四国電力は四国4県のほぼ全域を営業区域にしている他、関東や関西などでも電力を販売しています。そのため、利用を検討している人も少なくないはずです。そこで気になるのが、どのような電気プランがあるのかという点です。実は四国電力には家庭向けのお得な電力プランがいくつも存在します。実際に四国電力の利用を検討している人のために、それらがどのようなものかについて解説をしていきます。
四国電力の基本の電気プラン
従量電灯Aと従量電灯Bという2種類が四国電力の基本的な電気プランです。その内、従量電灯Aは最大需要容量が6kVA未満の場合が対象となります。ちなみに、最大需要容量とは同時に使用する電気の最大容量がいくらになるかを示した数値です。一般の家庭の場合は6kVAもあれば十分であるため、電力小売完全自由化前は、ほとんどの一般家庭では従量電灯Aのプランを選択しています。従量電灯Aの電気料金は最初の11kWhまで411円40銭で、これが最低料金となります。それ以降の料金設定は電気使用量によって3段階に分かれ、11kWhを超えて120kWhまでが1kWhにつき20円37銭、120kWhを超えて300kWhまでが26円99銭、300kWh以降は30円50銭です。
【四国電力 従量電灯A】
区分 | 単位 | 料金単価(消費税10%込) | |
---|---|---|---|
最低料金 | 最初の11kWhまで | 1契約 | 411.40円 |
電力量料金 | 11kWhを超え120kWhまで | 1kWh | 20.37円 |
120kWhを超え300kWhまで | 26.99円 | ||
300kWh超過分 | 30.50円 |
一方、従量電灯Bは契約容量が6kVA以上で、かつ原則として50kVA未満の場合が対象となっています。店舗や事務所などのように、電気機器を大量に使用するところに適したプランです。基本料金は契約容量1kVAにつき374円00銭で、そこに、「120kWhまでが1kWhにつき16円97銭、120kWhをこえて300kWhまでが22円50銭、300kWh以降は25円42銭」という電気量料金が加算されます。ただし、電気を全く使用しなかった場合はその月の基本料金は従来の半額です。
【四国電力 従量電灯B】
区分 | 単位 | 料金単価(消費税10%込) | |
---|---|---|---|
基本料金 | 1kVA | 374.00円 | |
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 16.97円 |
120kWhを超え300kWhまで | 22.50円 | ||
300kWh超過分 | 25.42円 |
それから、これはどちらの料金プランにも当てはまることですが、実際に電気料金を請求される際には燃料費調整額が減加算され、「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が追加されることになります。
四国電力の家庭向け電気プラン
特定の料金プランがお得かどうかは利用する人のライフスタイルなどによっても変わってきます。その点、四国電力にはさまざまな家庭向け電気プランがあるので、各自の都合に合わせて選択することが可能です。
たとえば、「おトクeプラン」は、料金設定が11~120kWh、121~300kWh、300kWh超過の3段階に分かれているのは従量電灯Aと同じですが、300kWh以降は1kWhにつき28円30銭となっています。つまり、300kWhを超えると、従量電灯Aの場合は30円50銭なので「30.50-28.30=2.20」となり、1kWhにつき2.20円お得になるわけです。従量電灯Aの契約の人で300kWh超過の電力使用量が多い人は「おトクeプラン」に切り替えると電気代を安くできるでしょう。
区分 | 単位 | 料金単価(消費税10%込) | ||
---|---|---|---|---|
従量電灯A | おトクeプラン | |||
最低料金 | 最初の11kWhまで | 1契約 | 411.40円 | 411.40円 |
電力量料金 | 11kWhを超え120kWhまで | 1kWh | 20.37円 | 20.37円 |
120kWhを超え300kWhまで | 26.99円 | 26.99円 | ||
300kWh超過分 | 30.50円 | 28.30円 |
次に、再生エネルギーに興味がある人におすすめなのが「再エネプレミアムプラン」です。このプランを選択すると、四国電力が保有する再エネ発電所で発電された電気のみが供給されることになります。水力発電所などで発電された電気はその過程で排出されるCO2量がゼロであり、環境に良いのが魅力です。電気料金が通常よりも割高なのが難点ですが、家庭で使う電気のCO2排出量をゼロにする事ができます。また、抽選で水力発電所見学会に参加できるなどの特典がついています。
区分 | 単位 | 料金単価(消費税10%込) | ||
---|---|---|---|---|
従量電灯A | 再エネプレミアムプラン | |||
最低料金 | 最初の11kWhまで | 1契約 | 411.40円 | 822.80円 |
電力量料金 | 11kWhを超え120kWhまで | 1kWh | 20.37円 | 22.57円 |
120kWhを超え300kWhまで | 26.99円 | 29.19円 | ||
300kWh超過分 | 30.50円 | 32.70円 |
また、「でんかeプラン」は電化住宅向けのプランです。このプランは料金単価を曜日や時間帯ごとに分けて設定している点に特徴があります。具体的には平日の昼間(9時~23時)は1kWhあたり32.49円(70kWh超過分)となりますが、夜間や休日には21.64円/1kWh(240kWh超過分)となるといった具合です。基本料金は、8,637.04円の料金単価で設定されていますが、上手に電気を使えば、お得に利用できるでしょう。さらに、電化設備のある集合住宅に住んでいる場合は「でんかeマンションプラン」という選択肢があります。平日の昼間は1kWhあたり34.97円と割高になる代わりに、夜間と休日は20.09円となり、かなりお得です。基本料金も1契約につき、最初の10kWまで1,344.44円となっています。どちらもIH割引やエコキュート割引など割引制度もあり電化住宅におすすめのプランです。
区分 | 料金単価(消費税10%込) | |||
---|---|---|---|---|
でんかeプラン※1 |
でんかeマンションプラン | |||
基本料金(1) | 1契約につき最初の10kWまで | 8,637.04円 | 1,344.44円 | |
上記を超える1kWにつき | 562.22円 | 415.56円 | ||
電力量料金 (2) |
平日昼間 | 1kWhにつき | 32.49円 | 34.97円 |
夜間・休日 | 1kWhにつき | 21.64円 | 20.09円 | |
IH割引額 | 割引対象額{(1)+(2)}×5% | |||
エコキュート割引額 | 割引対象額{(1)+(2)}×5% | |||
でんか割引額※2 | 割引対象額{(1)+(2)}×10% |
※1「でんかeプラン」の基本料金には平日昼間の最初の70kWhまでと夜間・休日の最初の240kWhまでの電力量料金が含まれています。
※2「でんか割」は「IH割」と「エコキュート割」の両方の適用条件を満たした場合に適用となります。
四国電力の家庭向け電気プランに適用できる割引制度
電気プランの選択に加えて、割引制度を利用すれば電気料金はさらにお得になります。ちなみに、四国電力の場合、主な割引制度としては「ありがとう割引」と「ファミリe割引」の2つがあります。この内、ありがとう割引は年に1回1,056円引きになるというものです。これを利用するのに特別な申込などは不要ですが、割引が適用されるには継続して契約する必要があります。
一方、ファミリe割引は同一の銀行口座またはクレジットカードで支払っている電気料金について、1契約あたり毎月110円が割り引かれるというものです。割引できる契約数は2~10契約で、申し込んだ翌月から適用されます。
ただし、これらの割引は従量電灯Aや従量電灯Bには適用されないので注意が必要です。あくまでも、おトクeプランや再エネプレミアムプランなどといった電気プランを選択した人を対象にした制度です。
四国電力をお得に利用できるその他のサービス
四国電力の割引制度は「ありがとう割引」と「ファミリe割引」以外にもいろいろありますが、その中でも気軽に利用できるのが「料金連動ポイント」です。電気料金を200円支払うごとに1ポイントが貯まるというもので、四国電力のサービス「よんでんコンシェルジュ」に契約情報や誕生月、あるいは「お知らせメール」を登録することでポイントが加算されていきます。なお、貯まったポイントは四国各地の名産品や他のポイントと交換することができるのがうれしいところです。
また、太陽光発電を導入している家庭の場合は「ためトクサービス」があります。これは太陽光発電の余剰電力を四国電力が買取り、その分の金額が電気料金から割引されるといった制度です。
さらに、電気料金を時間帯ごとに設定した時間帯別eプランを選択すると昼間の電気料金は若干割高ではあるものの、夜間の電気料金がお得になります。ちなみに、このプランは引越し先の供給設備をそのまま使用する人が対象です。
四国電力では四国エリア以外でも電気の販売エリアを拡大しており、東京エリアや関西エリアには専用の電気プランも用意されています。たとえば、東京エリアなら毎月の使用量が100kWh以上200kWh未満の顧客にはパールプラン、200kWh以上300kWh未満の場合はブループラン、他にも電気使用量に合わせてオリーブプランやオレンジプランなどが選べるといった具合です。定額の料金設定となっており、当月の電気使用量がプランごとの定額料金に相当する電力量を下回った場合は、使い残した分の定額料金を翌月の電気料金から割り引かれる「くりこし割」があるところが特徴です。
この記事のまとめ
2016年の電力小売全面自由化以降、四国電力でも新しいプランを出しています。新しい電気プランに切り替えることでこれまでより電気料金を安くできる可能性があります。四国エリアで電気代の見直しを行った事がない人は新しい電気プランをチェックしてみましょう。
- おトクeプランは従量電灯Aより3段階目の料金単価が2.2円安い
- でんかeプランは電化住宅向けのプランで割引制度も充実している
- 四国電力は東京エリアと関西エリアで定額プランを販売している
四国電力は家庭向けのお得なプランが数多くあります。しかも、東京エリアや関西エリア向けの電気プランも揃っているため、四国以外に住んでいる人でも四国電力をお得に利用することができます。どのぐらいお得になるかを知りたい場合はインズウェブから一括比較サイトを利用するのが便利です。一括で複数の電気料金の比較ができるので、どれが一番安くなるかが一目瞭然です。まずは、それぞれの電気プランを比較検討し、電気代を安く抑えるようにしていきましょう。