルプラン2
●西部ガスの「シングルプラン2」と九州電力「従量電灯C」の比較
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | |
---|---|---|---|---|
シングルプラン2 | 従量電灯C | |||
基本料金 | 6kVA | 1契約 | 1,650.00円 | ー |
6kVA超過分 | 1kVA | 275.00円 | ー | |
1kVA | ー | 297.00円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 17.40円 | 17.46円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 23.00円 | 23.06円 | ||
300kWh超過分 | 25.99円 | 26.06円 |
九州電力の従量電灯Bや従量電灯Cと比較をすると基本料金、電力量料金共に西部ガスの電気の方が安く設定されていることが分かります。
電気とガスをセットにすればさらにお得なプランがある!
西部ガスの電気プランには、すでに西部ガスと契約している人向けのさらにお得なプランが用意されています。シングルプラン1に相当する一般的な使用量の人は、プラスでんきプラン1に契約するとよいでしょう。プラスでんきプラン1は10アンペア(A)から60アンペア(A)まで契約電流が用意されており、10A~20アンペア(A)の基本料金はシングルプラン1と変わりません。30アンペア(A)~60アンペア(A)はシングルプランの基本料金より安く設定されており、30アンペア(A)では、九州電力の従量電灯Bに比べ年間約1,500円、60アンペア(A)で契約した場合には年間約6,100円安くなります。また、電力量料金の価格もシングルプラン1と1段階目と2段階目は変わりませんが、300kWh超過分が安く設定されているため電気を多く使うとお得になる設定になっています。一方、電気使用量が多いシングルプラン2に相当する人には、プラスでんきプラン2がおすすめです。こちらも、シングルプラン2より基本料金単価が安く設定されているため、10kVAで契約している場合、年間で九州電力よりも約10,200円安くなります。ただし、電力量料金は、シングルプラン2と同じ設定です。
モデルケース(電気:40A400kWh、ガス:30㎥使用の場合)
電気代 | 基本料金:40A | 957.41円/月 |
---|---|---|
電力量料金 | 8717.0円/月 | |
ガス代 | 基本料金:15㎥を超え30㎥まで | 1,133.0円/月 |
従量料金 | 6963.0円/月 | |
1カ月の電気代とガス代 | 17,770円/月 | |
1年間の電気代とガス代 | 213,240円/年 |
※計算を簡易にするために年間で使用量に変動はないとしています。
※電気代には、燃料費調整額は含まれていません。
※電気代には、再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※ガス代には、原料費調整額は含まれていません。
※電気代、ガス代の合計額は円未満切り捨てで請求となります。
プラスでんきプラン1やプラスでんきプラン2を契約する場合には、すでにガス料金支払いの際に登録している振替口座やクレジットカードをそのまま利用できます。電気契約のために新たに登録する必要はありません。もしもガス料金を払込票で支払っているのであれば、電気料金も払込票で支払うことが可能です。今現在支払っている電気代やガス代と比較し、西部ガスの電気とガスのセットに切り替えるとお得になるか確認してみるとよいでしょう。
ポイントサービスやマイガスページを活用しよう!
西部ガスにはほかにもお得なサービスが多いのが特徴です。たとえば、プラスでんきプラン1やプラスでんきプラン2に契約している人は、電気料金の支払額200円ごとに1ポイントが付与されるポイントサービスがあります。このポイントはTポイントやPontaポイント、楽天ポイントといった西部ガスが提携している6つのポイントサービスで貯めることができるのです。既に貯めているポイントがある人は、提携しているポイントかどうかをチェックしてみましょう。さらに、プラスでんきプラン1やプラスでんきプラン2に契約している人は、西部ガスリビングメイトで2,000円以上の家庭用ガス機器修理を依頼すると1,000ポイントが還元される、というサービスもあります。
また、西部ガスでは会員制Webサイト「マイガスページ」を運営しています。このページはパソコンとスマホのどちらからでも閲覧でき、電気やガスの使用量のほか、ポイント残高などをチェックできるというものです。そのほかにも、「たべごころ」という料理レシピの紹介コラムやガス機器に関するお得な情報、省エネ鑑定といったコンテンツなども用意されています。
この記事のまとめ
都市ガスの供給を主な事業内容とする西部ガスでは、ガスと電気の両方を契約することでよりお得になるプランが用意されています。西部ガスは大手都市ガス4社のひとつなため九州エリアで西部ガスを利用している人も多いのではないでしょうか。そんな九州エリアで知名度のある西部ガスは、ガスと電気を供給することで私たちの快適な暮らし作りのために地域に根付き活動している会社です。
- 西部ガスの電気プランであるシンプルプラン1、2は、九州電力の従量電灯B、Cに相当し西部ガスとガスの契約がなくても申込が可能
- 西部ガスの都市ガス利用者は電気とガスのセットにすることで電気代をより安く利用できる。
- 西部ガスの電気を利用すると電気の支払い金額でポイントを貯める事ができ、提携しているポイントと交換することができる。
現在貯めているポイントがある人は、西部ガスで電気料金を支払うことでそのポイントが貯まるかもしれないので確認してみましょう。すでにガスを西部ガスと契約しているという人や電気代をポイントに還元したいという人は、この際に九州電力からの乗換えを検討してみてはいかがでしょうか。また、電気代を安くしたいと考えている人は自分の住むエリアで電気の販売を行っている電力会社の電気プランを確認してみるとよいです。今より安い電気プランの会社が見つかるかもしれません。電力自由化以降、たくさんの新電力会社が電気の販売を行っています。電力会社の比較は、一括比較サイトなどを利用すると便利ですので利用してみてはいかがでしょか。