コスモでんきは、数多くある新電力のうちの1つで、ガソリン会社として知られるコスモ石油が提供している電力サービスです。ここから、コスモでんきの料金プランの特徴やメリット・デメリットについて紹介していきます。コスモでんきへの切り替えを検討するのであれば、各家庭でどのようなメリットやデメリットがあるのか、確認をしておくことが大切です。
目次
コスモでんきのプランは4種類!電気料金単価はどのプランも同じ!?
コスモでんきには、どのようなプランがあるのでしょうか。この段落では、コスモでんきのプランについて詳しく紹介していきます。
コスモでんきの4種類の電気プランの特徴
コスモでんきのプランは4種類です。しかし、どのプランも提供する電気料金単価は同じになっています。料金単価が同じであるというところは、何が違うのでしょうか。4種類の電気プランには、「スタンダード」「ポイントプラス」「セレクト」「グリーン」があり、値引となるプランやポイントが貯まるプランなど自分の好みに合わせて選択するようになっています。プランの違いはシンプルなので比較がしやすいようにも思えます。それでは詳しく見ていきましょう。
「スタンダード」「ポイントプラス」「セレクト」「グリーン」の料金単価
4種類の電気プランの電気料金単価は同じで、大手電力会社の電気料金単価と比較しても同じ単価設定(大手電力会社の相当するプラン)です。申し込みは、沖縄電力エリアを除いて契約することが可能になっています。大手電力会社のプランと料金単価は変わりませんが、使用量に応じてしっかり割引になるプランやポイントを貯められるプランなどで分かれています。
東京電力エナジーパートナーのスタンダードプランと電気料金単価比較(例)
コスモでんきは、アンペア(A)制のエリアでは20アンペア(A)以下の人は、申し込む事ができません。また、まったく電気を使わなかった月の基本料金は半額になるとされています。下記のように料金単価は東京電力エナジーパートナーのスタンダードプランと比較しても同じである事が分かります。その他のエリアでも同じように大手電力会社の相当するプランと同じ料金単価設定になっています。
種別 | 区分 | 単位 | 料金単価(10%税込) | |
---|---|---|---|---|
東京電力EP | コスモでんき | |||
基本料金 | 30A | 1契約 | 858.00円 | 858.00円 |
40A | 1,144.00円 | 1,144.00円 | ||
50A | 1,430.00円 | 1,430.00円 | ||
60A | 1,716.00円 | 1,716.00円 | ||
電力量料金 | 最初の120kWhまで | 1kWh | 19.88円 | 19.88円 |
120kWhをこえ300kWhまで | 26.46円 | 26.46円 | ||
300kWh超過分 | 30.57円 | 30.57円 |
コスモでんき「スタンダードプラン」の特徴
では、コスモでんきのスタンダードプランはどのような特徴があるかというと、電気料金単価は大手電力会社と変わりませんが、使用量に応じた割引の適用により、セット割やポイント還元などではなくしっかり電気代が安くなるという特徴があります。例えば東京電力エナジーパートナーのスタンダードSプランで1カ月40A400kWh~450kWhの電気を使う人は、コスモでんきのスタンダードプランに変更すると東京電力エナジーパートナーのスタンダードプランで契約していた時の電気代から570円割引(月)になるとされています。毎月同じ使用量を1年間使ったと考えると、年間で6,840円の電気代が安くなるという事です。このように電気使用量に応じて割り引かれる金額が決められているので必ず安くなります。割引額は各地域の電力会社ごとに差がありますが、契約アンペア数が大きく、電気の月間使用量が多いほど割引額が大きくなっているのは、各社でも共通している特徴といえます。
コスモでんき「ポイントプラスプラン」の特徴
コスモでんきのポイントプラスプランは、使った電気代に応じてdポイントが貯まるプランです。dポイントはNTTドコモが行っているdポイントクラブのポイントプログラムです。NTTドコモを利用していない人でも入会金や年会費は無料で入会することができます。ポイントプラスプランは、コスモでんきがNTTドコモと提携し2020年の2月3日からスタートした新しいプランになっています。還元されるポイントは1カ月の電気代が5,000円未満であれば1%、5,000~8,000円だった場合は3%、8,000円以上の人は5%です。ポイントプラスプランには、解約する時の解約金がありません。普段からdポイントを貯めている人は、電気代の支払いで毎月dポイントを貯める事が出来るためお得にポイントを貯められるのではないでしょうか。電気代も大手電力会社の価格と変わらないため電力会社を変更したことで電気代が高くなってしまうかもしれない、という心配はありません。解約も解約金がないプランですとなっているので、コスモでんきのポイントプランを検討してみるとよいでしょう。
※dポイントに還元される電気代には、燃料費調整額、離島ユニバーサル調整額、再生可能エネルギー発電促進賦課金、消費税、地方消費税相当額は含まれません。
コスモでんき「セレクトプラン」の特徴
3つめに紹介するコスモでんきのプランはセレクトプランです。セレクトプランは、ポイントプラスプランと一緒にNTTドコモとの提携でスタートした新しいプランでdTVやdマガジン(コスモでんきが提供するサービスは「dマガジン for Biz」)といったNTTドコモが提供するエンタメサービスを利用することができるプランです。通常、dTVで映画やドラマを楽しみたい場合の利用料は500円(月額)、PCやタブレット、スマートフォンで雑誌が読めるdマガジンを利用すると400円(月額)の利用料が必要になります。セレクトプランで契約するとdTVコースとdマガジンコースのどちらにするかを選択することになりますが、既にdTVやdマガジンを利用している人は毎月の利用料が電気代の支払いで削減できるのでお得になります。セレクトプランを解約する場合は、dTVプランを選択している場合は、dTVの視聴ができなくなります。dマガジンコースを選択している場合は、1年以内に解約してしまうと原則2,000円の解約金が必要になりますので注意しましょう。
コスモでんき「グリーンプラン」の特徴
コスモでんきのグリーンプランも電気料金単価は他のプランと変わりません。しかし、環境維持につながるCO2排出量0(実質)の電気として提供されています。また、コスモ石油エコカード基金が行う環境保全や環境教育などのエコ活動などの社会・環境貢献活動に同時に参加できるため電気の使用が環境保全に直結するプランとなっています。大手電力会社の電気代と変わらず環境保全に協力できるため環境問題に関心がある人はグリーンプランにも注目してみましょう。
コスモでんきの電源構成(2019/4/1~2020/3/31)
卸電力取引所 | FIT電気 | LNG | 石炭 | 再生可能エネルギー | 石油 | 水力 | その他 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
48.8% | 6.9% | 4.9% | 4.4% | 3.9% | 0.7% | 0.3% | 30.2% |
コスモでんきグリーンプランの契約者は、コスモでんきがグリーンプランで契約する人の年間使用電力量以上相当する再生可能エネルギー由来の非化石証書(※)を使用することで実質的に再生可能エネルギー100%のCO2フリー電気の利用が可能となっています。
※非化石証書とは、非化石電源により発電された電気の環境価値を証書化したもの。
どれくらい安くなる?大手電力会社との比較!
コスモでんきの電気プランはどれも大手電力会社の相当するプランと同じになっています。電気代の使用量に応じた割引があるプランやポイント還元プランなどでは実際にどのくらいお得になるのか東京電力エナジーパートナーのスタンダードプランと比較をしてみましょう。
●A:東京電力エナジーパートナー スタンダードプラン
●B:コスモでんき スタンダードプラン
30A350kWhの場合 | 40A400kWhの場合 | 50A500kWhの場合 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
A | B | A | B | A | B | |
1カ月の電気代 | 9,534円 | 11,349円 | 14,692円 | |||
割引額 | - | -260円 | - | -570円 | - | -870円 |
1カ月の電気代合計 | 9,534円 | 9,274円 | 11,349円 | 10,779円 | 14,692円 | 13,822円 |
1年間の電気代 | 114,408円 | 111,288円 | 136,188円 | 129,348円 | 176,304円 | 165,864円 |
スタンダードプランは、東京電力エナジーパートナーのスタンダードプランと比較すると使用量に応じた割引があるため必ず安くなります。電気を30A350kWh(1カ月)使う家庭であれば、260円/月、年間で3120円お得になります。電気を多く使う家庭であればあるほど割引額も大きくなります。
●A:東京電力エナジーパートナー スタンダードプラン
●C:コスモでんき ポイントプラン
30A350kWhの場合 | 40A400kWhの場合 | 50A500kWhの場合 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
A | C | A | C | A | C | |
1カ月の電気代 | 9,534円 | 11,349円 | 14,692円 | |||
ポイント還元(相当) | - | 434円 | - | 516円 | - | 668円 |
1年間の電気代 | 114,808円 | 136,188円 | 176,304円 | |||
ポイント還元(相当) | - | 5,208円 | - | 6,192円 | - | 8,016円 |
※ポイント還元は、1円未満の端数が生じた場合は、その端数が切り上げとなります。
ポイント還元プランは、使った分の電気代がdポイントとして還元されるプランとなり、30A350kWh使用した場合では、1カ月で434円相当が還元されるため、実質電気代は、9,100円となります。年間では、5,208円相当がポイントとして還元されるため、電気代も円が109,600円になります。
●A:東京電力エナジーパートナー スタンダードプラン
●D:コスモでんき セレクトプラン dTVコース
●E:コスモでんき セレクトプラン dマガジンコース
30A350kWhの場合 | 40A400kWhの場合 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
A | D | E | A | D | E | |
1カ月の電気代 | 9,534円 | 11,349円 | ||||
dTV・dマガジン代 | - | -500円 | -400円 | - | -5000円 | -400円 |
1年間の電気代 | 114,808円 | 136,188円 | ||||
dTV・dマガジン代 | - | -6,000円 | -4,800円 | - | ‐6,000円 | -4,800円 |
セレクトプランは、NTTドコモのdTVかdマガジンのコンテンツ利用が電気代の契約で利用できるプランになっているため、電気代の使用量でサービスの内容が変化することはありません。
※電気代には、燃料費調整額や再生可能エネルギー発電促進賦課金は含まれていません。
※電気代の計算は、簡易にするために年間で使用量に変動はないとしています。
コスモでんきのメリットとデメリットを知ろう!
電力会社ごとにプランは存在しますが、それぞれに特徴があるため、契約を考えるうえでは内容をしっかり把握しておくことが大切です。特徴をよく押さえたうえで、各家庭に合ったプランかどうかチェックしておきましょう。
メリットは大手電力会社よりも安くなること
コスモでんきは、WEBまたは電話によって申し込むことができ、WEBでの申し込みでは最短3分で済ませられます。公式サイトを開き、契約するプランを選んで必要事項を入力していけば申し込みができます。電話の場合は、コスモでんきお客さまセンターから申し込むことができます。平日は午前9時~午後8時まで受け付けています。申し込みや電気代に応じた期間限定のキャンペーンなども開催されている場合があり、活用すればメリットにもなるでしょう。
コスモでんきが提供する料金設定の場合、居住エリアの大手電力会社の従量電灯プランと比較して割高になることはありません。他の電力会社の場合、使用方法によっては割高になってしまうのではないかという心配もあるでしょう。コスモでんきのプランでは一定の割引やポイント還元だけが適用されるので、その点はシンプルなプラン設定で分かりやすいところがメリットといえるでしょう。また、コスモでんきの契約期間は1年間ですが、途中で解約しても違約金は必要ありません(セレクトプランのdマガジンコースは1年以内の解約で2,000円の解約金が必要)。そのため、気軽に契約することができるのです。また、どのエリアであっても、契約アンペア数や月間の電気消費量が大きいほど割引額も大きくなっていきます。電気を多く使用する人にとってはメリットも大きく、魅力的なプランであるといえます。
オール電化プランがないなどデメリットもある!
コスモでんきでは、オール電化向けの料金プランが用意されていません。コスモでんきに限らず、オール電化の住宅で新電力のプランを利用すると、かえって電気料金が高くなってしまうものも多く、注意が必要です。また、大手の電力会社の従量電灯A/B/Cプラン以外と比較をするときには、電気代がどの程度変わるのかしっかりシミュレーション比較をすることが大切です。電気料金の支払方法は、クレジットカードのみです。口座振替を希望している人にとっては、この支払方法についてもデメリットと感じてしまうこともあるでしょう。コスモでんきはコスモ石油が提供していますが、石油スタンドでの割引特典はありません。ガソリンが安くならないため、車に乗っている人にとってお得感がない点もデメリットといえます。
コスモでんきのプランは電気使用量が多い人にとってはお得ですが、あまり使用しない人にとっては割引の恩恵が受けられないケースもあります。月間使用量が、契約アンペア数が30Aの場合は300kWh未満、40A以上の場合は250kWh未満のときなどには、割引はありません。また、契約アンペア数が30A未満の場合や、低圧電力(動力)の場合など、申し込むことができないケースが多く存在する点もデメリットといえるでしょう。
この記事のまとめ
コスモでんきの電気プランは4種類です。各プランの電気料金単価はすべて同じです。
- コスモでんきのスタンダードプランは、電気使用量に応じた割引がある
- コスモでんきのポイントプランは、電気代に応じたdポイントの還元がある
- コスモでんきのセレクトプランは、電気の契約でNTTドコモのdTVやdマガジンが利用できるプランである
- コスモでんきのグリーンプランは、CO2排出量ゼロの環境に優しいプランである
電力自由化によって、電力会社を自由に変更することが可能になりました。しかし、細部を確認することなく変更すると、思わぬデメリットを感じてしまうこともあるので注意が必要です。電力会社にはそれぞれに特徴があり、得意分野も異なります。メリットやデメリットを十分に把握して、自分のライフスタイルと照らし合わせてじっくりと検討し、メリットを多く受けられる電力会社のプランを探しましょう。