2016年には電力の自由化が、2017年にはガスの自由化が始まりました。自由化のおかけで、ひとつの企業が電気とガスの両方を販売できるようになったのです。そのため、電気とガスのセットプランは、東京電力や東京ガスでも販売されています。そこで、ここでは、電気とガスをセットで契約するなら、東京電力と東京ガスのどちらがお得なのかを紹介しています。
目次
ガスを東京電力にするとどのくらいお得になるか
東京電力が提供しているガスプランには、とくとくガスプラン・とくとくガス床暖プラン・とくとくガスAPプランの3種類があります。電気プランとセットで申し込むのが一番お得ですが、ガスプランだけ契約することもできます。ガス代は、基本料金に従量料金を合算した金額です。原料価格の上昇や下降に合わせて、原料費調整額が加算もしくは差し引かれます。とくとくガスプラン・とくとくガス床暖プランについては、ガス代に5%割引が適用されるスタート割が、1年間適用されるのでお得です。さらに、とくとくガスプランは東京ガスの一般料金プランに比べて、約3%も安くなっています。そのため、とくとくガスプランを選ぶと、12カ月分のガス代が合わせて約8%も割引となります。
他には、Amazonプライム会員がお得になる、とくとくガスAPプランも注目したいところです。PrimeVideoやPrimeMusicなどが楽しめるAmazonプライムが、契約期間中ずっと無料で楽しめます。Amazonプライム会員は年会費が4,900円なので、継続利用を考えている人はお得だといえるでしょう。入会特典として、Amazonギフト券3,000円プレゼントと、ガス機器が自然故障したときの修理サービスが無料でついてきます。ただし、とくとくガスAPプランは、スタート割が適用にならないため、Amazonプライムの利用頻度が低いと損をしてしまう可能性があります。
※東京電力エナジーパートナーで電気とガスのセットの契約は、従来の電気プラン「従量電灯B」や「従量電灯C」は対象外です。従量電灯Bに相当する新しいプランは、東京電力エナジーパートナーの「スタンダードS」プランになります。
東京電力のガスプランの特徴
- スタート割:ガス代が5%割引となる(1年間)※とくとくガスAPプランを除く
- ガス代:東京ガスの一般料金より3%安い ※とくとくガスプランの場合
- ガスセット割:電気代が月額102円(税込)の割引
- Amazonプライムが1年間無料 ※とくとくガスAPプランの場合
東京電力の電気代とガス代
電気代『スタンダードS』
※東京電力EPの従量電灯Bの基本料金は、スタンダードSと変わりません。電力量料金は、120kWh~300kWhの単価が異なり、スタンダードSの方が従量電灯Bより0.02円安い設定です。
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価 (10%税込) |
---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 286.00円 |
15A | 429.00円 | ||
20A | 572.00円 | ||
30A | 858.00円 | ||
40A | 1,144.00円 | ||
50A | 1,430.00円 | ||
60A | 1,716.00円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.88円 |
121kWh~300kWhまで | 26.46円 | ||
300kWh超過分 | 30.57円 |
ガス代『とくとくガスプラン』
1カ月のガス使用量 | 基本料金 | 従量料金 (10%税込) |
---|---|---|
0㎥~20㎥まで | 736.23円 | 140.94円 |
20㎥~80㎥まで | 1,024.32円 | 126.54円 |
80㎥~200㎥まで | 1,195.04円 | 124.40円 |
200㎥~500㎥まで | 1,835.24円 | 121.20円 |
500㎥~800㎥まで | 6,103.24円 | 112.67円 |
800㎥を超える場合 | 12,078.44円 | 105.20円 |
電気とガスを利用すると
1人暮らしで、年間の電気使用量が3000kWh(契約容量20A)、ガス使用量が240㎥だとします。この使用量では、東京電力の「スタンダードS+とくとくガスAPプラン」がお勧めのプランです。なぜなら、ガスの申し込みでAmazonプライムがついてきて、Amazonギフト券3,000円がもらえるからです。電気代はガスセット割で1,224円割引となり、さらに、Amazonプライムに加入しているとなると東京電力の方が東京ガスより6,000円ほどお得に利用できます。電気代は年額7万5,540円、ガス代は年額4万7,640円で、東京電力で電気とガスのセット契約をし、ガスプランをとくとくガスAPプランにするとAmazonプライムもついてくるので別々に契約するよりもお得を感じられるでしょう。
次に、3~4人の家族暮らしのケースで、年間の電気使用量が4800kWh(契約容量40A)、ガス使用量が480㎥の場合を試算してみます。このケースでは、「プレミアムS(2年契約)+とくとくガスプラン」がお得なお勧めの組み合わせとなります。プレミアムSではセット割で年間1,224円引きで、年額13万4,964円です。ガス代については、スタート割で年間3,660円も安くなるので、年額6万9,360円の支払いで済みます。
1人暮らし(電気:250kWh20A、ガス:20㎥)/月)使用の場合
- 電気プラン:スタンダードS(20A)
- ガスセット割:電気料金から102円 / 月
- ガスプラン:とくとくガスAPプラン
- Amazonプライム無料
- とくとくガス特典:Amazonギフト券(3,000円分)
- Webからの電気プラン、ガスプランの申し込みで500ポイント
3~4人家族(電気:400kWh40A、ガス:40㎥ / 月)使用の場合
- 電気プラン:プレミアムS(40A)
- ガスセット割:電気料金から102円 / 月
- ガスプラン:とくとくガスプラン
- スタート割:ガスの基本料金と従量料金の合計額の5%
- Webからの電気プラン、ガスプランの申し込みで500ポイント
1人暮らし | 3~4人家族 | ||
---|---|---|---|
電気代 | 基本料金 | 572円 | 1,144円 |
電力量料金 | 5,825.40円 | 10,205.40円 | |
ガスセット割 | - | -102円 | -102円 |
ガス代 | 基本料金 | 1,143.23円 | 1,024.32円 |
従量料金 | 2,827.60円 | 5,061.60円 | |
スタート割(5%) | - | - | -305円 |
電気+ガス代/月 | - | 10,265円 | 17,027円 |
電気+ガス代/1年 | - | 123,180円 | 204,324円 |
Amazonプライム | - | -4,900円 | - |
※計算を簡易にするために年間で使用量に変動はないとしています。
※電気代の燃料費調整額及び再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※ガス代の原料費調整額は含まれていません。
※電気料金、ガス料金の合計額は円未満切り捨てで請求となります。
くらしTEPCOポイントが貯まる
東京電力では、電気料金の支払に応じて、くらしTEPCOポイントを付与しています。使用料金1,000円ごとに5ポイントが貯まります。貯まったポイントは、Tポイント・dポイント・nanacoポイント・Pontaポイント・WAONポイントのいずれかに交換が可能です。別サービスのポイントに交換せずに、電気料金に充当することもできます。ガス代に対してはポイントはつきませんが、電気代の支払いでポイントが貯まると嬉しいですよね。
電気を東京ガスにするとどのくらいお得?
東京ガスの電気供給エリアは、関東エリア・山梨県・静岡県の一部です。ガス提供エリアには山梨県や静岡県は入っていません。東京ガスの電気プランは一般家庭向けプランに「ずっとも電気1S」「すっとも電気1」「ずっとも電気2」がありましたが、2021年5月17日より「基本プラン」に統一されており、ずっとも電気は新規の申込みを終了しています。
これから東京ガスの新プラン「基本プラン」に申し込もうと考えている人向けに東京電力エナジーパートナーのスタンダードSと比較を行ってみました。基本料金の設定は東京電力EPのスタンダードSと変わりませんが、電力量料金の第1~3段階料金が安く設定されています。それは、「ずっとも電気1S」でも同じでしたので、既にずっとも電気1Sで契約している人は基本プランに変更した方が良いのかどうかという点で確認してみましょう。
東京ガス『基本プラン』と東京電力EP『スタンダードS』の電力量金の比較
電力量料金の120kWhまでの第1段階料金が、東京ガスは1kWhあたり19.78円なのに対し、東京電力は19.88円となっています。さらに、120kWh~300kWhまでの第2段階は1kWhあたり1.17円、300kWhを超えた第3段階では1kWhあたり3.21円も安く使えるのです。
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価 (10%税込) |
差額 | |
---|---|---|---|---|---|
基本プラン | スタンダードS | ||||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.78円 | 19.88円 | -0.10円 |
120kWh~300kWhまで | 25.29円 | 26.46円 | -1.17円 | ||
300kWh超過分 | 27.36円 | 30.57円 | -3.21円 |
東京ガスの電気プラン「基本プラン」の特徴
<基本料金>
- 東京電力エナジーパートナーのスタンダードSと変わらない
<電力量料金>
- 東京電力エナジーパートナーのスタンダードSより1段階目から安く設定されている
- 東京ガスの旧電気プランずっとも電気1Sより安く設定されている
<電気ガスセット割>
- 東京ガスのガスと電気をセットで契約すると、電気需給契約ごとに、毎月の電気料金の基本料金および電力量料金の合計額(税込)から、0.5%を乗じた額が割引(割引額は、小数点以下切り捨て)
東京ガスの電気代とガス代
ガス代『ずっともガス(東京地区)』
1カ月のガス使用量 | 基本料金 | 従量料金 (10%税込) |
---|---|---|
0㎥~10㎥まで | 759.00円 | 160.16円 |
10㎥~80㎥まで | 1,056.00円 | 130.46円 |
80㎥~200㎥まで | 1,232.00円 | 128.26円 |
200㎥~500㎥まで | 1,892.00円 | 124.96円 |
500㎥~800㎥まで | 6,292.00円 | 116.16円 |
800㎥を超える場合 | 12,452.00円 | 108.46円 |
電気代『基本プラン』
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価 (10%税込) |
---|---|---|---|
基本料金 | 10A | 1契約 | 286.00円 |
15A | 429.00円 | ||
20A | 572.00円 | ||
30A | 858.00円 | ||
40A | 1,144.00円 | ||
50A | 1,430.00円 | ||
60A | 1,716.00円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.78円 |
121kWh~300kWhまで | 25.29円 | ||
300kWh超過分 | 27.36円 |
ガスと電気を利用すると
1人暮らしの人が電気の年間使用量が3000kWh(契約容量20A)で、ガスの年間使用料が240㎥の場合、3~4人の家族の場合を、電気の年間使用量が4800kWh、ガスの年間使用量が480㎥として計算します。東京ガスの一般家庭向け電気プランは基本プランに統一されたので、「基本プラン+ずっともガス」のセットで計算します。
1人暮らしのケースでは、東京電力の電気とガスのセットと比較するためにAmazonプライムにも加入するとしましょう。そうすると、Amazonプライムの年会費4,900円プラスになります。基本プランとガスプランを利用の方には、電気代に0.5%乗じた額を毎月割引してくれるので、「基本プラン+ずっともガス」を使っている場合で、年間の電気代とガス代を試算してみます。電気代が年間7万4,424円でガス代は、年間4万3,980円になります。3~4人家族のケースでは、年間12万9,012円、年間のガス代は7万5,288円です。
1人暮らし(電気:250kWh20A、ガス:20㎥)/月)使用の場合
- 電気プラン:基本プラン(20A)
- ガス・電気セット割:電気の基本料金と電力量料金の合計額の0.5%を乗じた額
- ガスプラン:ずっともガス
3~4人家族(電気:400kWh40A、ガス:40㎥ / 月)使用の場合
- 電気プラン:基本プラン(40A)
- ガス・電気セット割:電気の基本料金と電力量料金の合計額の0.5%を乗じた額
- ガスプラン:ずっともガス
1人暮らし | 3~4人家族 | ||
---|---|---|---|
電気代 | 基本料金 | 572円 | 1,144円 |
電力量料金 | 5,661.30円 | 9,661.80円 | |
割引 | - | -31円 | -54円 |
ガス代 | 基本料金 | 1,056円 | 1,056円 |
従量料金 | 2,609.20円 | 5,218.40円 | |
電気+ガス代/月 | - | 9,866円 | 17,025円 |
電気+ガス代/1年 | - | 118,392円 | 204,300円 |
Amazonプライム | - | +4,900円 | - |
※計算を簡易にするために年間で使用量に変動はないとしています。
※電気代の燃料費調整額及び再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※ガス代の原料費調整額は含まれていません。
※電気料金、ガス料金の合計額は円未満切り捨てで請求となります。
電気料金連動ポイントが付与される
東京ガスで電気プランを契約すると、電気料金1,000円ごとにパッチョポイント15ポイントがもらえます。ガスプランも、ガス料金1,000円ごとにパッチョポイント5ポイントが付与されます。Web会員サービスであるmy TOKYOGASに登録していれば、提携ポイントと交換ができます。1パッチョポイントは1ポイントとして、dポイント・Pontaポイント・楽天ポイント・Tポイント・WAONポイント・nanacoポイントなどに変えることが可能です。
ずっともガス | 毎月のガス料金 1,000円(税込)につき5ポイント付与 |
---|---|
ずっとも電気 | 毎月の電気料金 1,000円(税込)につき15ポイント付与 |
既に電気・ガスセット割で契約している人は『ずっとも電気』から『基本プラン』に変更した方がいい?
東京ガスの『ずっとも電気1S』と『基本プラン』の電力量金の比較
ずっとも電気1Sでガス・電気のセット割の適用を受け契約する人は基本プランに移行した方が電力料金単価が基本プランの方が安い設定のためお得に利用できるでしょう。電気・ガスセット割の適用も変わりません。ただし、これまで利用できていた「電気トラブルサポート」のサービスは対象外となるため注意しましょう。
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価 (10%税込) |
差額 | |
---|---|---|---|---|---|
ずっとも電気1S | 基本プラン | ||||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.85円 | 19.78円 | -0.07円 |
120kWh~300kWhまで | 25.35円 | 25.29円 | -0.06円 | ||
300kWh超過分 | 27.48円 | 27.36円 | -0.12円 |
東京ガス『ずっとも電気1』と『基本プラン』の電力量料金の比較
『ずっとも電気1』
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価 (10%税込) |
---|---|---|---|
電力量料金 | 最初の140kWhまで | 1kWh | 23.67円 |
140kWh~350kWhまで | 23.88円 | ||
350kWh超過分 | 26.41円 |
『基本プラン』
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価 (10%税込) |
---|---|---|---|
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.78円 |
120kWh~300kWhまで | 25.29円 | ||
300kWh超過分 | 27.36円 |
ずっとも電気1に契約する人は電気使用量が多い場合、基本プランに変更すると電気代が高くなってしまう可能性があります。ずっとも電気1は新規の募集を終了していますが、既に契約している人は変わらずサービスが継続されるようなので変更には注意しましょう。こちらも「電気トラブルサポート」のサービスは対象外になります。以下の基準を目安にし、変更する際はシミュレーションを行ってから基本プランへの切り替えを行いましょう。
ガス・電気セット割適用の場合(1ヶ月の電気使用量)
■70kWh~279kWh以下:基本プランの方が安い
■280kWh以上:ずっとも電気1の方が安い
東京電力と東京ガスの比較
東京電力と東京ガスを比べ得ると上記2つのモデルケースで東京ガスのガスと電気のセット契約の方が安くなるという事が分かりました。ただし、1人暮らしの場合はAmazonプライムに加入しているケースで計算しているので、Amazonプライムの年間利用料を考えると東京電力の方が安くなります。ただし、あまり金額に差がなく各家庭の電気の使い方や選択するプランでシミュレーションを行った際にはどちらがお得になるか結果が変わってくるでしょう。1人暮らしの場合においても今回は、Amazonプライムがついているプランで比較を行っていますが、Amazonプライムを利用しない人であれば、東京電力の「スタンダードS+とくとくガスプラン」の方がお得になる人もいます。
キャンペーンの時に申し込みを行えば特典をもらえたり、マイページへのアクセスでポイントが付与されたり、細かいサービスがたくさんあります。それらを含めるとどちらがお得に利用できるかは契約する人によって異なるでしょう。東京電力も東京ガスも細かいサービスに注目し、どちらが自分に合っているか確認してみましょう。
この記事のまとめ
電気とガスは生活に欠かせないライフラインであり、毎月支払いが発生する固定費です。電気を販売する電力会社はガスの販売も行い、ガスを販売するガス会社は電気の販売を行い、一緒に契約することでお得に利用できるプランを出している会社が増えています。どの会社に選択するとしてもシミュレーションを行い本当にお得になるのか確認してから変更するようにしましょう。
東京ガスの電気プランは一般家庭向けにこれまで販売されていたずっとも電気から新しく新設した基本プランに統一されています。ただし、既にずっとも電気に契約しており、ガスと電気のセット割引の適用を受けている人はこれからも変わらず利用できるようです。基本プランに変更した方がお得になるかどうかもシミュレーションを行って確認してから変更するようにしましょう。
- 東京電力EP、東京ガスともに電気とガスをまとめるとセット割引が適用される
- 東京電力EPは電気代の支払いでポイントが貯められる
- 東京ガスはガス代、電気代の支払いでポイントが貯まる
現在、電力会社もガス会社も自由に選べるようになっています。電気もガスも生活には欠かせないライフラインです。自分の家庭に合ったプランを探すためにはシミュレーションをして比較を行ってみましょう。電気代の比較には一括比較サイトを利用すると便利です。参考にしてみましょう。