電力自由化が2016年4月よりスタートしたことで、さまざまな企業で電力の販売ができるようになり、電力会社を選べるようになりました。そのため、少しでも安い電力会社はないか探している人もたくさんいるでしょう。どの会社も魅力がありますが、ハウステンボスから生まれた電力会社「HTBエナジー」が注目を集めています。ここでは、HTBエナジーについて詳しくお伝えします。
HTBエナジーはどんな会社?
HTBエナジーは長崎県にあるテーマパークが代表的なハウステンボス株式会社が始めた、一般家庭へ電力サービスを提供する会社で、2015年2月に作られました。これまで、テーマパークや官公庁などの法人に向けて、電力供給をしたこともあるほどです。一般家庭向けには、「たのしいでんき」と「まじめなガス」の2つのサービスを提供しています。「たのしいでんき」の電気プランは、沖縄電力管内や離島以外が対象エリアなので、北海道から九州まで多くの人が申し込むことは可能です。
HTBエナジーのお得な電気プランとは?
「たのしいでんき」の特徴は、電気料金が地域の電力会社より5%安いことです。たとえば、電気代が月5000円かかっているなら、「5000円×0.05(5%)」で250円安くなり、4750円に抑えられます。年間で考えると「250円×12カ月」で3000円も安くなる計算になるので、電気代を安く抑えたいなら良いサービスといえます。
「たのしいでんき」には料金プランがいくつかあり、特に「ママトクコース」や「朝ママトクコース」、「ミッドナイトママトクコース」が人気です。そのわけは、これらのコースには毎日2時間の無料時間帯があるからです。「ママトクコース」は午後7時から午後9時、「朝ママトクコース」は午前6時から午前8時、「ミッドナイトママトクコース」は午後10時から午前0時まで、従量料金が無料になります。なお、基本料金が高く設定されていたり、一部エリアでは利用できない事を、注意点として理解しておきましょう。
また、「たのしいでんき」には東京電力管内限定で、「H.I.S.旅トクコース」もあります。このコースは、H.I.S.が提供する旅行サービスの利用回数に応じて、基本料金が最大4カ月オフになるという内容です。旅行好きで普段からH.I.S.をよく使う人は、「H.I.S.旅トクコース」を契約すれば、趣味を楽しみつつ電気代を抑えられるでしょう。
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HTBエナジーの特徴と信頼性は?
HTBエナジーでは、JEPX(日本卸電力取引所)などで取引を行い、電源調達を行っています。太陽光発電・風力発電・地熱発電など再生可能エネルギーの電源開発・調達などにも力を入れています。
JEPX(日本卸電力取引所)
2003年に設立され、卸電力取引市場(発電事業者や小売電気事業者の間で電気を取引するための市場)の運営組織です。
例えば、大分県別府市に地熱発電所を作り発電に注力しています。別府市は温泉地として知られるほど地熱資源に恵まれ、地熱発電所の建設場所として適しているといえるでしょう。ハウステンボスにあるガスタービンを使った発電も行っています。ガスタービンは、高温の気体を活かし、羽根車を回転させて動力を発生させる熱機関で、「ガスタービンエンジン」ともいいます。飛行機のジェットエンジンが、ガスタービンのわかりやすい例として挙げられます。ハウステンボスでは、ガスタービンを3台とガスエンジン発電機を1台導入しています。このように、HTBエナジーは、市場価格に左右されない安定した価格で供給できるように努めています。
なお、ハウステンボスの親会社でもあるH.I.S.は、世界各地に店舗を数多く持つ大手の旅行会社です。ハウステンボスはオランダの街並みを再現したテーマパークで、日本各地から観光客が訪れる他、ドラマやCMにもよく使われています。これらのことから、HTBエナジーは信頼性の高い会社といってもよいでしょう。なお、HTBエナジーのサービスを利用するなら、H.I.S.の各店舗でも仮契約できるようになっています。
HTBエナジーのデメリットとは?
HTBエナジーを利用する場合、注意することが2点あります。まずは、30A(アンペア)からの契約のみ受け付けている(関西電力エリア、中国電力エリア、四国電力エリア以外)ため、使用中のアンペア容量が20A以下だと申し込みはできません。そもそも、20A以下で契約しているなら、電気はそれほど多く使っていないことになるので、他社に移っても料金が大幅に安くなることはないでしょう。アンペア容量を上げれば契約可能ですが、必要がないにもかかわらず無理に契約すると、かえって電気代が高くなってしまいます。ただし、今後電気を多く使うことが予想されるなら、アンペア容量を上げてHTBエナジーに切り替えるのもよいでしょう。アンペア容量に関しては、検針票(電気ご使用量のお知らせ)の「ご契約」や「ご契約容量」などの項目で確認できます。
また、HTBエナジーでは最低契約期間が1年と設定されており、それより前に解約した場合には、2000円+消費税の違約金がかかってきます。ただし、自分にあったプランを事前にきちんと選べば、途中で解約することもなくなり、違約金を払わずにすむでしょう。
この記事のまとめ
HTBエナジーは、電源開発や電源調達を工夫し低価格提供の電気代の安定化に努めています。増え続けるエネルギー需要の中で、人と自然が共に輝く「共存・共生」をテーマに掲げ取り組んでいる企業です。
- HTBエナジーはハウステンボスが始めた電力会社
- HTBエナジーの「たのしいでんき」の特徴は、電気代が5%引き
- HTBエナジーの電力プランには従量料金が無料の時間帯プランがある
電気プランがシンプルかつ、わかりやすい内容になっているのが魅力のHTBエナジー。そんなHTBエナジーに興味はあるものの、実際に切り替えたら電気代がいくらになるのか、知りたいという人もいるかもしれません。もしそういった人は、電気料金比較シミュレーションを使ってみるのがよいでしょう。電気料金比較シミュレーションでは、いくつかの項目を入力・選択すると、自分にあった電力会社や電気料金プランを知ることができます。自分の判断だけでは不安という人も、診断結果をもとに安心して切り替えられるでしょう。ほとんどのサイトでは無料で診断できるので、電力会社の切り替えを検討しているなら、一度一括比較サイトなどを 利用してみてはいかがでしょうか。